てい)” の例文
親仁おやぢやぶみのらして、しよぼりとしたていで、ひよこひよことうごいてて、よたりとまつみきよりかゝつて、と其処そこつてまる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それはみませんでしたのね。わたしはまた此樣こんな天氣で氣が欝々うつ/\して爲樣しやうが無かツたもんですから、それで。」と何か氣怯きおそれのするてい悸々おど/\しながらいふ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
罷出まかりいで候はゞ、奇特御座候とも、余命無御座候ござなくさふらふ。まして我等てい之者罷出、何之奇特も御座有間敷候得あるまじくさふらへは、罷出無詮義せんなきぎと存候。当世は有様ありやう正直をまをして、用に立申儀たちまをすぎにて無御座候。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きみゆゑこそ可惜あたら青年わかもの一人ひとり此處こヽにかくあさましきていたらくと、まど小笹をざヽかぜそよともげねば、らぬ令孃ひめ大方おほかた部屋へやこもりて、ことなどにいよいよこヽろなやまさせけるが
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
寄席よせ高座こうざで、がんどうの明りに、えごうく浮き出てくる妖怪の顔や、角帯をキュッとしごいて、赤児の泣き声を聴かせるといったていの——そうしたユーモラスな怖ろしさではなかった。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ト聞くと等しく文三は駭然ぎょっとしてお勢の顔を目守みつめる。されど此方こなたは平気のてい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
わすれもしない、温泉をんせんきがけには、夫婦ふうふ腕車くるまとほつた並木なみきを、魔物まものうです、……勝手次第かつてしだいていでせう。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「嫌な天氣だな。」と俊男は、奈何いかにもんじきツたていで、ツと嘆息ためいきする。「そりや此樣こんな不快を與へるのは自然の威力で、また權利でもあるかも知れん。 ...
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さりながら事ごとに怒りつける訳にもゆかねば、なるだけは知らぬていをして、平気をつくりて、むづかしき顔をしてり過ぎる心なれど、さし向ひて物などを問はれたる時の当惑さ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
物のついで云々しかじかと叔母のお政に話せばこれもまた当惑のてい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なかには巡査じゆんさまじつたが、ほりむかふのたか石垣いしがきうへに、もりえだつたてい雪枝ゆきえ姿すがたを、ちひさなとりつて、くもく、とながめたであらう。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其樣そんなにわたしにくいんですか。憎いなら憎いやうに………」とかつとしたていで、突ツかゝり氣味ぎみになると
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
勝手にやつて見ませうとわざとすねて、むつとがほをして見せるに、野沢さんは本当にどうかあそばしていらつしやる、何がお気に障りましたのとお縫はうつくしい眉にしわを寄せて心のしかねるてい
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ト少し得意のてい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
赤十字社とか看護員とかッて、べらんめい、漢語なんかつかいやあがって、何でえ、ていよく言抜けようとしたって駄目だぜ。おいらアみんなしってるぞ、間抜めい。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勝手かつてにやつてませうとわざとすねて、むつとかほをしてせるに、野澤のざわさんは本當ほんたうにどうかあそばしていらつしやる、なにがおさわりましたのとおぬひはうつくしいまゆしわせてこゝろしかねるてい
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その悪済わるすましが気に喰はねえんだい。赤十字社とか看護員とかツて、べらんめい、漢語なんかつかいやあがつて、何でえ、ていよく言抜けやうとしたつて駄目だめだぜ。おいらアみんな知てるぞ、間抜まぬけめい。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
太吉々々たきち/\呼立よびたてるほかにはなんのうなくなさけなきていなり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)