“喊声:かんせい” の例文
“喊声:かんせい”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治33
海野十三5
芥川竜之介3
ヴィクトル・ユゴー3
国枝史郎2
“喊声:かんせい”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語7.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
——はやくも飛沫しぶきがあがり、矢が飛びい、敵味方の喊声かんせいが、三ヵ所ほどの浪打ちぎわで、つむじを巻いた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならずその音は次第に高くざわめき立って、とうとうたたかいでも起ったかと思う、烈しい喊声かんせいさえ伝わり出した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
と思うと——みよしをつッかけてきた一そう納戸船なんどぶね、そこから、ワーッという喊声かんせいが揚がった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は新手の大軍、魏延の隊は小勢でもあったが、蛮軍は喊声かんせいをあげ、その猛威は、完全に昨日の気勢を盛り返していた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、やや強力な圧力が、南方から感じられた。鼓躁こそう喊声かんせい、相当手ごたえのありそうな一軍だ。果たして、
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とばかり、つづみを鳴らし喊声かんせいをあげ、先陣に酒井左衛門、井伊兵部いいひょうぶなどを立てて、しきりにいどんだ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一隊の兵は、城によじ登り、早くも躍りこんで、内部から城門の鎖を断ちきった。どッと、喊声かんせいをあげて、そこから突っこむ。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戦線は瀬田川の川床かわどこだった。上流かみは石山寺辺りから湖水口へかけてまで、折々にわあッと喊声かんせいをあげている。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、人々は急に眸をせわしくした。敵の喊声かんせいはまだ遠くだが、死ぬのもなかなか心忙こころせわしい風騒ふうそうだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとよりこれは偵知されていることなので、三千の喊声かんせいは、その黒い怒濤を右折うせつし、川に添って、松ヶ崎の下へ迫った。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
という答えが聞え、それをしおに、わあっという喊声かんせい、そして陣鼓戦鉦じんこせんしょうなど、一時に喧しく、鳴り騒いだ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ!」波田の気合のかかった言葉につり込まれた、とびらの外の火夫たちは、一斉に喊声かんせいをあげた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
身をていして行くと、しりものもそれを見てはいなかった。わっという喊声かんせいだけでも、一個の武蔵よりは遥かに強い。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七路に迫る寄手は喊声かんせいをあげてきた。呂布ももちろん、防ぎに出ていた。——驟雨しゅうう沛然はいぜんとして天地を洗った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ときに突然、背面の山から、またまた、金鼓を鳴らし、喊声かんせいをあげて、この大血河へ、さらに、剣槍の怒濤を加えてきたものがある。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、火の手をながめた。城を焼く火も、そこの喊声かんせいも、下火になって、峰や谷には、残月のひかり白く、夜の明けるのを待っていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うしろへ迫る喊声かんせいにたいして、瀬兵衛は直ちに、馬首をめぐらそうとしたが、あわれ、馬さえ疲れ果てている。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早や、朝空の下だった北ノ庄城の周囲全面にわたって、前にもました銃声と喊声かんせいが一時に地を揺るがし始めた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
突然、口々に罵り叫んだ声が聞えたかと思うや同時に、どッとひしめき騒ぎ立った喊声かんせいが伝わりました。
広間の方でどっ喊声かんせいが起る。ここで二人の私話ささやきまぎれて聞えなかったが、暫くして、
三国志流にいえば旌旗せいき林の如く風に飜って喊声かんせい天地に震うというようなすさまじい勢いだった。
——しかしそのとき、円明寺川の方面に、喊声かんせいと銃声が揚った。きっかりさるこく(午後四時)頃の陽脚ひあしであった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、大ぜいの者は「やあい、こわくなって逃げ出しやがった。やあい、ばか野郎!」と喊声かんせいをあげた。
敵とも味方ともつかず、およそ二十五、六間ほどな双方の間隔から、わあっという喊声かんせいがいちどに揚がって、天地の朝をふるわせた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時折、喊声かんせいをあげ、鉄砲をうちこみ、炎へ柴を投げこんで、火勢と共に、突き破ろうとしているのである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すわ、と満城の声が、わーっと、狂喜の喊声かんせいをあげ、足軽がしら上原清兵衛うえはらせいべえは、大樹のてっぺんによじ登って、
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右のこととほとんど同時に、サン・メーリーの防寨ぼうさいのうちでは、暴徒らが次の喊声かんせいを上げた。
すると背後でわあっと喊声かんせいをあげた。平一郎はどこまで卑屈な奴だろうと思った。彼はたまらなくなって、展げられた傘をすぼめつつ、
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
すなわち一軍は許褚、一軍は張遼、あわせて五千余騎が、いちどに喊声かんせいをあげて、逃げる兵をしらみつぶしに殲滅しているではないか。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふいに、人のきさけぶ声が、曠野の闇をあまねく揺るがした。——と思うまに、闇の一角から、喊声かんせい枯葉を捲き、殺陣は地を駆って、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——遠く、それを認めた羽柴方の兵は、われに返ったように、一時にを鳴らし喊声かんせいをあげ合って、
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石川数正、榊原さかきばら康政、平岩親吉ちかよし、本多忠勝ただかつ——などの部隊も、喊声かんせいをあげて、甲軍の左翼へ襲いかかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わア」「わア」という、喊声かんせいとも、悲鳴ともつかぬ、人々の叫喚が、嵐のようにき上った。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
走っていた足を釘づけにして、紋也は露路へ突っ立ったが、その間も前後の敵の勢いは、威嚇的の喊声かんせいを上げながら、二人のほうへ寄せて来た。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして夜も二更の頃になると果たして、一団の軍勢が、手に手に炬火たいまつをもち、喊声かんせいをあげ、近づくやいな陣屋陣屋などへ火をかけた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喊声かんせいや矢さけびのきゅうにも似ず、どの方面も半日の駈引きは、あらまし小合戦で日が暮れた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二階の講堂の中央で、一票ずつ開かれ、読みあげられているが、そのたびに、拍手や喊声かんせいがおこる。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
ワッと喊声かんせいをあげて、一同は手に手に、拳銃を持って、飛び出した。扉らしいものを、いきなり蹴破けやぶると、地下室の広い廊下が、現れた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
突然、寺のまわりで、喊声かんせいがわきあがったので、老父の隣の部屋に寝ていた曹操の実弟の曹徳が、
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに答える喊声かんせいと共に、山の上から太い火の雨が降ってきた。無数の松明たいまつが焔の尾をひいて、兵馬の上へ浴びせかかってきたのである。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喊声かんせいも、どよめきも、しいんとんでしまった。そして彼方此方の暗がりで、はなをすする声がながれた。手放しで泣いている兵もあった。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全軍一斉に銃射を開始し、喊声かんせいとどろかし、旗幟きしを振って進撃の気勢を示した。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
波間にとどろく金鼓きんこ喊声かんせいにつれて、決死の早舟隊は、無二無三、陸へ迫ってゆく。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その声も止まないうちである。四方から喊声かんせいが起った。急鼓きゅうこ地をゆるがし、激箭げきせん風を切って、秦良軍五千をおおいつつんだ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに和して、耶馬台の軍の喊声かんせいが、地を踏み鳴らす跫音あしおとと一緒に湧き上った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
と刹那の大衆は、何の声もなかった——とまず京極方の桟敷さじきがドッと勝鯨波かちどきを爆破させ宮津城下の町人も喊声かんせいを上げてそれに和した。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんどの大戦初めての喊声かんせいは、この夜明け、この攻め口から、わあっと揚がったのである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一同は、わっと喊声かんせいをあげて、古谷局長と貝谷の隠れているところへ、駈けこんできた。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのうちに、城門外では、ひと合戦終ったか、矢叫やたけびや喊声かんせいがやんだと思うと、寄手の内から一人の大将が、馬を乗出して、大音声にどなっていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と上る喊声かんせい、川開きのどんな立派な花火だって、この奇想天外な風船花火には及ばぬ。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そうだ! ……と思い当ったように、その眸をくわっと見ひらいた時——すでに雪中の喊声かんせいは四囲に迫り、真先に躍って来る関羽の姿が大きくその眼に映った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さけぶまもなく、ピュッ、ピュッと、風をきってくるあられのような征矢そや。——早くも、四面のやみからワワーッという喊声かんせいが聞えだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——が、そのとき、彼の行くての先に、わあっという頗る大らかな喊声かんせいがきこえた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その喊声かんせいのつむじは、何とも名状しがたい卒伍そつごの感情をふくんでいた。怒るが如く、たけるが如き中に、悲痛くが如き絶叫も交じっていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やっと向う側の歩道へすり抜けた刹那、右手の横町から、どっと喊声かんせいがあがった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そのために作業はずんずんはかどって、水が減るに従って大きな鯉が躍りあがったり、大鯰が浮いたりして、濠の周囲まわりには至るところに喊声かんせいがあがった。
赤い牛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ワーッという喊声かんせいが、船をゆるがしたせつな、大鷲はまぢかに腹毛を見せたまま、ななめになってクルクルと海へ落ちてきた——と見えたのは瞬間しゅんかん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが汽車の通るのを仰ぎ見ながら、一斉に手を挙げるが早いか、いたいけな喉を高くらせて、何とも意味の分らない喊声かんせいを一生懸命にほとばしらせた。
蜜柑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とつぜん、尊氏の中軍は、一大喊声かんせいと共に、こっちへ突進して来たのである。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
案のじょう毛屋勢は追いついて来た。敵の喊声かんせいをうしろに聞くと、藤吉郎は、
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところへ、勢子の喊声かんせいにおわれて、一匹の兎が、草の波を跳び越えてきた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一波をおさめては、またすぐ一波の喊声かんせいを繰出し、激闘は夜半におよんだ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、多寡たかをくくっていた敵は、寝ざめの喊声かんせいにうろたえた。中山のとりでからやがて黒煙くろけむりが揚った。——早くも奇襲の兵が火を放ったのである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この時、火夫室ではまた、喊声かんせいが上がった。それがサロンへ響いて来た。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
彼らは引きかえすとまた進み、退しりぞいては再び喊声かんせいを張り上げた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
——峠の上や諸所の間道からは、すでに賊徒の群れが、あらわな喊声かんせいをあげ出していたし、一方、仲時がたのみとする伊吹の城からは、まだ何の音沙汰も加勢もない。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山笠は、ときどき、ワッショ、ワッショ、と、喊声かんせいをあげて走りだす。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
それが汽車の通るのを仰ぎ見ながら、一斉に手をげるが早いか、いたいけなのどを高くらせて、何とも意味の分らない喊声かんせいを一生懸命にほとばしらせた。
蜜柑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今や迂廻軍が敵の背後で喊声かんせいをあげているのを聞いた信玄の旗本軍も、士気とみにふるい、各将は「先手衆が来たぞ戦は勝ぞ」と連呼しつつ旗をふり鞍をたたいて前進した。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
天地をゆるがす喊声かんせいとともに胡兵こへいは山下に殺到した。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
と、地上にわずかに砲口を見せている高射砲部隊は喊声かんせいをあげた。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
両軍相争い、一進一退す、喊声かんせい天に震い 飛矢ひし雨の如し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ある者は攻撃の喊声かんせいをあげ、ある者は色を失って逃げ出した。
折々、喊声かんせいは天をふるわし、鎗刀の光は日にかがやいて白い。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちゅうの煙をみるたび、谷が吠えるような喊声かんせいである。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外には、どうやら喊声かんせいがあがっているような気配だった。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とはいえこの時行手にあたり、喊声かんせいの起こったのはどうしたのだろう? 裏門をひらいて走り出た、一ツ橋家の一手のぜいが、七福神組の先に廻わり、今やおっ取り囲んだのである。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、独り胸をおどらせ、同時に、ある場合の覚悟もかためていたが、その死をいて来る日もそれきり訪れて来なかった代り、以来、胸おどるような寄手の喊声かんせいもぱったり聞えない。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
タヌンガマノノの方から終夜、太鼓と喊声かんせいとが聞えた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
川上機関大尉は、つぎつぎに起る不審な出来事に、小首をかしげたが、そのとき後にあたって、わーっという喊声かんせいが聞え、それと同時に、ぴゅーんと一発の弾丸が頭の上をかすめてすぎた。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
近衛兵らはまさに戦死の期の迫ってるのを感ずるや、「皇帝万歳!」を叫んだ。ついにその喊声かんせいにまで破裂した彼らの苦悶くもんほど人を感動せしむるものは、およそ歴史を通じて存しない。
彼らは喊声かんせいを上げつつ、領事館めがけて殺到した。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
急に駈けくだろうとすると、諸所のあなや岩の陰や、裏山のほうから、いちどに地殻も割れたかと思うような喊声かんせい、爆声、罵声ばせい、激声——さながら声の山海嘯やまつなみである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり初手しょてから玉砕ぎょくさいを期していたものとしか見えず、正行の大童おおわらわなすがたを中心に、一とき、わあッと、どよみを揚げた武者どもの叫びは、喊声かんせいというよりも
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵は答えるに、万雷のような喊声かんせいをもってした。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わっと濠の底でも上でも喊声かんせいたぎらせる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戦士等が舟の上から発する妙な威嚇的な喊声かんせい
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
——突然、京都の町なかで、喊声かんせいが起った。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
という駕方の喊声かんせい。そこへ雪崩なだれ押しに突ッかけて来たのは、月光にきらめく鏤金螺鈿るきんらでんの女乗物。——一足遅く追い着いてきた菖蒲あやめの寮の御方が女だてらの喧嘩買いと見えた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人たちは、いずれも両脚を張ってはいるが、ともすると泡立つ海、波濤の轟き、風の喊声かんせい気怯きおじがしてきて、いつかはこの蒼暗たる海景画が、生気をすすりとってしまうのではないかと思われた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
手続きに暇取って、役人立会いの上墓をあばいたのはその日の夕方、予期の通り千両箱が三つ、大して深くないところから現われた時は、ガラッ八は言うに及ばず、万七も清吉も思わず喊声かんせいをあげました。
山崩れのような喊声かんせいなのだ。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喊声かんせいは、城中にも揚がッた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或る島に上陸しますと、土人たちは親しげな様子で一行を迎へておいて、突然その舟を岸にひきあげてしまひ、物蔭から数百人の者が現はれてきて、槍や弓や棍棒こんぼうをうちふり、喊声かんせいをあげて襲つてきました。
アフリカのスタンレー (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
そして、千曲の河畔ほとりへ出たと思うと、何ぞ計らん、渡船小屋らしい物を中心に、一かたまりの人馬が、こっちを見て、俄に、弓に矢をつがえたり、ほこ、長柄の刀などを構えて、何か、喊声かんせいをあげ始めた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
心得たとばかり駈け出そうとしたその刹那! わッと言うけたたましい喊声かんせいが挙ると同時に、何事か容易ならぬ椿事でもが勃発したらしく、突然バタバタと駈け違う物々しい人の足音が、社殿のうしろから伝わりました。
甲と丙とは、自分の身をすくめながら両面攻撃をやり出すと、丁と己とは、その後部背面を衝こうとする——いや、十余人が入り乱れて、くすぐり立て、くすぐり立て、その度毎に上げる喊声かんせい、叫撃、笑撃、怨撃は容易なものではない。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
プランクは物理学を人間の感覚から解放するという勇ましい喊声かんせいの主唱者であるが、一方から考えると人間の感覚を無視すると称しながら、畢竟ひっきょうは感覚から出発して設立した科学の方則にあまり信用を置きすぎるのではあるまいか。
物理学と感覚 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その光景は、不思議にも私にカルメンの殺し場を思出させた、闘牛場から聞えて来る、狂暴な音楽と喊声かんせいにつれて、追いつ追われつしている、ホセとカルメン、どうしたわけか、多分服装のせいであったろう、私はそれを聯想れんそうした。
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)