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閑靜
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かんせい
彼は
夏休み
前から、
少し
閑靜な
町外れへ
移つて
勉強する
積だとか
云つて、わざ/\
此不便な
村同樣な
田舍へ
引込んだのである。
聲きくよすがも
有らざりければ、
別亭に
澁茶すゝりながら
夫となき
物語、この
四隣はいづれも
閑靜にて、
手廣き
園生浦山しきものなり、
此隣りは
誰樣の
御別莊ぞ
而して
其れから
家の
暖い
閑靜な
書齋に
歸つて……
名醫に
恃つて
頭痛の
療治でも
爲て
貰らつたら、
久しい
間私はもうこの
人間らしい
生活を
爲ないが、
其にしても
此處は
實に
不好な
所だ。
それから一
週間ばかりの
中に、
安井はとう/\
宗助に
話した
通り、
學校近くの
閑靜な
所に
一戸を
構へた。
『
暖い
閑靜な
書齋と、
此の
病室との
間に、
何の
差も
無いのです。』と、アンドレイ、エヒミチは
云ふた。『
人間の
安心と、
滿足とは
身外に
在るのではなく、
自身の
中に
在るのです。』
餘所に
比べると
閑靜な
春の
支度も、
御米から
云へば、
年に
一度の
忙がしさには
違なかつたので、
或は
何時も
通の
準備さへ
拔いて、
常よりも
簡單に
年を
越す
覺悟をした
宗助は