“躰温”の読み方と例文
読み方割合
たいおん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
安宅は静かに立ちあがり、着物のうしろを払った、躰温たいおんで溶けた雪と泥とで、そこはきみわるく濡れていた。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
隼人は自分の肌に、西沢の躰温たいおんが残っているのを感じた。綱で吊られた隼人のからだに、西沢は両の手足でかじりつき、そうして身をちぢめながら躯全体でふるえていた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しがみついている、幼ない、小さな腕の力と、躰温たいおんと、そして頬を濡らす涙とが、皮膚をとおして、身内に深くしみとおり、そのまま血の中に混りあうように感じられた。