トップ
>
貼紙
>
はりがみ
ふりがな文庫
“
貼紙
(
はりがみ
)” の例文
伊太利亜
(
イタリア
)
名家の
画
(
えが
)
ける絵のほとんど
真黒
(
まくろ
)
になりたるを掛けあり。壁の
貼紙
(
はりがみ
)
は明色、ほとんど白色にして
隠起
(
いんき
)
せる模様
及
(
および
)
金箔
(
きんぱく
)
の装飾を施せり。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
茶を飲みながらふと見ると、壁の
貼紙
(
はりがみ
)
に、
彼岸会
(
ひがんえ
)
説教
(
せっきょう
)
、
斗満寺
(
とまむじ
)
と書いてある。斗満寺!
此処
(
ここ
)
に
其様
(
そん
)
なお寺があるのか。えゝありますと云う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
今度
(
こんど
)
は『
召上
(
めしあが
)
れ』と
書
(
か
)
いた
貼紙
(
はりがみ
)
がありませんでしたが、それにも
拘
(
かゝは
)
らず
愛
(
あい
)
ちやんは
栓
(
せん
)
を
拔
(
ぬ
)
いて
直
(
たゞ
)
ちに
唇
(
くちびる
)
に
宛
(
あ
)
てがひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
お幸はその中に新しい
貼紙
(
はりがみ
)
の一つあるのを
見出
(
みいだ
)
したのです。それは
大津
(
おほつ
)
の郵便局で郵便配達見習を募集するものでした。
月夜
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
監督は「賞品」の外に、逆に、一番働きの少いものに「焼き」を入れることを
貼紙
(
はりがみ
)
した。鉄棒を真赤に焼いて、身体にそのまま当てることだった。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
▼ もっと見る
外の壁へは、高田先生に書いていただいた、「ただで、手紙を書いてあげます」という
貼紙
(
はりがみ
)
をしたので、直ちに多くの人々がこの窓の外に群がった。
水の三日
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
木崎の家は、もう
忌中
(
きちゅう
)
の
貼紙
(
はりがみ
)
も取れ、立番の巡査もいなくなって、何事もなかった様にひっそりと静まり返っていた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
探偵小説家の長谷川は壁の
貼紙
(
はりがみ
)
から目を離すと、いきなりそう言ってドアのほうへ踏み出した。が、冬木刑事は何かほかのことでも考えていたらしく
五階の窓:03 合作の三
(新字新仮名)
/
森下雨村
(著)
外郭だけ残っている駅の建物は黒く空洞で、今にも
崩
(
くず
)
れそうな印象を与えるのだが、針金を
張巡
(
はりめぐ
)
らし、「危険につき入るべからず」と
貼紙
(
はりがみ
)
が掲げてある。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
ある時、電信掛の技手に向い、
葡萄酒罎
(
ぶどうしゅびん
)
の
貼紙
(
はりがみ
)
を指しまして、どうだ君にこの英語が読めるかとそう申しました。読めるなら一升
奢
(
おご
)
ろうというんで御座います。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
門の柱に、
毎月
(
まいげつ
)
十五十六日当山説教と
貼紙
(
はりがみ
)
した、
傍
(
かたわら
)
に、東京……中学校水泳部合宿所とまた記してある。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
余は風呂場の
貼紙
(
はりがみ
)
に注意してある日付と、
裸連
(
はだかれん
)
の趣向を
凝
(
こ
)
らしていた時刻を照らし合せつつ、この落語会なるものの、すでに
滞
(
とどこお
)
りなくすんだ昨日の午後を顧みて
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そういう
小家
(
こいえ
)
の曲り角の汚れた
板目
(
はめ
)
には売薬と
易占
(
うらない
)
の広告に
交
(
まじ
)
って至る
処
(
ところ
)
女工募集の
貼紙
(
はりがみ
)
が目についた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その店先に、「琉球泡盛あり」と
埒
(
らち
)
もなく書いた
貼紙
(
はりがみ
)
が出ている。コップ飲をさせるというのである。鶴見はそれが場所にふさわしくないので多少不安におもっている。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「天誅組というのは、このごろ
流行
(
はや
)
り出した悪い
貼紙
(
はりがみ
)
で、
疱瘡神
(
ほうそうがみ
)
よりもっと
剣呑
(
けんのん
)
な
流行神
(
はやりがみ
)
だ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
父は起きるとすぐ、自分で、閉店の
貼紙
(
はりがみ
)
を店のガラス戸に貼りつけた。貼りつけてしまって笑っている。こんな時になぜ父が笑ったのか、僕にはよくわかるような気がした。
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
居間
(
いま
)
の
障子
(
しょうじ
)
、その縁に向ったところに、墨黒ぐろと半紙に大書した
貼紙
(
はりがみ
)
がしてあるのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
平次はいきなり立ち上がると、
間
(
あひ
)
の唐紙、古くて
貼紙
(
はりがみ
)
だらけのを、サツと開けました。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
明日、午後三時より三時半までのあいだ、
東
(
イースト
)
二十四番街のリクリェーション
埠頭
(
パイアー
)
の出際、「
老鴉
(
オールド・クロウ
)
」なる酒場にてお待ち申しおり候、目印しは、ジルベーのジンと書いてある
貼紙
(
はりがみ
)
の下。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
大きな穀物問屋の白壁に「売家」の
貼紙
(
はりがみ
)
が雨風に
曝
(
さら
)
されて黄色くなっていたり、鷲尾がまだ土地にいた頃は
旺
(
さか
)
んだった時計屋の看板が、
傾
(
かた
)
むいて軒と一緒に倒れかかっていたりした。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
玄関の障子に、そんな
貼紙
(
はりがみ
)
をした事もある。いい加減なごまかしの親切で逢ってやるのは、悪い事だと思ったからだ。自分の仕事も、だいじにしたいと思いはじめて来たからだ。自分のために。
新郎
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
長崎に
落付
(
おちつ
)
き、始めて横文字の abc と
云
(
い
)
うものを習うたが、今では日本国中到る処に、
徳利
(
とくり
)
の
貼紙
(
はりがみ
)
を見ても横文字は
幾許
(
いくら
)
もある。目に慣れて珍しくもないが、始めての時は中々
六
(
むず
)
かしい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
殺人を行うには変装が便利であるし、現にそのあくる日も変装して、
着色眼鏡
(
いろめがね
)
をかけていたではありませんか。それにあの古風な
貼紙
(
はりがみ
)
の
悪戯
(
いたずら
)
をしたのは、主義者に似合わぬ道化たところがあります。
五階の窓:06 合作の六(終局)
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
“Special Dance — Admission : Ladies Free, Gentlemen \3.00”と記した
貼紙
(
はりがみ
)
があり、ボーイが一人番をしていて、会費を取ります。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
貼紙
(
はりがみ
)
をして逃げていったときには四十歳ぐらいの
年恰好
(
としかっこう
)
に見えた。
五階の窓:05 合作の五
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こういう
貼紙
(
はりがみ
)
は、他の神社だの辻にも見かけられた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
過
(
す
)
ぎがてに
愛
(
あい
)
ちやんは、
棚
(
たな
)
の
一
(
ひと
)
つから一
個
(
こ
)
の
甕
(
かめ
)
を
取下
(
とりおろ
)
しました、それには『
橙糖菓
(
オレンジたうくわ
)
』と
貼紙
(
はりがみ
)
してありましたが、
空
(
から
)
だつたので
大
(
おほ
)
いに
失望
(
しつばう
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
小家
(
こいへ
)
の
曲
(
まが
)
り
角
(
かど
)
の
汚
(
よご
)
れた
板目
(
はめ
)
には
売薬
(
ばいやく
)
と
易占
(
うらなひ
)
の広告に
交
(
まじ
)
つて至る
処
(
ところ
)
女工募集
(
ぢよこうぼしふ
)
の
貼紙
(
はりがみ
)
が目についた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
密
(
そっ
)
と、下へ
屈
(
かが
)
むようにしてその御神燈を
眗
(
みまわ
)
すと、
他
(
ほか
)
に
小草
(
おぐさ
)
の影は無い、染次、と記した
一葉
(
ひとは
)
のみ。で、それさえ、もと居たらしい
芸妓
(
げいしゃ
)
の上へ
貼紙
(
はりがみ
)
をしたのに記してあった。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたし
)
今晩帰り
途
(
みち
)
で大津の郵便局の郵便脚夫の見習に十五以上の男を募集すると云ふ
貼紙
(
はりがみ
)
を
月夜
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
入口には小さい
貼紙
(
はりがみ
)
があって、それにはこう書きしたためられていた。
逆行
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
此方
(
こっち
)
の云うことも
分
(
わか
)
らなければ、
彼方
(
あっち
)
の云うことも
勿論
(
もちろん
)
分らない。店の看板も読めなければ、ビンの
貼紙
(
はりがみ
)
も分らぬ。何を見ても私の
知
(
しっ
)
て居る
文字
(
もんじ
)
と云うものはない。英語だか仏語だか一向計らない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
重吉は
店口
(
みせぐち
)
に募集の
貼紙
(
はりがみ
)
が出してある処を見付け遠慮なく聞いて見るがいいというので、お千代は再び銀座へ出掛けたが
表通
(
おもてどおり
)
にはそういう貼紙のしてある店が見当らない。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今度
(
こんど
)
は
其上
(
そのうへ
)
に
小
(
ちひ
)
さな
瓶
(
びん
)
が一
本
(
ぽん
)
ありました、(『
確
(
たし
)
かに
前
(
まへ
)
には
此處
(
こゝ
)
に
無
(
な
)
かつた』と
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました)
瓶
(
びん
)
の
頸
(
くび
)
には、『
召上
(
めしあが
)
れ』と
美事
(
みごと
)
に
大
(
だい
)
字で
刷
(
す
)
つた
貼紙
(
はりがみ
)
が
結
(
むす
)
びつけてありました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
小店の障子に
貼紙
(
はりがみ
)
して
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貼
常用漢字
中学
部首:⾙
12画
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“貼”で始まる語句
貼
貼付
貼札
貼出
貼交
貼薬
貼附
貼替
貼板
貼代