“澄切”の読み方と例文
読み方割合
すみき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……じつは三あまり、仙境霊地せんきやうれいち心身共しんしんとも澄切すみきつて、澄切すみきつたむなさきへ凡俗ぼんぞく見透みえすくばかり。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その骨の尖角とがりの間から洩るる大空が、気味の悪いほどに澄切すみきっているのは、やがて真黒な雪雲を運び出す先触さきぶれと知られた。人馬の交通をさえぎるべき厳寒の時節もようやく迫り来るのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かれあわたゞしくまどひらいて、呼吸いきのありたけをくちから吐出はきだすがごとくにつきあふぐ、と澄切すみきつたやまこしに、一幅ひとはゞのむら尾花をばなのこして、室内しつないけむりく。それがいは浸込しみこんで次第しだいえる。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)