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だいこく
ふりがな文庫
“
大黒
(
だいこく
)” の例文
故に信州から直接越中へ出るには、どうしてもどこかで山を越さねばならぬ。
大黒
(
だいこく
)
(二四〇五)を越して
祖母谷
(
ばばだに
)
、
猿飛
(
さるとび
)
へ出るのもよい。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
ネズミ色のダブダブのズボンに、シャツの上から、赤いチャンチャンコのようなものをきて、頭には赤い
大黒
(
だいこく
)
ずきんをかぶっています。
妖星人R
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
土地によってはそれが
大黒
(
だいこく
)
ともなり、海と陸との生産
擁護
(
ようご
)
をこの二つの神が分担し、または二神揃って農民の家に祭られたまうを見れば
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
だから、
尼僧
(
あま
)
ともつかず、
大黒
(
だいこく
)
ともつかず、と言つて普通の
家
(
うち
)
の細君でもなし——まあ、
門徒寺
(
もんとでら
)
に日を送る女といふものは僕も初めて見た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「東雲さん、私も、どうもこの頃運が悪くて困る。一つ運が
好
(
よ
)
くなるように、
縁喜直
(
えんぎなお
)
しに
大黒
(
だいこく
)
さんを彫ってくれませんか」
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
すると、かなしいことにお鯉は永平寺の坊さんの、
大黒
(
だいこく
)
になったという
腥
(
なまぐ
)
さい
噂
(
うわさ
)
を聞いた。おやおやと落胆してしまった。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
枕元を見ると箱の上に一寸ばかりの人形が沢山並んでゐる、その中にはお
多福
(
たふく
)
も
大黒
(
だいこく
)
も
恵比寿
(
えびす
)
も
福助
(
ふくすけ
)
も
裸子
(
はだかご
)
も招き猫もあつて皆笑顔をつくつてゐる。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
成程
(
なるほど
)
、
子分
(
こぶん
)
の
多人数
(
たにんず
)
在
(
あ
)
るのは
子槌
(
こづち
)
で、
夫
(
そ
)
れから
種々
(
いろ/\
)
の
宝
(
たから
)
を
振
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
しますが、
兜町
(
かぶとちやう
)
のお
宅
(
たく
)
へ
往
(
い
)
つて見ると
子宝
(
こだから
)
の多い事。甲「
第
(
だい
)
一
国立銀行
(
こくりつぎんこう
)
で
大黒
(
だいこく
)
の
縁
(
えん
)
は
十分
(
じふぶん
)
に
在
(
あ
)
ります。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
心意氣氣
(
こゝろいきゝ
)
に
入
(
い
)
らねば
姉
(
あね
)
さま
嫌
(
きら
)
ひてお
受
(
う
)
けはせざりしが、
彼
(
あ
)
の
方
(
かた
)
とても
世
(
よ
)
には
名高
(
なだか
)
きお
人
(
ひと
)
と
遣手衆
(
やりてしゆ
)
の
言
(
い
)
はれし、
嘘
(
うそ
)
ならば
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
よ、
大黒
(
だいこく
)
やに
大卷
(
おほまき
)
の
居
(
い
)
ずば
彼
(
あ
)
の
樓
(
いゑ
)
は
闇
(
やみ
)
とかや
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「永田の
大黒
(
だいこく
)
ボーシンも来ちょるな。いっぺん、君とゆっくりやりたいと、思うちょった」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
ただ稲荷は
保食神
(
うけもちのかみ
)
の腹中に
稲生
(
いねな
)
りしよりの「いなり」で、
御饌津神
(
みけつかみ
)
であるその御饌津より「けつね」即ち狐が持出されたまでで、
大黒
(
だいこく
)
様(
太名牟遅神
(
おおなむちのかみ
)
)に鼠よりも縁は遠い話である。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
でこぼこした石をつたって二
丈
(
じょう
)
ばかりつき立っている、暗黒な大石の下をくぐるとすぐ舟があった。舟子は、
縞
(
しま
)
もめんのカルサンをはいて、
大黒
(
だいこく
)
ずきんをかぶったかわいい
老爺
(
ろうや
)
である。
河口湖
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
天井から「
戎
(
えびす
)
」または「
大黒
(
だいこく
)
」と呼ぶ
欅作
(
けやきづく
)
りの大きな
釣手
(
つりて
)
を下げ、それに
自在
(
じざい
)
を掛けます。その
鉤
(
かぎ
)
の彫りに実に見事なものがあります。好んで水に
因
(
ちな
)
んだものや、吉祥の
徴
(
しるし
)
を選びます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
意味はよく判らないがその頃はや
夷子
(
えびす
)
、
大黒
(
だいこく
)
を対称しただけは判る。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その神様の種類からいえば、先ず店の間の
天照皇太神宮
(
てんしょうこうたいじんぐう
)
を初めとし、
不動明王
(
ふどうみょうおう
)
、
戸隠
(
とがくし
)
神社、
天満宮
(
てんまんぐう
)
、
戎
(
えびす
)
、
大黒
(
だいこく
)
、
金比羅
(
こんぴら
)
、
三宝荒神
(
さんぼうこうじん
)
、
神農
(
しんのう
)
様、弁財天、
布袋
(
ほてい
)
、稲荷様等、
八百万
(
やおよろず
)
の神々たちが存在された。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
「
大黒
(
だいこく
)
さんが来たようにうれしいでしょう。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
大黒
(
だいこく
)
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
大黒
(
だいこく
)
の信者はもとよりのこと、そうでないものでも、商売繁昌の神のこと故、尊信するもの
甚
(
はなは
)
だ多くして、大黒様をその年には沢山にこしらえました。
幕末維新懐古談:09 甲子年の大黒のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
三寸の地球儀、
大黒
(
だいこく
)
のはがきさし、
夷子
(
えびす
)
の絵はがき、千人児童の図、
八幡太郎
(
はちまんたろう
)
一代記の
絵草紙
(
えぞうし
)
など。いとめづらし。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
祖母谷
(
ばばだに
)
、
大黒
(
だいこく
)
という当時としてはかなり大きな旅行を済ませたばかりであるのに、二人の友人が東京へ帰るのを見送ると共に、また山に入ったのだから。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
お
齒
(
は
)
ぐろ
溝
(
どぶ
)
の
角
(
かど
)
より
曲
(
まが
)
りて、いつも
行
(
ゆ
)
くなる
細道
(
ほそみち
)
をたどれば、
運
(
うん
)
わるう
大黒
(
だいこく
)
やの
前
(
まへ
)
まで
來
(
き
)
し
時
(
とき
)
、さつと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
大黒傘
(
だいこくがさ
)
の
上
(
うへ
)
を
抓
(
つか
)
みて、
宙
(
ちう
)
へ
引
(
ひき
)
あげるかと
疑
(
うたが
)
ふばかり
烈
(
はげ
)
しく
吹
(
ふ
)
けば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
生きている様にこちらを向いて笑いかけている
大黒
(
だいこく
)
様の顔だとか、すごい様な美人の青ざめた首だとか、それが薄ぼんやりした五燭程の電燈に照されて、
塵
(
ほこり
)
だらけのガラスの中に
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
御本尊様の前の
朝暮
(
ちょうぼ
)
の
看経
(
かんきん
)
には
草臥
(
くたびれ
)
を
喞
(
かこ
)
たれながら、
大黒
(
だいこく
)
の
傍
(
そば
)
に下らぬ
雑談
(
ぞうだん
)
には夜の
更
(
ふく
)
るをも
厭
(
いと
)
い玉わざるにても知るべしと、評せしは両親を寺参りさせおき、鬼の留守に洗濯する命じゃ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
今あるのは猿が
瓢箪
(
ひょうたん
)
で
鯰
(
なまず
)
を押へとる処と、
大黒
(
だいこく
)
が
福禄寿
(
ふくろくじゅ
)
の頭へ
梯子
(
はしご
)
をかけて
月代
(
さかやき
)
を
剃
(
そ
)
つて居る処との二つである。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
これは道具を切らすまでの手続き。それが満足に出来るようになると、今度は
大黒
(
だいこく
)
の顔です。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
藤本
(
ふぢもと
)
は
坊主
(
ぼうず
)
のくせに
女
(
をんな
)
と
話
(
はなし
)
をして、
嬉
(
うれ
)
しさうに
禮
(
れい
)
を
言
(
い
)
つたは
可笑
(
をか
)
しいでは
無
(
な
)
いか、
大方
(
おほかた
)
美登利
(
みどり
)
さんは
藤本
(
ふぢもと
)
の
女房
(
かみさん
)
になるのであらう、お
寺
(
てら
)
の
女房
(
かみさん
)
なら
大黒
(
だいこく
)
さまと
言
(
い
)
ふのだなどゝ
取沙汰
(
とりさた
)
しける
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平尾氏から
大黒
(
だいこく
)
と
蛭子
(
えびす
)
の面を彫ってくれと頼まれて、こしらえてあげたことなどがあり、それ以来、近しいともなく近しく思って私のことを心配してくれられていたものと見えます。
幕末維新懐古談:75 不動の像が縁になったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
“大黒”の意味
《名詞》
大黒天の略。
僧侶の妻。梵妻。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
“大黒”で始まる語句
大黒屋
大黒柱
大黒帽
大黒頭巾
大黒天
大黒様
大黒傘
大黒宗理
大黒鼠
大黒島