家鴨あひる天空そらがどうしてべませう。それども一生懸命いつしやうけんめいとびあがらうとしてんでみたが、どうしても駄目だめなのできだし、きながら小舎こやにかへりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
などと、いやうも氣恥きはづかしいが、其處そこたふれまいと、一生懸命いつしやうけんめい推敲すゐかうした。このために、炎天えんてん一滴いつてきあせなかつたのは、あへうた雨乞あまごひ奇特きどくではない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれ坐禪ざぜんをするときの一般いつぱん心得こゝろえや、老師らうしから公案こうあんことや、その公案こうあん一生懸命いつしやうけんめいかじいて、あさばんひるよるかじりつゞけにかじらなくては不可いけないことやら
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
不精々々ふしやう/″\にやつた仕事しごと立派りつぱ仕事しごとはない、そして一生懸命いつしやうけんめい仕事しごとするときほどたのしいものはないやうだ。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かつえた雄鷄おんどり一生懸命いつしやうけんめいさがしはじめました。ほかとりひろはれないうちに、自分じぶんむしつけるためには、いやでもおうでもばなければりませんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
海底戰鬪艇かいていせんとうてい出來上できあがつたうへは、一日いちにちはや日本につぽんかへつたほうがいゝ、それで、なんと、貴方あなたはやつて御决心ごけつしんはありませんか、貴方あなた主任者しゆにんしやとなつて、一生懸命いつしやうけんめいにやるつもりなら
私はこれから一生懸命いつしやうけんめい勉強べんきやうをしようと思つてゐます。私がこんど六十の手習てならひのやうな語學ごがくを初め出しましたのは、そのだいのつもりなんです。私達は決して今のまゝでんではなりません。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
わか時分じぶんにや一生懸命いつしやうけんめい
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「あゝ。うしてれ」と宗助そうすけこたへた。さうして小六ころくかへあひだきよ何返なんべんとなく金盥かなだらひみづへさしては、一生懸命いつしやうけんめい御米およねかたけたり、んだりしてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一生懸命いつしやうけんめい學校用がくかうよう革鞄かばんひとひざいて、少女せうぢよのおとぎ繪本ゑほんけて、「なんです。こんなところで。」と、しかられて、おとなしくたゝんで、ほろりとさせたのも、よひで。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところがね、それが出來できないの。なぜつて、だれかれ自分じぶんひとりがやつとなのよ。みんな一生懸命いつしやうけんめいですもの。ひとをたすけやうとすれば自分じぶんもともどもんでしまはねばならない。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
じつまたじつかれかせぎにかせぎ、百姓ひやくしやう勿論もちろんすみやけば、材木ざいもくす、養蠶やうさんもやり、地木綿ぢもめんらし、およ農家のうかちから出來できることなら、なんでも手當次第てあたりしだい、そして一生懸命いつしやうけんめいにやりました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いや、誰方どなたもおさわぎなさるな。もううなつちや神佛かみほとけ信心しんじんではみなしうらちがあきさうもないにつて、たゞわしなければ大丈夫だいぢやうぶだと、一生懸命いつしやうけんめい信仰しんかうなさい、うすれば屹度きつとたすかる。よろしいか/\。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)