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安芸
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あき
ふりがな文庫
“
安芸
(
あき
)” の例文
旧字:
安藝
某人
(
あるひと
)
が「
安芸
(
あき
)
の
厳島
(
いつくしま
)
の
弁財天
(
べんざいてん
)
へ、火のものを絶って祈願を
籠
(
こ
)
めると、必ず覚えがよくなる」と云って教えた。尊は十二三であった。
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その一族の中では、羽前の
左沢
(
あてらざわ
)
に移住したものは左沢某と呼んでいるが、
安芸
(
あき
)
国に分れて行った家はそのままに毛利家と称しておった。
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
村山喜兵衛が先触れにゆき、すると、
安芸
(
あき
)
の子の兵庫宗元と、家老二名、高野仲兵衛、大平一郎兵衛とが、大手門まで迎えに出た。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
吉川元春は、自身、
安芸
(
あき
)
を発し、同じ頃、秀吉は、占領地を
宮部善性坊
(
みやべぜんしょうぼう
)
、木下
重堅
(
しげかた
)
の二将にあずけて、姫路へ退陣して行った。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
清輔
(
きよすけ
)
がある。
隆季
(
たかすえ
)
がある。女には堀川がある。
安芸
(
あき
)
がある。
小大進
(
こだいしん
)
がある。国歌はあたかも再興の全盛時代であった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
「まあ、お話しなさい、火種はいつでもありますよ、この炉の中の火は、
安芸
(
あき
)
の
厳島
(
いつくしま
)
の消えずの火と同じことで、永久に立消えなんぞはしないから」
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それはさて
置
(
お
)
き、
命
(
みこと
)
はその
際
(
さい
)
は
二晩
(
ふたばん
)
ほどお
泊
(
とま
)
りになって、そのままお
帰
(
かえ
)
りになられましたが、やがて
帝
(
みかど
)
のお
裁可
(
ゆるし
)
を
仰
(
あお
)
ぎて
再
(
ふたた
)
び
安芸
(
あき
)
の
国
(
くに
)
にお
降
(
くだ
)
り
遊
(
あそ
)
ばされ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
康頼の真心が通じたのか、神明のご加護があったのか、その内の一本が
安芸
(
あき
)
の
厳島
(
いつくしま
)
に流れついたのであった。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
そして
岡田宮
(
おかだのみや
)
というお宮に一年の間ご滞在になった後、さらに
安芸
(
あき
)
の国へおのぼりになって、
多家理宮
(
たけりのみや
)
に七年間おとどまりになり、ついで
備前
(
びぜん
)
へお進みになって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
主人役の伊沢元仏蘭西領事と山川の教え子だった伊沢の細君の
安芸
(
あき
)
子、須田理学士、貿易再開で近くリヨンに行く森川組の笠原忠兵衛、シンガポールの戦犯裁判で
蝶の絵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
つぎに
安芸
(
あき
)
のトウビョウ、
備後
(
びんご
)
の
外道
(
げどう
)
、
備前
(
びぜん
)
のチュウコなどは山陽独特に相違ない。安芸のトウビョウは、一般の説では蛇であると申している。すなわち蛇つきである。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
それが
秀頼
(
ひでより
)
公初め真田幸村等の
薩摩落
(
さつまおち
)
という風説を信じて、水の手から
淀川口
(
よどがわぐち
)
にと落ち、
備後
(
びんご
)
安芸
(
あき
)
の辺りに身を忍ばせていたが、秀頼その他の確実に
陣亡
(
じんぼう
)
されたのを知るに及んで
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
話できいたのでは、長門峡の方が好いさうだが、あれとはまた違つた趣致があるらしいやうに私には思はれる。
安芸
(
あき
)
の三段峡にも、余り俗化されない中に行つて見たいと思つてゐる。
行つて見たいところ
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
下
(
くだ
)
らぬ事に大きな声をして、聞かれぬ話をして、面白そうにしてる中に、私一人は真実無言、丸で
取付端
(
とっつきは
)
がない。船は
安芸
(
あき
)
の
宮島
(
みやじま
)
へ
着
(
つい
)
た。私は宮島に用はない。
唯
(
ただ
)
来たから唯島を見に
上
(
あが
)
る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
黒田権少属、熊城史生出デヽ
郛門
(
ふもん
)
ニ迎フ。コノ地原ハ仙台ノ支族伊達
安芸
(
あき
)
ノ居所ニ係ル。
街衢
(
がいく
)
井然
(
せいぜん
)
トシテ
商估肆
(
しょうこし
)
ヲ
列
(
つら
)
ネ隠然トシテ一諸侯ノ城邑ノ如シ。今春土浦ノ藩士朝命ヲ以テ来リ鎮ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今からおよそ十年
余
(
あま
)
りも前に、広島県
安芸
(
あき
)
の国〔県の西部〕の
北境
(
ほっきょう
)
なる
八幡
(
やはた
)
村で、広さ数百メートルにわたるカキツバタの
野生群落
(
やせいぐんらく
)
に
出逢
(
であ
)
い、
折
(
おり
)
ふし六月で、花が一面に満開して
壮観
(
そうかん
)
を
極
(
きわ
)
め
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「
聚落
(
じゅらく
)
の
安芸
(
あき
)
の
毛利
(
もうり
)
殿の
亭
(
ちん
)
にて連歌の折、庭の紅梅につけて、梅の花
神代
(
かみよ
)
もきかぬ色香かな、と紹巴法橋がいたされたのを人〻褒め申す」と答えたのにつけて、神代もきかぬとの
業平
(
なりひら
)
の歌は
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
かつて
其諺
(
きげん
)
翁の『
滑稽雑談
(
こっけいぞうだん
)
』三に猿の口開き、こは
安芸
(
あき
)
宮島にある祭なり。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
……
江州
(
ごうしゅう
)
へ入っては佐々木家へ仕え、京へはいっては三好家へ仕え、
播磨
(
はりま
)
へ行っては別所家へ仕え、
出雲
(
いずも
)
へ行っては尼子家へ仕え、
備前
(
びぜん
)
へ行っては浮田家へ仕え、
安芸
(
あき
)
へ行っては毛利家へ仕えた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
三五夜の中国一ぞ
安芸
(
あき
)
の月 弘永
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
安芸
(
あき
)
の
厳島
(
いつくしま
)
などは、島の神が姫神であった為か、昔は島の内で機を立てることが常に禁じられてありました(棚守房顕手記)。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
夕餉のときも紀伊がみえず、書斎へ茶を持って来たのも、べつの小間使であったし、寝間の支度は
安芸
(
あき
)
という小間使がした。
女は同じ物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一挙備中に入り、高松城を占め、進んで
安芸
(
あき
)
の本城吉田山に肉薄して、否やなく毛利をして、城下の
盟
(
ちかい
)
をなさしめん。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
安芸
(
あき
)
等、
畿内
(
きない
)
から山陽道にわたって漂うのを常とし、これらの地を蚊が襲うようになると、彼等は東海道と東山道、或いは山陽道と山陰道との山脈間の村落
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私はその裏面の消息を詳しく知らないが、とにかく反対派が種々の陰謀をめぐらした間に、初子は伊達
安芸
(
あき
)
らと心をあわせて、陰に陽に我が子の亀千代を保護した。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いかにも
遠
(
とお
)
い
昔
(
むかし
)
のこと、
所
(
ところ
)
の
名
(
な
)
も
人
(
ひと
)
の
名
(
な
)
も、
急
(
きゅう
)
には
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
びませぬ。——
私
(
わたくし
)
の
生
(
うま
)
れたところは
安芸
(
あき
)
の
国府
(
こくふ
)
、
父
(
ちち
)
は
安藝淵眞佐臣
(
あきぶちまさをみ
)
……
代々
(
だいだい
)
この
国
(
くに
)
の
司
(
つかさ
)
を
承
(
うけたまわ
)
って
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それは他でもない、
安芸
(
あき
)
の
厳島
(
いつくしま
)
へご祈願にお出でになるのです。あすこは平家の人々が
敬
(
うやま
)
い
崇
(
あが
)
めるお社でございます。何もおかしいことはありません、あすこには
内侍
(
ないし
)
と申す舞姫がおります。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
春ののどかなところとしては、
安芸
(
あき
)
の宮島なども捨て難いところがある。あの紅葉谷公園には、花はさう沢山はないけれども、それでも新緑に交つて八重が美しく咲いてゐたのを見たことがある。
花二三ヶ所
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
安芸
(
あき
)
の宮島の
女夫
(
めおと
)
烏は、一年に一度しか祭を
享
(
う
)
けぬことになっているが、時々は七浦回りの信心者の船が供えものをする。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
たとえ、織田の軍勢が、どれほど来ようと、毛利の勢力は、
安芸
(
あき
)
周防
(
すおう
)
をはじめ、山陰山陽の十二ヵ国に
亙
(
わた
)
っている。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
涌谷
(
わくや
)
(伊達
安芸
(
あき
)
)と寺池(式部
宗倫
(
むねとも
)
)の地境論が、涌谷の譲歩によって解決したということは、こちらで聞いた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
豊前
(
ぶぜん
)
の細川、筑後の田中、肥前の鍋島及び唐津の寺沢、土佐の山内、
長門
(
ながと
)
の毛利、
阿波
(
あわ
)
の蜂須賀、伊予の加藤左馬之助、播磨の池田、
安芸
(
あき
)
の福島、紀伊の浅野等をはじめとして
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これが着いた先は、
周防
(
すおう
)
の
釜戸
(
かまど
)
ノ関(現・上ノ関)で、尊氏はここから
安芸
(
あき
)
の厳島神社へ代参の使い舟を派し
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
安芸
(
あき
)
の国広島、四十二万石の大守浅野左少将
光晟
(
みつあきら
)
が、
参覲
(
さんきん
)
の途上、岡山城に立ち寄って光政を訊ねた。二人は年もほぼ同じくらいでよく話の合う間柄だった。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
熊谷
(
くまがい
)
が
安芸
(
あき
)
に移り、武田が
上総
(
かずさ
)
・
若狭
(
わかさ
)
に行っても、なお武田であるような風は鎌倉時代の末からである。すなわち日本では地名の方が不動で、家名が動いたのであった。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
安芸
(
あき
)
のおじさん、どうしたものだよ
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さらに
安芸
(
あき
)
には、桃井、小早川一族を差し置く。
周防
(
すおう
)
には大島義政、大内豊前守。長門には守護の
厚東
(
こうとう
)
一族を。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊達
安芸
(
あき
)
と伊達式部との、領地の境界の争いは、遠田郡小里村、
登米郡
(
とめごおり
)
赤生津
(
あこうづ
)
村、
桃生
(
ものお
)
郡深谷、という三カ所で起こっていて、甲斐はその現地へ、内検分にでかけた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
安芸
(
あき
)
の
福成寺
(
ふくしょうじ
)
の
虚空蔵
(
こくうぞう
)
の御像には、附近の農民が常に麦の粉や、米の粉を持って来て供えました。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この客僧の恵瓊というのは、
字
(
あざな
)
は
瑶甫
(
ようほ
)
、
安芸
(
あき
)
の国沼田の産れで、京都東福寺に入って僧となった者である。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊達家の麻布屋敷にいた伊達
安芸
(
あき
)
は、早朝に起きて
沐浴
(
もくよく
)
し、白の
下襲
(
したがさね
)
を着て朝食の
膳
(
ぜん
)
に向かうと、
涌谷
(
わくや
)
から供をして来た家従たち、老臣から小姓頭などに、盃を廻した。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
たとえば
安芸
(
あき
)
の国、それに
周防
(
すおう
)
など、今でも船材を多く出しているし、中世においては建築木材を出しており、奈良の大きな寺院の建立などには常に用材を供給していた。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
つい保元平治の合戦の前までは、
眇目
(
すがめ
)
の子の
安芸
(
あき
)
どのか——ぐらいに下に見ていられた清盛が、内大臣からまたたくまに、太政大臣——嘘のような事実である。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
広島県
安芸
(
あき
)
郡でこの草をオトノサンヨモギ、また淡路島の一部でトノサマユムギという理由はわからぬが、これも私などの推測では、餅にはハハコグサを入れる方が古く
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
翌日、——三カ条の誓紙を、涌谷の伊達
安芸
(
あき
)
まで、使者に託して送った。使者は
小者
(
こもの
)
で、もちろんそれが「誓紙」であることなどは云わず、単純な時候みまいというふうに思わせた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
安芸
(
あき
)
の
山県
(
やまがた
)
郡ではこれに粃を合せて、粉にして作ったものをヒキモノ餅といっている。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それは、毛利方の吉川、小早川の大軍が上月城を攻め陥すとまもなく、戦況の持久的になるのを察して、吉川元春は
出雲
(
いずも
)
へ、小早川隆景は
安芸
(
あき
)
へ、それぞれ退いてしまったことにある。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊達
安芸
(
あき
)
の手紙は「地境論」の経過を述べたものであった。安芸の領地の遠田郡涌谷は、伊達式部の領地である
登米
(
とめ
)
郡寺池と接していて、寛文三年このかた、三カ所に地境の争いが起こっていた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
(ハ)
峠方
(
たおかた
)
・谷方
安芸
(
あき
)
高田郡
郷野
(
ごうの
)
村大字桂字峠桂及び谷桂、
峠
(
たお
)
は山の
隈
(
くま
)
すなわち入り込んだ部分で、さらに山路の義に移っているが、ここでは単に山の上というばかりの意味である。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
(前の山名豊国を追放した二臣の首さえお渡しあれば、あなたは本国
安芸
(
あき
)
へお引き揚げあるがよい。構えて、秀吉は、貴下の首を安土へ献じて、自分の功を誇らんなどとは思うていない)
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“安芸”の意味
《固有名詞》
安芸 (あき)
旧国名の一つ。安芸国。
広島県にある地名。安芸郡、安芸区。
高知県にある地名。安芸郡、安芸市。
(出典:Wiktionary)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
芸
常用漢字
小4
部首:⾋
7画
“安芸”で始まる語句
安芸守
安芸国
安芸人
安芸中野
安芸守斉賢
安芸守茂長
安芸右馬助能行