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人情
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にんじょう
ふりがな文庫
“
人情
(
にんじょう
)” の例文
春来
(
しゅんらい
)
、国事多端、ついに
干戈
(
かんか
)
を動かすにいたり、
帷幄
(
いあく
)
の士は内に焦慮し、
干役
(
かんえき
)
の兵は外に
曝骨
(
ばっこつ
)
し、
人情
(
にんじょう
)
恟々
(
きょうきょう
)
、ひいて今日にいたる。
中元祝酒の記
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「
人間
(
にんげん
)
というものは、
不幸
(
ふこう
)
にあわなければ、
人情
(
にんじょう
)
というものを
悟
(
さと
)
るものでない。」と、
彼
(
かれ
)
は、いつか
聞
(
き
)
いた
言葉
(
ことば
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そりや
私
(
わたし
)
は、ひどい
目
(
め
)
にあつているんですから——あのおやじくらい、ごうつくばりでケチンボで、
人情
(
にんじょう
)
なしの
野郎
(
やろう
)
はないですよ。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
少
(
すこ
)
しも
長
(
なが
)
く、おせんを
引
(
ひ
)
き
止
(
と
)
めておきたい
人情
(
にんじょう
)
が、
互
(
たがい
)
の
口
(
くち
)
を
益々
(
ますます
)
軽
(
かる
)
くして、まるく
囲
(
かこ
)
んだ
人垣
(
ひとがき
)
は、
容易
(
ようい
)
に
解
(
と
)
けそうにもなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
現
(
げん
)
と
幽
(
ゆう
)
とに
分
(
わか
)
れて
居
(
お
)
りましても、
人情
(
にんじょう
)
にかわりはなく、
先方
(
せんぽう
)
で
熱心
(
ねっしん
)
ならこちらでもツイその
真心
(
まごころ
)
にほだされるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
「
尊公
(
そんこう
)
から若君へお願いしてくれ。だれにしたって、ここで一番日ごろの
鬱憤
(
うっぷん
)
を
晴
(
は
)
らして、
腕
(
うで
)
の
夜泣
(
よな
)
きをなぐさめてやりたいのは、
人情
(
にんじょう
)
じゃないか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五分とたたないうちに、わたしはこの
人情
(
にんじょう
)
のない、そのくせいやに
監視
(
かんし
)
の行き
届
(
とど
)
いている村をはなれた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
いったい感情は読んで字のごとく、われわれの
感覚
(
かんかく
)
といわゆる
人情
(
にんじょう
)
との二つを含むものであるから、善くもとれるし、悪くもとれると同じく、正しきにも走り、正しからざるにも走りやすい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その
子
(
こ
)
は、いちばんかわいらしい
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
みたいな、
顔
(
かお
)
をしていた。
国
(
くに
)
はちがっても、
人情
(
にんじょう
)
や、
子
(
こ
)
どもの
遊
(
あそ
)
びに、ちっともかわりはない。
春さきの朝のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
安心
(
あんしん
)
はしているけれど、ちっとも
速
(
はや
)
く
見
(
み
)
たいのが
人情
(
にんじょう
)
じゃないか。
野暮
(
やぼ
)
をいわずに、ちょいとでいいから、ここでお
見
(
み
)
せよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
わしがみるところでは、世はいよいよ
乱
(
みだ
)
れるだろう、いくさは
諸国
(
しょこく
)
におこって
絶
(
た
)
えないであろう、人間はますます
殺伐
(
さつばつ
)
になり、
人情
(
にんじょう
)
美風
(
びふう
)
はすたれるだろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
もそうされて
見
(
み
)
れば、そこは
矢張
(
やは
)
り
人情
(
にんじょう
)
で、つい一
緒
(
しょ
)
になって
泣
(
な
)
いて
了
(
しま
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
人情
(
にんじょう
)
のある子どもがいる」とかれはわたしを指さした。「あの子はきさまらのような
悪党
(
あくとう
)
ではない。きさまらは
仲間
(
なかま
)
が苦しんでいるところを見て
笑
(
わら
)
っている。この小さな仲間を手本にしろ」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
人間
(
にんげん
)
の
住
(
す
)
んでいる
町
(
まち
)
は、
美
(
うつく
)
しいということだ。
人間
(
にんげん
)
は、
魚
(
さかな
)
よりも、また
獣物
(
けもの
)
よりも、
人情
(
にんじょう
)
があってやさしいと
聞
(
き
)
いている。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうか
察
(
さっ
)
しておやンなすって。おせんにして
見
(
み
)
りゃ、
自分
(
じぶん
)
から
文
(
ふみ
)
を
書
(
か
)
いたな
始
(
はじ
)
めての、いわば
初恋
(
はつこい
)
とでも
申
(
もう
)
しやしょうか。はずかしい
上
(
うえ
)
にもはずかしいのが
人情
(
にんじょう
)
でげしょう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
では——
迷
(
まよ
)
いでしょう。おそらくそれは
親心
(
おやごころ
)
の
煩悩
(
ぼんのう
)
でしょう。——迷いの
霧
(
きり
)
をへだてて見れば、
枯
(
か
)
れ木も花と見え、
縁
(
えん
)
なき
他人
(
ひと
)
さまの子供でも、自分の子かと見えてくるのが、
人情
(
にんじょう
)
のとうぜん。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言葉
(
ことば
)
はわからなかったけれど、
人情
(
にんじょう
)
にかわりはありませんでした。
島
(
しま
)
の
人
(
ひと
)
たちのまごころは、三
人
(
にん
)
の
胸
(
むね
)
に
通
(
つう
)
じて、
永久
(
えいきゅう
)
に
忘
(
わす
)
れられないものでした。
南方物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ボンはこの
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
きていて、
人情
(
にんじょう
)
のない
人
(
ひと
)
たちにいじめられるよりか、かえってあの
世
(
よ
)
にいって、しんせつなおじいさんにかわいがられたほうが
おじいさんの家
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あなたは
人情
(
にんじょう
)
のあるよい
子
(
こ
)
だ。そうです、そうしておやんなさい。」と、
先生
(
せんせい
)
はいって、おみよの
頭
(
あたま
)
をなでました。
なくなった人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
村
(
むら
)
でも、よくよく
困
(
こま
)
ったものには、
自分
(
じぶん
)
たちのものを、
分
(
わ
)
けてやるぐらいの
義理
(
ぎり
)
や、
人情
(
にんじょう
)
が
残
(
のこ
)
っているからな。
かたい大きな手
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「いつまでも、こんな
人情
(
にんじょう
)
のない
町
(
まち
)
にいたのではしかたがない。
早
(
はや
)
く、
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れないうちに、ほかの
町
(
まち
)
へいったほうがいい。」と、
諭
(
さと
)
しているように
思
(
おも
)
われました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どちらかといえば、
私
(
わたし
)
は、
学問
(
がくもん
)
より
人情
(
にんじょう
)
のあるほうを
取
(
と
)
りますからね。
先
(
せん
)
だってであったか、
令二
(
れいじ
)
が、お
母
(
かあ
)
さんには、
空
(
そら
)
へ
突
(
つ
)
き
出
(
で
)
ている
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
が、
金色
(
きんいろ
)
には
見
(
み
)
えませんか。
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、
高
(
たか
)
い
位
(
くらい
)
に
上
(
のぼ
)
りましたが、
大将
(
たいしょう
)
は、また一
面
(
めん
)
において
人情
(
にんじょう
)
にも
深
(
ふか
)
かった
人
(
ひと
)
で、
死
(
し
)
んだ
人々
(
ひとびと
)
に
同情
(
どうじょう
)
を
寄
(
よ
)
せられて、ついに
大将
(
たいしょう
)
の
職
(
しょく
)
を
辞
(
じ
)
して、
隠居
(
いんきょ
)
されたということであります。
強い大将の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こうして、
働
(
はたら
)
く
人々
(
ひとびと
)
の
社会
(
しゃかい
)
には、
美
(
うつく
)
しい
人情
(
にんじょう
)
の
流
(
なが
)
れる、
明
(
あか
)
るいところがありました。
なつかしまれた人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
“人情”で始まる語句
人情噺
人情味
人情咄
人情深
人情話
人情本
人情的
人情地獄
人情談話