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関
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かかわ
ふりがな文庫
“
関
(
かかわ
)” の例文
旧字:
關
「なにを馬鹿な、おまえは疋田を去られたのだぞ。どんなことが起ろうと疋田とはもう
関
(
かかわ
)
りはないのだ。いいから向うへ退っておれ」
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いずれにしても、
吉
(
い
)
い
事
(
こと
)
であろうとは考えられない。にも
関
(
かかわ
)
らず、身を迎えに
委
(
ゆだ
)
ねて行くからには、武蔵にも覚悟はあるのであろう。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自ら信ずるにも
関
(
かかわ
)
らず、
幽寂
(
ゆうじゃく
)
の
境
(
きょう
)
に於て突然婦人に会えば、一種
謂
(
い
)
うべからざる陰惨の鬼気を感じて、
勝
(
た
)
えざるものあるは何ぞや。
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
按
(
あん
)
ずるに無条件の美人を認めるのは近代人の
面目
(
めんもく
)
に
関
(
かかわ
)
るらしい。だから保吉もこのお嬢さんに「しかし」と云う条件を加えるのである。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
どこの表通りにも
関
(
かかわ
)
りのない、金庫のような感じのする建物へ、こっそりと壁にくっついた
蝙蝠
(
こうもり
)
のように、
斜
(
ななめ
)
に密着していた。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
▼ もっと見る
たとえ彼らの首を百人千人斬ったところで、
大勢
(
たいせい
)
には
関
(
かかわ
)
りございません。そのために、故郷の妻子を嘆き悲しませるのは気の毒でございます。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
第五十三条 両議院ノ議員ハ現行犯罪又ハ内乱
外患
(
がいかん
)
ニ
関
(
かかわ
)
ル罪ヲ除ク
外
(
ほか
)
会期中
其
(
そ
)
ノ
院
(
いん
)
ノ
許諾
(
きょだく
)
ナクシテ逮捕セラルヽコトナシ
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
叔父は相変らず源三を愛しているに
関
(
かかわ
)
らず、この叔父の後妻はどういうものか源三を
窘
(
いじ
)
めること非常なので、源三はついに甲府へ
逃
(
に
)
げて奉公しようと
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それにも
関
(
かかわ
)
らず、求めても求めても得られない愛着の切なさは、自分のものでありながら自分のもので無いと思う節子をどうすることも出来なかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
貴嬢
(
きみ
)
がいかに深き
事情
(
わけ
)
ありと
弁解
(
いいひら
)
きたもうとも、かいなし、宮本二郎が沈みゆく今のありさまに何の
関
(
かかわ
)
りあらん。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
封建武士の思想には、鶏犬相聞う隣藩すら、相
関
(
かかわ
)
らず。
何
(
なん
)
ぞいわんや海外万里の世界をや。
栄螺
(
さざえ
)
はその殻を以て天地となし、
蓑虫
(
みのむし
)
はその外包を以て世界とす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
とにかく今までの狭い悩ましい過去と縁を切って、何の
関
(
かかわ
)
りもない社会の中に乗り込むのはおもしろい。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
こういう無能な者にこのうえ
関
(
かかわ
)
り合っていなければならないとしたら、寿命が縮まるばかりだと言った。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
扨
(
さて
)
当今上方筋人物
寥寥
(
りょうりょう
)
。老兄の
技倆
(
ぎりょう
)
にて
勿論
(
もちろん
)
の事に御座候。僕も老兄とは同一家。御互に月旦の善悪は疾痛
痾痒
(
あよう
)
の
関
(
かかわ
)
るところなれば、僕之を聞きて寝ること能はず。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが、往来は彼の心象と何の
関
(
かかわ
)
りもなく存在していたし、灯の
賑
(
にぎ
)
わう街の方へ入ると、そこへよく買物に出掛ける妻は、勝手知った案内人のようにいそいそと歩いた。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
その
故意
(
わざ
)
とらしいところ不自然なところはすなわち芸術としての品位に
関
(
かかわ
)
って来るのです。
文芸と道徳
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
内儀のお杉は自害ということにして、大分金をバラ
撒
(
ま
)
いて葬りましたが、踏台の無い首つりを検死に見とがめられては、今度は佐久間の
暖簾
(
のれん
)
に
関
(
かかわ
)
らずには済みそうもありません。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何かしら甘い
寛
(
くつろ
)
ぎを与え、かつて彼女の口を通して
聴
(
き
)
いた外国の恋愛小説ほどの興味は望めなかったが、現実の問題にも何か
関
(
かかわ
)
りがありそうなので、聴くのに退屈はしなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そんなことまでが何か自分と深い
関
(
かかわ
)
りでもあるようにも考えられ、クニ子と同い年の子を持つ村の若い母親たちに交って、末っ子を小学校にあげることが、何か自分にもこれから
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
この時に下士の壮年にして
非役
(
ひやく
)
なる者(全く非役には非ざれども、藩政の要路に
関
(
かかわ
)
らざる者なり)数十名、ひそかに
相議
(
あいぎ
)
して、当時執権の家老を害せんとの事を
企
(
くわだ
)
てたることあり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「なに! では、そなたの災難も今奥へ消えていった荒法師玄長に
関
(
かかわ
)
りがござるか」
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
努めていろいろの話をされるにも
関
(
かかわ
)
らず、夫人に対しては、必要な言葉以外には殆ど話しかけられず、
稀々
(
たまたま
)
話しかけられる言葉も、いつでもせいぜい四五文字にしかならない短いものだった。
血液型殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
もはや、どうしようにも手当の余地はないと見た駒井甚三郎は、
関
(
かかわ
)
り
合
(
あ
)
いを怖れてそのまま戸を閉じて引込むかと思うと、そうでなく、提灯を持って、スタスタと柳橋の方へ進んで行きました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
われに何の
関
(
かかわ
)
りあらんや、という気がして来るのである。黙って聞いているうちに、自分の肩にだんだん不慮の責任が
覆
(
おお
)
いかぶさって来るようで、不安なやら、不愉快なやら、たまらぬのである。
乞食学生
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そしてそれもみなひとりでにそうなったことで、私はそれに何の
関
(
かかわ
)
りもないのだ。そうだ、それに何の不幸な事があろう。おそらく私を見る者は、私に非常な災いが起こったと思うかも知れない。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
さて今日、僕はいかなる記念碑とも
関
(
かかわ
)
りはない。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
それが彼に何の
関
(
かかわ
)
りを持つと云うのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
「しかし、相手がその男として、この四人とこんな場所で果合いをするような
関
(
かかわ
)
りがあるのか。四人ともその男に仕止められたとして」
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
御主人の御腹立ちにも
関
(
かかわ
)
らず、わたしは御話を伺っている内に、自然とほほ
笑
(
え
)
んでしまいました。すると御主人も御笑いになりながら
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが、好むと好まないとに
関
(
かかわ
)
らず、いつか一度は、武蔵と相会う日がきっと来るに違いないことは、巌流もひそかに予期していた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もともと自分は大兄をはじめ、
亡
(
な
)
くなった姉さんの
御咎
(
おとが
)
めを受けるつもりで遠い旅から帰って来たものである、それにも
関
(
かかわ
)
らず平然として今日に到ったと書いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この書状は例によりてかの人に託すべけれど、
貴嬢
(
きみ
)
が手に届くは必ず数日の後なるべし、
貴嬢
(
きみ
)
もしかの君に示さんとならば、そは
貴嬢
(
きみ
)
の自由なり、われには何の
関
(
かかわ
)
りもなし。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
その他、内面的経験に
関
(
かかわ
)
りを持った人と物との凡てに対して私は深い感謝の意を捧げる。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
遠い国で起っているような騒ぎが、自分の身の上に
関
(
かかわ
)
ることと漸く気がついたのです。
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
まアそんなことをして試験は
漸
(
や
)
っと
済
(
すま
)
したが、
可笑
(
おか
)
しいのは此の時のことで、私は無事に入学を許されたにも
関
(
かかわ
)
らず、その見せて
呉
(
く
)
れた方の男は、可哀想にも不首尾に終って
了
(
しま
)
った。
私の経過した学生時代
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「実は、平家ご一門に
関
(
かかわ
)
る事でございまして、れっきとした
謀叛
(
むほん
)
の準備なので」
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
鮭
(
ふぐ
)
と、
鮏
(
しゃけ
)
では、忙しい時は誰だって間違えらあな……なるべく物の名というものは、区別のつくように書かねえと、
体
(
たい
)
が現われねえのみならず、一字の違いで、この通り命に
関
(
かかわ
)
ることもあらあな
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
にも
関
(
かかわ
)
らず、体じゅうを血の音ばかり駈けめぐって、頭はいたみ、手足の先は冷え、髪はそそけ立って、何一ついい出せなかった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊に
縁日
(
えんにち
)
の「からくり」の見せる
黄海
(
こうかい
)
の海戦の光景などは黄海と云うのにも
関
(
かかわ
)
らず、毒々しいほど青い
浪
(
なみ
)
に白い浪がしらを躍らせていた。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自分が新橋を出発する時も、神戸を去る時も、思いがけない見送りなどを受けたのであるが、それにも
関
(
かかわ
)
らず自分は
悄然
(
しょうぜん
)
として別れを告げて来たものであると書いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「一人の生命など、戦況には何の
関
(
かかわ
)
りもないのだからお命を助けて進ぜよう」
現代語訳 平家物語:09 第九巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
私はせんだって
中
(
じゅう
)
デフォーの作物を批評する必要があって、その作物を読直すときに偶然この句に出合いまして、ふと沙翁のヘンリー四世中の語を思い出して、その内容の同じきにも
関
(
かかわ
)
らず
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
女は
慇懃
(
いんぎん
)
に
会釈
(
えしゃく
)
をした。貧しい身なりにも
関
(
かかわ
)
らず、これだけはちゃんと
結
(
ゆ
)
い上げた
笄髷
(
こうがいまげ
)
の頭を下げたのである。神父は
微笑
(
ほほえ
)
んだ眼に
目礼
(
もくれい
)
した。
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
およそここにいる縁故や門流の顔ぶれを見ると、武蔵の人物を、知ると知らないに
関
(
かかわ
)
らず、何かの気持から、武蔵を敵視していない者はない。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに
関
(
かかわ
)
らず彼は自分よりずっと年の若い女を
択
(
えら
)
んだ。楽しい結婚は何物にも換えられなかった。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
従っていかに吾輩の主人が、二六時中精細なる描写に価する奇言奇行を
弄
(
ろう
)
するにも
関
(
かかわ
)
らず逐一これを読者に報知するの能力と根気のないのははなはだ
遺憾
(
いかん
)
である。遺憾ではあるがやむを得ない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、林右衛門は、それを「家」に
関
(
かかわ
)
る大事として、惧れた。併し、彼は、それを「
主
(
しゅう
)
」に関る大事として惧れたのである。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こういうことは些細に似ているが、時によると重大な意志表示にもふと語気の上へ大きな
関
(
かかわ
)
りをもたないとは限らない。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その日は宗蔵も珍しく機嫌よく、身体の不自由を忘れて、嫂の物語に
聞恍
(
ききほ
)
れていた。実が刑余の人であるにも
関
(
かかわ
)
らず、こういう昔の話が出ると、弟達は兄に対して特別な尊敬の心を持った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
肉のたるんだ先生の顔には、悠然たる微笑の影が浮んでいるのに
関
(
かかわ
)
らず、
口角
(
こうかく
)
の筋肉は神経的にびくびく動いている。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
関
常用漢字
小4
部首:⾨
14画
“関”を含む語句
関係
関節
玄関
機関
関西
玄関番
機関室
馬関
関所
関宿
無関心
機関車
不関焉
関門
関釜
関鍵
大関
関繋
玄関先
関心
...