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ぎり
ふりがな文庫
“
限
(
ぎり
)” の例文
「
斯
(
か
)
うでしやう」と
云
(
い
)
つた
限
(
ぎり
)
、
物指
(
ものさし
)
の
先
(
さき
)
を、
字
(
じ
)
の
留
(
とま
)
つた
所
(
ところ
)
へ
置
(
お
)
いたなり、
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
つた
空
(
そら
)
を
一
(
ひと
)
しきり
眺
(
なが
)
め
入
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
細君
(
さいくん
)
の
顏
(
かほ
)
も
見
(
み
)
ずに
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
世帯を持つとなると肚もきまり、馬喰町の店へいって事情を話した。森口屋の主人は承知をし、六十日
限
(
ぎり
)
で品物を貸してくれることになった。
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一度
限
(
ぎり
)
で何の音沙汰もないところを見ると、その求婚を、恐ろしい復讐の企てでもあるやうに思つたのは、自分の邪推であつたやうにさへ、瑠璃子は思つた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
つい夫
限
(
ぎり
)
に打ち
遣
(
や
)
つたやうなものゝ、腹のなかでは私かに作者の根氣と精力に驚ろいてゐた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
否
(
いゝえ
)
、死んだのなら却て
斷念
(
あきらめ
)
がつきますが別れた
限
(
ぎり
)
、如何なつたのか
行方
(
いきがた
)
が知れないのですよ。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
少しやかましい事が有ると
六
(
む
)
ツ
限
(
ぎり
)
で締切ります、此の木戸の脇に番太郎がございまして、町内には自身番が有り、それへ皆町内から町内の
家主
(
いえぬし
)
(差配人さん)がお勤めに成って
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それで夢中になって金ばかり
遣
(
つか
)
っていたから、一度申訳に
聊
(
いささ
)
かばかり送金した
限
(
ぎり
)
で、
不覚
(
つい
)
国へは無沙汰になっている
中
(
うち
)
に、父の病気が
矢張
(
やっぱり
)
好くないとて母からは又送金を求めて来る。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
出た
限
(
ぎり
)
一
向
(
かう
)
便
(
たより
)
もないゆゑ私しも
兄弟
(
きやうだい
)
の
情
(
じやう
)
にて今頃は
何國
(
いづく
)
に何をして居けるやら行當り
爲撥
(
ばつたり
)
死
(
しに
)
はせぬかなどと案じて見たが其後三年ばかり立と
不※
(
ふと
)
讃岐
(
さぬき
)
の丸龜より
書状
(
しよじやう
)
が屆いたゆゑ夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其話はそれ
限
(
ぎり
)
になつた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一度
限
(
ぎり
)
で何の
音沙汰
(
おとさた
)
もないところを見ると、その求婚を、恐ろしい
復讐
(
ふくしゅう
)
の企てでもあるように思ったのは、自分の邪推であったようにさえ、瑠璃子は思った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「えゝ」と左右を
眺
(
なが
)
めた
限
(
ぎり
)
である。腰を
上
(
あ
)
げない。しばらく椽を見廻はした
眼
(
め
)
を、三四郎に移すや否や
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
由「御覧なさい、お小さいうちに逢った
限
(
ぎり
)
で、昔馴染と云うものはねえ旦那」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
用達
(
ようたし
)
には誰よりも早く、十日
限
(
ぎり
)
、六日限などという期限つきの飛脚は彼の役ときまっているくらいなのに、酒癖が悪くて時どき失敗し、店を逐われてはまた
詫
(
わ
)
びを入れて戻るという風だった。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
見れば昔し
由縁
(
よし
)
ある人なる可し親子の
立擧動
(
たちふるまひ
)
尋常
(
じんじやう
)
ならず親は
篤實
(
とくじつ
)
面
(
おもて
)
に
顯
(
あらは
)
れ娘は孝行
自然
(
しぜん
)
と知れまた容貌も
勝
(
すぐ
)
れたれば忠兵衞ほと/\
感心
(
かんしん
)
なし
主個
(
あるじ
)
の
方
(
かた
)
のうち向ひお見申せばお
宅樣
(
たくさま
)
はお二個
限
(
ぎり
)
にてお
孃樣
(
ぢやうさま
)
は
失禮
(
しつれい
)
ながら
美麗
(
うつくし
)
きお生れ
質
(
つき
)
にて御座りますが定めしお
婿樣
(
むこさま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
門野
(
かどの
)
は
只
(
たゞ
)
へえゝと云つた
限
(
ぎり
)
、代助の
光沢
(
つや
)
の
好
(
い
)
い
顔色
(
かほいろ
)
や
肉
(
にく
)
の
豊
(
ゆた
)
かな肩のあたりを羽織の上から眺めてゐる。代助はこんな場合になると
何時
(
いつ
)
でも此青年を気の毒に思ふ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
つい夫
限
(
ぎり
)
に打ち
遣
(
や
)
つたやうなものゝ、腹のなかでは私かに作者の根氣と精力に驚ろいてゐた。
「土」に就て
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
社會
(
しやくわい
)
の
方
(
はう
)
で
彼等
(
かれら
)
を
二人
(
ふたり
)
限
(
ぎり
)
に
切
(
き
)
り
詰
(
つ
)
めて、
其
(
その
)
二人
(
ふたり
)
に
冷
(
ひやゝ
)
かな
背
(
そびら
)
を
向
(
む
)
けた
結果
(
けつくわ
)
に
外
(
ほか
)
ならなかつた。
外
(
そと
)
に
向
(
むか
)
つて
生長
(
せいちやう
)
する
餘地
(
よち
)
を
見出
(
みいだ
)
し
得
(
え
)
なかつた
二人
(
ふたり
)
は、
内
(
うち
)
に
向
(
むか
)
つて
深
(
ふか
)
く
延
(
の
)
び
始
(
はじ
)
めたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ぢや、
宜
(
よろ
)
しい」と云つた
限
(
ぎり
)
であつた。
門野
(
かどの
)
は物足りなさうに
入口
(
いりぐち
)
に立つてゐたが
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
兄
(
あに
)
が
云
(
い
)
つたので、
話
(
はなし
)
は
夫
(
それ
)
限
(
ぎり
)
頓挫
(
とんざ
)
して、
小六
(
ころく
)
はとう/\
本郷
(
ほんがう
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「東京」とゆつくり云つた
限
(
ぎり
)
である。何だか中学校の先生らしく無くなつて来た。けれども三等へ乗つてゐる位だから
大
(
たい
)
したものでない事は
明
(
あき
)
らかである。三四郎はそれで談話を切り上げた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
広田先生は「当り前さ」と云つた
限
(
ぎり
)
である。すると与次郎が石の門の歴史を話し
出
(
だ
)
した。
此間
(
このあひだ
)
迄ある出入りの屋敷の
入口
(
いりぐち
)
にあつたのを、改築のとき
貰
(
もら
)
つて来て、
直
(
すぐ
)
あすこへ立てたのだと云ふ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで、
即
(
つ
)
かず
離
(
はな
)
れずに、
高木
(
たかぎ
)
と佐川の
娘
(
むすめ
)
の評判をした。高木には十年程
前
(
まへ
)
に一遍
逢
(
あ
)
つた
限
(
ぎり
)
であつたが、妙なもので、
何処
(
どこ
)
かに
見
(
み
)
覚があつて、
此間
(
このあひだ
)
歌舞伎座で
眼
(
め
)
に
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
は、はてなと思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と答えたら、婆さんは、それ
限
(
ぎり
)
何にも云わずに、降りて行った。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「音は一遍した
限
(
ぎり
)
なのかい」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
限
常用漢字
小5
部首:⾩
9画
“限”を含む語句
分限者
際限
限界
日限
見限
是限
今日限
刻限
其限
夫限
二人限
極限
限度
分限
無限
根限
数限
俄分限
身代限
制限
...