“かんせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
喊声36.4%
陥穽20.7%
寛政7.1%
歓声6.6%
鼾声6.1%
喚声5.1%
閑静5.1%
喊聲2.0%
陥擠1.5%
陷穽1.5%
(他:16)7.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
——はやくも飛沫しぶきがあがり、矢が飛びい、敵味方の喊声かんせいが、三ヵ所ほどの浪打ちぎわで、つむじを巻いた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならずその音は次第に高くざわめき立って、とうとうたたかいでも起ったかと思う、烈しい喊声かんせいさえ伝わり出した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
人情は暗中にやいばふるひ、世路せいろは到る処に陥穽かんせいを設け、陰に陽に悪を行ひ、不善をさざるはなし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼らは既に三分の二以上を占領していたが、何か陥穽かんせいを恐れて躊躇してるかのように、中へは飛び込んでこなかった。
すると其の翌年寛政かんせい十年となり、大生郷村の天神様からひだりに曲ると法恩寺ほうおんじ村という、其の法恩寺の境内に相撲が有ります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もう一つは『仮名遣奥山路かなづかいおくのやまみち』で、これには寛政かんせい十年の序があります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
城中は、酒のにおいと、士卒たちの歓声かんせいに賑わった。どこへ行ってもふんぷんと匂う。張飛は、身の置き所がなくなった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
捕虜達は李伯将軍の名を聞いて、一度に、わーっと歓声かんせいを上げました。たちどころに、匪賊の数人は打ち倒されました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
やがて、寝返りの力が段々弱くなって行き、もう身動きをしなくなったかと思うと、その代りに、雷の様な鼾声かんせいが響き始めました。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
雷の如しというほどでもないが、主将玄蕃允盛政げんばのじょうもりまさ鼾声かんせいが、そこから、さもこころよげに洩れてくる。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこをねらって、釣瓶撃つるべうちに、高射砲の砲火が、耳をろうするばかりの喚声かんせいをあげて、集中された。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
夕方になると、士官学校の校庭から、『わ——っ』という喚声かんせいがわき上って、谷一つへだてた、北伊賀町のあたりへ響いて来た。
四谷、赤坂 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
しまいには赤シャツまで出て来たが山嵐の机の上は白墨はくぼくが一本たてに寝ているだけで閑静かんせいなものだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とぐるぐる、閑静かんせいで住みよさそうな所をあるいているうち、とうとう鍛冶屋町かじやちょうへ出てしまった。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
平次とガラツ八の挾撃は次第に近くなつて來ました。橋の兩袂に群がる人數は、思はずワツと喊聲かんせいをあげます。
そのうちに驅け付けた惡者の仲間が二人、三人、小屋の中に裏切つたお六と、錢形平次が居るものと早合點して、どつと喊聲かんせいをあげ乍ら、小屋の四方にまきへます。
都におけるいろいろな暗闘、陥擠かんせい、戦争、権勢の争奪、それからくる嫉妬、反感、憎悪。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かくの如くして教育せられたる児が、人とりたる後において、たとひ刑法上の大罪を犯すに至らざるも、一身の利のために他人を陥擠かんせいするなどは、尋常の事として敢て悪事とも思はざるべし。
病牀譫語 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
惡口の方は、商賣敵の陷穽かんせいにきまつて居ますが、漠然と江戸中に擴がつた、眞珠太夫の人氣も大變なものです。
此時身邊なる熔岩の流に、爆然聲ありて、陷穽かんせいを生じ炎焔ほのほを吐くを見き。
「研究をつづけるためにだって? だってきみの研究は完成かんせいして、のぞみどおり透明とうめいになったじゃないか……」
すこしづゝあつめてなが年月としつきあひだ一人ひとりちからでもつて完成かんせいさせたことをおもふときは
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
つまり非常に軽々と感じ、そして少し遅れて慣性かんせいのようなものをも感じたというのである。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
急上昇のときだと思うが、胸と太ももとが、目に見えない魔物のために、今にもつぶされそうに痛むのを発見して、ああこれこそ我慢づよいわが空の勇士が、絶えず相手に闘っているところの見えざる敵“慣性かんせい”だなと悟った。
三重宙返りの記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
——すべての場合、人間が他の陥阱かんせいに落ち入る一歩前というものは、たいがい得意に満ちているものである。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また曰く、「近日の事、名は親切なれども、実は人を陥阱かんせいおとしいるるなり。もし貴国引き去らずんば、名を正し罪を責め宇内うだいに暴白せん」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
おもいほど、ぶく/\とむくんだのではない、が、乾性かんせいしようして、その、せるはうかへつたちわるい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
草本帶そうほんたいには、乾燥かんそうしたところにえる植物しよくぶつ、すなはち『乾生かんせい』のものと
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
文明は個人に自由を与えてとらのごとくたけからしめたる後、これを檻穽かんせいの内に投げ込んで、天下の平和を維持しつつある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして男を漢生かんせいとつけ、女を玉佩ぎょくはいとつけた。
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
さいわいに竜池は偽善を以て子を篏制かんせいしようとはしなかった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或時長頭丸即ち貞徳ていとくが公をうた時、公は閑栖かんせい韵事いんじであるが、やわらかな日のさす庭に出て、唐松からまつ実生みばえ釣瓶つるべに手ずから植えていた。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あたゝか閑靜かんせい書齋しよさいと、病室びやうしつとのあひだに、なんいのです。』と、アンドレイ、エヒミチはふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さうしてれからうちあたゝか閑靜かんせい書齋しよさいかへつて……名醫めいゝかゝつて頭痛づつう療治れうぢでもらつたら
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
黒い所が本来の住居すまいで、しばらくの幻影まぼろしを、もとのままなる冥漠めいばくうちに収めればこそ、かように間靚かんせいの態度で、あいだ逍遥しょうようしているのだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すなわち、関西かんせいの人、華雄かゆう将軍であった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
理非曲直を越えた場所に、つねに、暴力を背景にして、強引に押しだされて来る人間の陥穿かんせい——この地方の人々が、この「顔」のために煩わされていることは、想像以上のようであった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)