香港ホンコン)” の例文
その外、朝鮮半島の平壌ピョンヤンには陸軍の飛行連隊があるし、また中国南部やフィリッピン、香港ホンコンなどに対して、台湾の屏東ひょうとう飛行連隊がある
空襲下の日本 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その他香港ホンコンにおける、清国における、日本における、あるいは昨年ビルマにおける、やむをえざるがために戦うなりと弁護すれども
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
広間の長椅子にもたれて其のへんに置いてある上海や香港ホンコンやマニラあたりの英字新聞を物珍らしく拾ひ読みした後、早く寝てしまつた。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
話がすこし脱線したが、其日庵主は玄洋社を離脱してから海外貿易に着眼し、上海シャンハイ香港ホンコンあたりを馳けまわってつぶさに辛酸をめた。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一例として、交易が上海シャンハイ香港ホンコン及びサンフランシスコ、ロンドン、ボンベイ等に対し、いろいろな貨幣並に度量衡を以てなされる。
お光さんは、わざと火のついている煙草はそのまま指に置いて、ポケットから、香港ホンコン出来のろうマッチを探って、黙って貸してやる。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でも、僕、香港ホンコンにぐずぐずしていられません、出来るだけ早くシンガポールへ行きたいんです。兄さんが待ってますから」
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
上海シヤンハイ香港ホンコン新嘉坡シンガポオルいづれの日本居留民中にあつても公共的の事業に物質上の基礎となつて居る者は常に彼等では無いか。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これらの歌に「どる」とか、「どるらる」とかあるのは、外国商人の手によりて輸入せらるる悪質なメキシコドル、香港ホンコンドルなどの洋銀をさす。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ゴシック式、絵画的な風景を背景にして香港ホンコンの海の花園を、コリシャン・ヨット・クラブの白鷺しらさぎのような競走艇が走る。
地図に出てくる男女 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
引きあげの見こみもない船に、どうしてそんな大金を出したかというと、その船には、香港ホンコンからアメリカに送る金塊がたくさんつんであったのだ。
海底の魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
たぶん香港ホンコンからだったろう、一人の安南人らしい、白い口髯や細いあご髯を長く垂らして品のいいお爺さんが乗った。
日本脱出記 (新字新仮名) / 大杉栄(著)
そのぜにを一手に引受ひきうけ海外の市場に輸出しおおいもうけんとして香港ホンコンに送りしに、陸揚りくあげの際にぜにみたる端船たんせん覆没ふくぼつしてかえって大にそんしたることあり。
とりまくような厦門の山々は波のごとく、ひとすじの香港ホンコンのせまい海は袋のようである。安南の海上の風波はあらく、印度インド洋では長い日をすごした。
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
香港ホンコン上海シヤンハイの支那人の中には、偶然この本を読んだ為めに、生涯托氏としを師と仰いだ、若干じやくかんの青年があつたかも知れぬ。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私は香港ホンコン上海シャンハイとの間の船上で私の家の全焼した電報を受取り、苦悩のうちに上海の歌会に出席して人々の楽しそうな歌を閲して批評などを加えつつ
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
日本に居憎いにくくなった、先住の借家人の一人、ワニちゃんこと、エルマンという南方の暑い島の人が、香港ホンコンへ高飛びしそこなって、次の便待ちをしながら
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
海から近づいて行く函館の山腹の街の灯は、神戸よりもむしろ香港ホンコンの夜を想わせる。それがそぼふる秋雨ににじんで、更にしっとりとした情趣を帯びていた。
札幌まで (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
私は娘にはああは約束したが、たかだか台湾の基隆キールンか、せめて香港ホンコン程度までであろうと予想していた。そこなら南洋行きの基点ではあり、双方好都合である。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あの男は、話によると香港ホンコン伊太利イタリーの士官と決闘をしてるんだよ、日本に来る前だ。中学の学生の頃だよ。
昨今横浜異聞(一幕) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
香港ホンコン——九竜クウロンに一泊。わんちゃいの支那魔窟。縁日。革命屍体の写真。水汲み行列。麻雀マージャン売り。砲台。島。
マレー半島に奇襲上陸、香港ホンコン攻撃、宣戦の大詔たいしょう、園子を抱きながら、涙が出て困った。家へ入って、お仕事最中の主人に、いま聞いて来たニュウスをみんなお伝えする。
十二月八日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
騙り? 騙りは貴方あなたでしょう、先代の子爵だった父の照正は、長い間支那印度を放浪して亡くなりましたが、香港ホンコンで同じ日本人の母と結婚して、姉と私を生んだのです。
古城の真昼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そのあとへは香港ホンコン太守たいしゅ、その次へは米国前大統領グラント将軍という順に、国賓たちを迎えた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
と、船はシンガポールに着き、そこから郵船会社の欧洲航路の船に乗り換えた勝田さんが、香港ホンコンへ着く前夜、遺書も残さず、謎の投身自殺を遂げたという報導がありました。
消えた霊媒女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
が、何の、これでは済まさない、一つ風並かざなみが直りさえすれば、大連だいれんか、上海シャンハイか、香港ホンコン新嘉坡シンガポールあたりへ大船で一艘いっぱい、積出すつもりだ、と五十を越したろう、間淵が言います。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そういう出店を上海シャンハイ香港ホンコンあたりにも持って、日本と支那とをまたにかけてときどき往ったり来たりしながら、ひとしきりは可なり手広くやっていたのに、それがいつのまにか
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
香港ホンコン島を占領し、その余威をりて神国日本へ、開港を逼ろうとして虎視眈々じゃ。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
このたびの船は日本の使節がくと云うめに、英吉利イギリスから迎船むかいぶねのようにして来たオーヂンと云う軍艦で、その軍艦にのっ香港ホンコン新嘉堡シンガポールと云うような印度インド洋の港々みなとみなとに立寄り、紅海に這入はいっ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
夏服で神戸を散歩する頃、私はいつも渡欧の途中、上海シャンハイ香港ホンコンへのヘルメット姿における上陸を思い浮べる。私自身が船を突堤にすてている旅行者の心となる処に、甚だ軽快な味を感じる。
なぜ片っ方がこうなのに、片っ方はさんづけにされてしまったのか、ちょっと分らない。銑さんの方は、余と前後して洋行したが、不幸にして肺病にかかって、帰り路に香港ホンコンで死んでしまった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは興行こうげうのためにと香港ホンコンおもむかんとて、このふね乘組のりくんでつた伊太利イタリー曲馬師きよくばしとらおりやぶつてしたことで、船中せんちうかなへくがごとく、いか水夫すゐふさけ支那人シナじんまは婦人ふじんもあるといふさはぎで
なつかしい長崎か、香港ホンコンの入江か、葡萄牙ポルトガル?佛蘭西?
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
二月二十九日 朝、香港ホンコン出帆。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
『乍浦集』の原本は西暦千八百四十二年すなわち我が天保十三年壬寅の年英国の軍隊が南しんの諸州をこうし遂に香港ホンコンを割譲せしむるに至った時
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
明治十九年の夏、七月二十五日朝五時半に、ピニエス・ペンドルという南洋通いの荷物汽船カーゴボートが、香港ホンコンを出て新嘉坡シンガポールに向った。トン数は二千五百。
幽霊と推進機 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「駄目だ。本船にも、その貯蔵がすくないから、けてやれない。香港ホンコン新嘉坡シンガポールへいって仕入れたらよかろうといってやれ」
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
上海から香港ホンコンまでの間を往来しているジャンクの船頭だった。その男にたのんでジャンクに乗せてもらい、香港に渡った。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
節子のことを義雄兄に頼んで行くつもりの手紙が神戸で書けず上海シャンハイでも書けず香港ホンコンまで行く途中にようやく書いて置いて行ったような心の経験の記憶が
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
香港ホンコン今日けふの温度は六十四度である。人はなほ夏服を着て居る。歩けば汗が出る。海から吹く風の涼しいのがうれしい。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
一、香港ホンコン行 花にそむいて春の四月に、孤独な旅人として西に向かって航海する。福建の山が見えたりかくれたりし、台湾の海はわずかなあいだにすぎる。
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「私の主人は香港ホンコンの日本領事だ。御嬢さんの名は妙子たえこさんとおっしゃる。私は遠藤という書生だが——どうだね? その御嬢さんはどこにいらっしゃる」
アグニの神 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
西洋文化をせて——偽装した平和の侵略艦隊が、東洋をぎ歩いて、もう香港ホンコン上海シャンハイまで襲せて来たのだ。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「シュラーというのは、千々子さまを欺して、香港ホンコンへ連れて行こうとした、あの鳶色の先生のことですか」
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それはいいが、香港ホンコンでこれを買う時言葉が通じないで大いに弱った。確かに「くすのき」製に相違ないかと念を押してやろうと考えたのだが、さて、何と言っていいか判らない。
香港ホンコンの学校を卒業なすつて、そこの商館へお勤めになる……そして、最後に、わたくしのお附きしてをりましたカザリンさまが、いよいよお年頃におなり遊ばしたので、それを機会に
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
ご承知の通り香港ホンコンは、支那大陸の九竜とは指呼の間にござりまして、小さい孤島ではござりますが、其湾内は東洋一、水深く浪平に、誠に良港でございますので、各国の船は必ず一度は
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
支那街の異臭、雑沓ざっとう、商業街の殷賑いんしん、私たちはそれ等を車の窓から見た。ここまで来る航行の途中で、上海シャンハイ香港ホンコン船繋ふながかりの間に、西洋らしい都会の景色も、支那らしい町の様子もすでに見て来た。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
水自転車、香港ホンコン、そこで彼女は仲居をしていた。
飛行機から墜ちるまで (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
私が船を間違えたのか、船が私を間違えたのか、そこんところがハッキリ致しませぬが、とにかく香港ホンコンおろされちまいましたので弱りました。
S岬西洋婦人絞殺事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)