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吐出
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はきだ
ふりがな文庫
“
吐出
(
はきだ
)” の例文
「それはならぬ。」と
吐出
(
はきだ
)
すやうに仰有ると、急にその儘御立になつてしまひました。かやうな事が、前後四五遍もございましたらうか。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
チクリと来ると
吐出
(
はきだ
)
すが又、喰う。そのうちに
鈎
(
かぎ
)
が舌に引っかかるんだが、引っかかったら最後、決して啼かないから妙だ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その時はありったけの蛭が残らず吸っただけの人間の血を
吐出
(
はきだ
)
すと、それがために土がとけて山一ツ一面に血と
泥
(
どろ
)
との大沼にかわるであろう
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と吉野は落着いた声で言つて、小供の両足を持つて逆様に、小い体を手荒く二三度
揮
(
ふ
)
ると、
吐出
(
はきだ
)
した水が吉野の足に掛つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その結果が沼南のイツモ逆さに振って見せる蟇口から社を売った
身代金
(
みのしろきん
)
の幾分を
吐出
(
はきだ
)
して目出たく無事に落着したそうだ。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
六千四百
噸
(
とん
)
の
巨船
(
きよせん
)
もすでに
半
(
なかば
)
は
傾
(
かたむ
)
き、
二本
(
にほん
)
の
煙筒
(
えんとう
)
から
眞黒
(
まつくろ
)
に
吐出
(
はきだ
)
す
烟
(
けぶり
)
は、
恰
(
あたか
)
も
斷末魔
(
だんまつま
)
の
苦悶
(
くもん
)
を
訴
(
うつた
)
へて
居
(
を
)
るかのやうである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
死にかけてから縄が切れて落ちたもので、床板の上には
吐出
(
はきだ
)
した血だまりがあった。——その男の名が高木であった。
篠笹の陰の顔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
下から突いたから
前
(
めえ
)
へのめって湯を呑んだという騒ぎで、此の野郎と云うのが喧嘩のはじまりで、甚太っぽーの
顳※
(
こめかみ
)
を金次が
喰取
(
くいと
)
って
酸
(
す
)
っぺいって
吐出
(
はきだ
)
したのです
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
僕達は又午後五時から二時間程の間
倫敦
(
ロンドン
)
市の中心から
吐出
(
はきだ
)
されて、テエムスに架せられた幾多の大鉄橋を対岸へ渡つて
行
(
ゆ
)
く幾万の労働者の
帰路
(
きろ
)
に混じつて歩き
乍
(
なが
)
ら
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
富尾木氏はそれを聞くと、
羅字
(
らう
)
屋の釜のやうに鼻から口から白い煙を
吐出
(
はきだ
)
した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
袋から
吐出
(
はきだ
)
されたゴチャゴチャとしたコロッケ、カツレツ、ジャガイモの類を
妻君
(
さいくん
)
と二人でつくづくと眺める事だろう、どうせ二、三人の小供も
覗
(
のぞ
)
きに来る事かも知れない、老母というのも
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
博士は手に取って調べ、指の
尖
(
さき
)
につけて舐めたが、直ぐ
吐出
(
はきだ
)
しながら
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
こういう万一の場合にのぞんでも、ただの主観の語を
吐出
(
はきだ
)
すというようなことをせず、御自分をその
儘
(
まま
)
素直にいいあらわされて、そして結句に、「またかへり見む」という感慨の語を据えてある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
容易
(
たやす
)
く
其錢
(
そのぜに
)
を
口
(
くち
)
から
吐出
(
はきだ
)
しました。
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
吐出
(
はきだ
)
すように三浦はいった。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
明らかに
吐出
(
はきだ
)
す流れる
龍
(
たつ
)
の口
偖
(
さて
)
又諸國よりの
訴訟
(
そしよう
)
人共
士農工商
(
しのうこうしやう
)
出家
(
しゆつけ
)
沙門
(
しやもん
)
醫者
(
いしや
)
山伏
(
やまぶし
)
の諸民に至るまで皆々相詰
罷在
(
まかりあれ
)
ば程なく本多長門守
領分
(
りやうぶん
)
遠州
榛原郡
(
はいばらごほり
)
水呑村九助一件
這入
(
はひり
)
ませいと
呼込
(
よびこみ
)
になり一同ハツと答へ願人相手方其外村役人共付
添
(
そひ
)
白洲へ
繰込
(
くりこむ
)
九助は領主より
引渡
(
ひきわた
)
しの
儘
(
まゝ
)
いまだ
足枷
(
あしほだ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「それはならぬ。」と
吐出
(
はきだ
)
すやうに仰有ると、急にその儘御立ちになつてしまひました。かやうな事が、前後四五遍もございましたらうか。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其処
(
そこ
)
でこの
虫
(
むし
)
の
望
(
のぞみ
)
が
叶
(
かな
)
ふ
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
はありつたけの
蛭
(
ひる
)
が
不残
(
のこらず
)
吸
(
す
)
つたゞけの
人間
(
にんげん
)
の
血
(
ち
)
を
吐出
(
はきだ
)
すと、
其
(
それ
)
がために
土
(
つち
)
がとけて
山
(
やま
)
一ツ一
面
(
めん
)
に
血
(
ち
)
と
泥
(
どろ
)
との
大沼
(
おほぬま
)
にかはるであらう
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
袋をたべてはいけないから只
露
(
つゆ
)
を吸って
吐出
(
はきだ
)
しておしまい、筋をとって食べられるようにするから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「イヤ
二巻
(
ふたまき
)
です。御覧の通りマリイ夫人が
吐出
(
はきだ
)
した血が三個所に附着しております。その血痕のピッタリ重なり合う処が、マリイ夫人の首の太さになっておりますわけで……」
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あらゆる
防水
(
ぼうすい
)
の
方便
(
てだて
)
は
盡
(
つく
)
されたが、
微塵
(
みぢん
)
に
打碎
(
うちくだ
)
かれたる
屹水下
(
きつすいか
)
からは
海潮
(
かいてう
)
瀧
(
たき
)
の
如
(
ごと
)
く
迸
(
ほとばしり
)
入
(
い
)
つて、
其
(
その
)
近傍
(
きんぼう
)
には
寄
(
よ
)
り
附
(
つ
)
く
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ない。十
臺
(
だい
)
の
喞筒
(
ポンプ
)
は、
全力
(
ぜんりよく
)
で
水
(
みづ
)
を
吐出
(
はきだ
)
して
居
(
を
)
るが
何
(
なん
)
の
效能
(
こうのう
)
もない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
まるで
霊魂
(
たましひ
)
でも
吐出
(
はきだ
)
しさうな欠伸だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ともの
思
(
おも
)
ふ
状
(
さま
)
に
雲
(
くも
)
を
見
(
み
)
た。
雲
(
くも
)
は、はツ/\と、
月
(
つき
)
が
自分
(
じぶん
)
で
吐出
(
はきだ
)
すやうに、むら/\と
白
(
しろ
)
く
且
(
か
)
つ
黒
(
くろ
)
い。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
は
慌
(
あわたゞ
)
しく
窓
(
まど
)
を
開
(
ひら
)
いて、
呼吸
(
いき
)
のありたけを
口
(
くち
)
から
吐出
(
はきだ
)
すが
如
(
ごと
)
くに
月
(
つき
)
を
仰
(
あふ
)
ぐ、と
澄切
(
すみき
)
つた
山
(
やま
)
の
腰
(
こし
)
に、
一幅
(
ひとはゞ
)
のむら
尾花
(
をばな
)
を
殘
(
のこ
)
して、
室内
(
しつない
)
の
煙
(
けむり
)
が
透
(
す
)
く。それが
岩
(
いは
)
に
浸込
(
しみこ
)
んで
次第
(
しだい
)
に
消
(
き
)
える。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“吐”で始まる語句
吐
吐息
吐月峰
吐露
吐胸
吐月峯
吐瀉
吐気
吐血
吐雲斎