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こころざ
ふりがな文庫
“
志
(
こころざ
)” の例文
そこで、深山木の変死事件があってから、一週間ばかりたった時分、会社の帰りを、私は諸戸の住んでいる池袋へと
志
(
こころざ
)
したのである。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
茂兵衛 あらまし
形
(
かた
)
がついたら、その時あ親子三人、
志
(
こころざ
)
す方へ飛んで行くのだ。(外から戸を
敲
(
たた
)
く。心張棒をとって振ってみる)
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
付近に
肥溜
(
こえだ
)
めなぞがあって、むろん若様がたの立ち入るところでない。しかし運動にあきた
照彦
(
てるひこ
)
様はまもなく正三君を
従
(
したが
)
えて、この方面へ
志
(
こころざ
)
した。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いかなる道を世に
志
(
こころざ
)
そうと、いのちを持たで出来ようか。されば、さむらいの、もっとも恥は犬死ということだ。次には、死に下手というものか。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お前も卒業までと思ったろうし、又大学までとも
志
(
こころざ
)
して
居
(
い
)
たろうけれど、人は一日も早く独立の生活を営む方が
可
(
え
)
えことはお前も知って居るだろう。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
男は正面を見たなり、女は
傍目
(
わきめ
)
も触らず、ひたすらにわが
志
(
こころざ
)
す
方
(
かた
)
へと一直線に走るだけである。その時の口は堅く結んでいる。
眉
(
まゆ
)
は深く
鎖
(
とざ
)
している。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
奥の道は、いよいよ深きにつけて、空は
弥
(
いや
)
が上に曇った。けれども、
志
(
こころざ
)
す
平泉
(
ひらいずみ
)
に着いた時は、幸いに雨はなかった。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それ
故
(
ゆえ
)
事の面倒にならぬ
中
(
うち
)
わが身一つに罪を背負って死出の旅路を
志
(
こころざ
)
し
申候
(
もうしそうろう
)
。何とぞ
後
(
のち
)
の
回向
(
えこう
)
をたのむとあった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ゆえに僕は実業に
志
(
こころざ
)
す人に、社会国家を
忘
(
わす
)
れろとは決して言わないけれども、口に出すことだけは
遠慮
(
えんりょ
)
するほうがよかろうと
勧
(
すす
)
めたいくらいに思っている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
二郎は昼の
中
(
うち
)
に弁当を食べ尽して、何か
食物
(
たべもの
)
を買うところはないかと思って、考えていますと、遠くの方で太鼓の音が聞えているので、早速その方を
志
(
こころざ
)
して道を急ぎました。
迷い路
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
誰
(
だれ
)
にも
一人
(
ひとり
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
が
附
(
つ
)
いて
居
(
お
)
ることは、
心霊
(
しんれい
)
に
志
(
こころざ
)
す
方々
(
かたがた
)
の
御承知
(
ごしょうち
)
の
通
(
とお
)
りでございますが、
私
(
わたくし
)
にも
勿論
(
もちろん
)
一人
(
ひとり
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
が
附
(
つ
)
いて
居
(
お
)
り、そしてその
守護霊
(
しゅごれい
)
との
関係
(
かんけい
)
はただ
現世
(
げんせ
)
のみに
限
(
かぎ
)
らず
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
日本人の
度量
(
どりょう
)
は、太平洋よりも広いんだ、昔から日本人は海外発展に
志
(
こころざ
)
して、
落々
(
らくらく
)
たる
雄図
(
ゆうと
)
をいだいたものは、すこぶる多かったのだ、この山田という人は
通商
(
つうしょう
)
のためか、学術研究のためか
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
若い頃に画家になろうと
志
(
こころざ
)
した程の、私などが足もとにも近づけない程の、美術に対して
勝
(
すぐ
)
れた
観照眼
(
かんしょうがん
)
を持っている茂吉であった事を、ずっと後に、思い出して、私は、
冷汗
(
ひやあせ
)
をかいたことである。
茂吉の一面
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
そこで彼は、未来において地下戦車長を
志
(
こころざ
)
すわけを、係長に話をした。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自分の
志
(
こころざ
)
すことはほかにあった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
志
(
こころざ
)
す道につき進もう、そしてもし一道の芸能の
士
(
し
)
と成り得たら、何十年の後なりと、またお目にかかりましょうと……
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、
真先
(
まっさき
)
に
志
(
こころざ
)
したのは、城の
櫓
(
やぐら
)
と境を接した、
三
(
み
)
つ
二
(
ふた
)
つ、全国に指を屈すると云ふ、
景勝
(
けいしょう
)
の公園であつた。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
たちまち見る、水ぎわをたどりて、火の
方
(
かた
)
へと近づきくる黒き影あり。こは年老いたる旅人なり。彼は今しも御最後川を渡りて浜に
出
(
い
)
で、浜づたいに小坪街道へと
志
(
こころざ
)
しぬるなり。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
公
(
おおやけ
)
の事に奔走すれば野心家と
疑
(
うたが
)
われ、老後他人の
厄介
(
やっかい
)
になるまいと
貯蓄
(
ちょちく
)
に
志
(
こころざ
)
せば
吝嗇奴
(
りんしょくど
)
と
侮
(
あなど
)
られ、一
挙手
(
きょしゅ
)
、一
投足
(
とうそく
)
、何事にしても、
吾人
(
ごじん
)
のする事なす事につき非難を
揷
(
さしはさ
)
むことのなきものはない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
長崎も
居留地
(
きょりゅうち
)
を見なければ貿易港気分は味わえないとあって、先ず大浦へと
志
(
こころざ
)
した。電車道へ出ると間もなく洋館の並んだ海岸を一直線に走って、長崎ホテルのところから又直ぐに引き返した。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
二人
(
ふたり
)
の
乗
(
の
)
っている
船
(
ふね
)
は、その
夕焼
(
ゆうや
)
けの
方
(
ほう
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
みました。そして、
多
(
おお
)
くの
日数
(
ひかず
)
を
経
(
へ
)
てから、ついに
船
(
ふね
)
は、
南
(
みなみ
)
の
志
(
こころざ
)
した
国
(
くに
)
の
港
(
みなと
)
に
着
(
つ
)
きました。
男
(
おとこ
)
は、さっそく
霊薬
(
れいやく
)
を
王
(
おう
)
さまに
献
(
けん
)
じたのであります。
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山田
(
やまだ
)
君と
君川
(
きみかわ
)
君という大学生が、やはり三角岳を
志
(
こころざ
)
して登っていった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
汚れた
萌黄
(
もえぎ
)
の
裁着
(
たッつけ
)
に、
泥草鞋
(
どろわらじ
)
の乾いた
埃
(
ほこり
)
も、
霞
(
かすみ
)
が麦にかかるよう、
志
(
こころざ
)
して
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
く。
早
(
はや
)
その太鼓を
打留
(
うちや
)
めて、
急足
(
いそぎあし
)
に近づいた。いずれも子獅子の
角兵衛
(
かくべえ
)
大小
(
だいしょう
)
。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれど、人に愛をおしえ、
不遇
(
ふぐう
)
な子の友だちとなり、人に
弓矢
(
ゆみや
)
鉄砲
(
てっぽう
)
いがいの人生を
悟
(
さと
)
らせようと
志
(
こころざ
)
している自分が、その刀をたのみにしたり、その
殺生
(
せっしょう
)
をやったりしてはならない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、トム
吉
(
きち
)
は、
志
(
こころざ
)
す
町
(
まち
)
の
方
(
ほう
)
に
向
(
む
)
かって
歩
(
ある
)
いていきました。
トム吉と宝石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
愈々計画の実現に
志
(
こころざ
)
したのであった。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
……
鷁首
(
げきしゅ
)
の船は、其の島へ
志
(
こころざ
)
すのであるから、竜の口は近寄らないで済むのであつたが。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我が散策子は、
其処
(
そこ
)
を
志
(
こころざ
)
して来たのである。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“志”の意味
《名詞》
(こころざし)何かをしたいと思うこと。特に、将来に対する希望や願望をかなえようとする決意。
(出典:Wiktionary)
志
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“志”を含む語句
意志
同志
志望
志操
御志
志斐嫗
芳志
中臣志斐媼
首里天加那志
御芳志
女同志
同志討
所志
立志
志都
篤志
志賀
聊斎志異
高志
志願
...