トップ
>
裏門
>
うらもん
ふりがな文庫
“
裏門
(
うらもん
)” の例文
法師はれいのとおり、
寝間
(
ねま
)
の前の、えんがわにいると、
昨夜
(
さくや
)
のとおり、
重
(
おも
)
い足音が
裏門
(
うらもん
)
からはいって来て、法師をつれていきました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
麹町三丁目庄兵衞地借瀬戸物渡世忠兵衞同人妻とみ 其方共
儀
(
ぎ
)
八ヶ年以前平川天神
裏門
(
うらもん
)
前にて町醫師村井長庵こと
雨中
(
うちう
)
傘
(
かさ
)
も
持
(
もた
)
ず
立戻
(
たちもど
)
り候を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
それ
)
は、
此方
(
こちら
)
とは
違
(
ちが
)
つて、はじめから
樣子
(
やうす
)
のよかつたのが、
急
(
きふ
)
に
變
(
へん
)
がかはつておなくなりになりました。
死骸
(
しがい
)
は、あけ
方
(
がた
)
に
裏門
(
うらもん
)
を
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
きました。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
更
(
ふ
)
けわたった
菊亭家
(
きくていけ
)
の
裏門
(
うらもん
)
のあたりから、
築土
(
ついじ
)
をこえて、ヒラリと
屋敷
(
やしき
)
のなかへ
忍
(
しの
)
びこんだ三つの人かげがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先生
(
せんせい
)
は、
年子
(
としこ
)
がゆく
時間
(
じかん
)
になると、
学校
(
がっこう
)
の
裏門
(
うらもん
)
のところで、じっと
一筋道
(
ひとすじみち
)
をながめて
立
(
た
)
っていらっしゃいました。
青い星の国へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
ある時なんかは、
城
(
しろ
)
の中に
飼
(
か
)
ってある
象
(
ぞう
)
の
背中
(
せなか
)
に
乗
(
の
)
って、
裏門
(
うらもん
)
から町へでて行こうとまでしました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
実際
(
じっさい
)
世間
(
せけん
)
の
慣
(
なら
)
わしとしてはいかにも
表門
(
おもてもん
)
をりっぱにし
裏門
(
うらもん
)
を
粗末
(
そまつ
)
にする。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
久
(
しさ
)
し
振
(
ぶり
)
で
裏門
(
うらもん
)
が
開
(
あ
)
いたと
思
(
おも
)
つたら
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
法一
(
ほういち
)
は、いいつけられたとおりに、えんがわにすわっていました。と、いつもの
時刻
(
じこく
)
がきて、いつもの武士が、
裏門
(
うらもん
)
からはいって来ました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
婆
(
ばばあ
)
はヒラヒラと
釣
(
つ
)
り
橋
(
ばし
)
のそばまできて、かたく
閉
(
と
)
じた
裏門
(
うらもん
)
を見まわしていたが、やがて
得意
(
とくい
)
そうに「ひひひひひひひひ」と、ひとりで笑いをもらした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
そ
)
の
門
(
もん
)
が、
又
(
また
)
……
貴方
(
あなた
)
、
表
(
おもて
)
でもなければ
潛
(
くゞ
)
りでもなくつて、
土塀
(
どべい
)
へついて
一𢌞
(
ひとまは
)
り
𢌞
(
まは
)
りました、
大
(
おほき
)
な
椎
(
しひ
)
の
樹
(
き
)
があります、
裏門
(
うらもん
)
で
木戸口
(
きどぐち
)
だつたと
申
(
まを
)
すんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
裏門
(
うらもん
)
から、
寺
(
てら
)
のおしょうさんが、にこにこしながら、
入
(
はい
)
ってくるのを
見
(
み
)
ると、ちょっと
迷惑
(
めいわく
)
そうな
顔色
(
かおいろ
)
をしたが、すぐ
笑
(
わら
)
いにまぎらして、
丁寧
(
ていねい
)
に
迎
(
むか
)
えました。
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
置き番人は
麻上下
(
あさがみしも
)
の者と下役は
黒羽織
(
くろはおり
)
を着し者を
詰
(
つめ
)
させ
檀家
(
だんか
)
の者たりとも表門の
通行
(
つうかう
)
を
禁
(
きん
)
じ
裏門
(
うらもん
)
より出入させ墓場への
參詣
(
さんけい
)
をば許せども
本堂
(
ほんだう
)
への參詣は
堅
(
かた
)
く相成ざる由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
灰黒
(
はひぐろ
)
の重き
裏門
(
うらもん
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と、やがて
裏門
(
うらもん
)
に近づく人の
足音
(
あしおと
)
がして、だれか門をくぐると、
裏庭
(
うらにわ
)
を
通
(
とお
)
って法師の方へ近づいて来ました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
日
(
ひ
)
に
増
(
ま
)
し……
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
と
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
に、
主人
(
あるじ
)
が、
鉦
(
かね
)
たゝきの
事
(
こと
)
から、
裏門
(
うらもん
)
を
入
(
はひ
)
つた
事
(
こと
)
など
話
(
はな
)
しましたツけ、——
心
(
こゝろ
)
も
確
(
たしか
)
で、
何
(
なん
)
にも
氣
(
き
)
に
掛
(
かゝ
)
らないほど、よく
成
(
な
)
つたんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
兩人は是ぞ
屈竟
(
くつきやう
)
の幸ひ此
機
(
をり
)
にこそ我々が望みを達せんと竊に悦び猶彼是と心を配りしが
今宵
(
こよひ
)
は是非共過さじと女房にも此事を話し其方は御
裏門
(
うらもん
)
に待受て藤三郎樣の御供を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ふたたび
閉
(
し
)
めきられた
裏門
(
うらもん
)
は、
秘密
(
ひみつ
)
をのんでものいわぬ口のようにかたく
封
(
ふう
)
じられた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中途
(
ちうと
)
で
落
(
お
)
ちるのは、
屆
(
とゞ
)
かないので。
其
(
そ
)
の
砂利
(
じやり
)
が、
病院
(
びやうゐん
)
の
裏門
(
うらもん
)
の、あの
日中
(
ひなか
)
も
陰氣
(
いんき
)
な、
枯野
(
かれの
)
へ
日
(
ひ
)
が
沈
(
しづ
)
むと
云
(
い
)
つた、
寂
(
さび
)
しい
赤
(
あか
)
い
土塀
(
どべい
)
へ、トン……と……
間
(
あひ
)
を
措
(
お
)
いては、トーンと
當
(
あた
)
るんです。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
矢來邊
(
やらいへん
)
の
夜
(
よ
)
は、たゞ
遠
(
とほ
)
くまで、
榎町
(
えのきちやう
)
の
牛乳屋
(
ぎうにうや
)
の
納屋
(
なや
)
に、トーン/\と
牛
(
うし
)
の
跫音
(
あしおと
)
のするのが
響
(
ひゞ
)
いて、
今
(
いま
)
にも——いわしこう——
酒井家
(
さかゐけ
)
の
裏門
(
うらもん
)
あたりで——
眞夜中
(
まよなか
)
には——
鰯
(
いわし
)
こう——と
三聲
(
みこゑ
)
呼
(
よ
)
んで
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“裏門”で始まる語句
裏門前