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行渡
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ゆきわた
ふりがな文庫
“
行渡
(
ゆきわた
)” の例文
谷戸
(
やと
)
の方は、こう見た
処
(
ところ
)
、何んの影もなく、春の日が
行渡
(
ゆきわた
)
って、
些
(
ち
)
と
曇
(
くもり
)
があればそれが
霞
(
かすみ
)
のような、
長閑
(
のどか
)
な景色でいながら、何んだか
厭
(
いや
)
な
心持
(
こころもち
)
の処ですね。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、
即
(
やが
)
て
慄然
(
ぞっ
)
として
眠
(
ねむ
)
たいやうな
氣持
(
きもち
)
が
血管中
(
けっくわんぢゅう
)
に
行渡
(
ゆきわた
)
り、
脈搏
(
みゃくはく
)
も
例
(
いつも
)
のやうではなうて、
全
(
まった
)
く
止
(
や
)
み、
生
(
い
)
きてをるとは
思
(
おも
)
はれぬ
程
(
ほど
)
に
呼吸
(
こきふ
)
も
止
(
とま
)
り、
體温
(
ぬくみ
)
も
失
(
う
)
する。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
お
位
(
くらゐ
)
の
宜
(
い
)
い
方々
(
かた/″\
)
や
御
(
ご
)
身分
(
みぶん
)
のある
奧樣
(
おくさま
)
がたとの
御交際
(
おつきあひ
)
もして、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
原田
(
はらだ
)
の
妻
(
つま
)
と
名告
(
なのつ
)
て
通
(
とほ
)
るには
氣骨
(
きぼね
)
の
折
(
を
)
れる
事
(
こと
)
もあらう、
女子
(
をんな
)
どもの
使
(
つか
)
ひやう
出入
(
でい
)
りの
者
(
もの
)
の
行渡
(
ゆきわた
)
り
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それと
繋
(
つな
)
がらない他の府県にも飛び飛びに
弘
(
ひろ
)
く
行渡
(
ゆきわた
)
っているうえに、方法と言葉の異同が
入組
(
いりく
)
んでいるのは、何か一つの古い起りがあって、近年の流行ではないように思わせる。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
吉田さんは百枚の羽織を
脊負込
(
しょいこ
)
んで遣り場が有りません、紫縮緬が仲の町へ
行渡
(
ゆきわた
)
って居りまして仕方がないから、深川へ往って、さて斯う/\いうわけで
弾
(
はじ
)
かれたが、百枚の羽織の遣り場がないから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
... 使ってさえこの位に
美味
(
おい
)
しく出来るからストーブだったら一層美味しかろうと
其処
(
そこ
)
の
工合
(
ぐあい
)
は来客の方で察しなければなりません」お登和嬢側より「兄さん、テンピといってもまだ世間の家庭には沢山
行渡
(
ゆきわた
)
っていないようです。テンピがなくって出来る料理の方が世人のためになりましょう」
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
木綿島村の
甚太夫
(
じんだいふ
)
といふ百姓にても
家柄
(
いへがら
)
の者の娘なりしが
年貢
(
ねんぐ
)
の
未進
(
みしん
)
に付據ころなく常磐屋へ
勤
(
つと
)
め奉公に出して未だ
間
(
ま
)
もなきに
渠
(
かれ
)
運
(
うん
)
強
(
つよ
)
くして此方の旦那樣に受出され勤めの月日もなき故外の遊女とは大に
違
(
ちがひ
)
人品
(
ひとがら
)
もよしと申に付少しは安心なし居たるに何樣文藏は申に及ばず
姑
(
しうとめ
)
にも
能
(
よく
)
仕
(
つか
)
へ奉公人迄
行渡
(
ゆきわた
)
りの能ければ母のおもせは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つてお
請申
(
うけまを
)
せば、
列座
(
れつざ
)
の
方々
(
かた/″\
)
滿足々々
(
まんぞく/\
)
とのたまふ
聲
(
こゑ
)
ずらりと
行渡
(
ゆきわた
)
る。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一方
(
かた/\
)
は
仲働
(
なかはたらき
)
の
福
(
ふく
)
のこゑ、
叮嚀
(
ていねい
)
に
叮嚀
(
ていねい
)
にと
仰
(
おつ
)
しやるけれど、一
日
(
にち
)
業
(
わざ
)
に
何
(
ど
)
うして
左樣
(
さう
)
は
行渡
(
ゆきわた
)
らりよう、
隅々
(
すみ/″\
)
隈々
(
くま/″\
)
やつて
居
(
い
)
てお
溜
(
たま
)
りが
有
(
あ
)
らうかえ、
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つ
處
(
ところ
)
をざつと
働
(
はたら
)
いて、あとは
何
(
いづ
)
れも
野
(
の
)
となれさ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
こりゃ
此處
(
こゝ
)
に四十
兩
(
りゃう
)
ある、
予
(
わし
)
に
毒藥
(
どくやく
)
を一
匁
(
もんめ
)
ほど
賣
(
う
)
ってくりゃれ、
直
(
すぐ
)
に
血管
(
けっくわん
)
に
行渡
(
ゆきわた
)
って
世
(
よ
)
に
饜果
(
あきは
)
てた
飮主
(
のみぬし
)
を
立地
(
たちどころ
)
に
死
(
し
)
なすやうな、
又
(
また
)
、
射出
(
うちだ
)
された
焔硝
(
えんせう
)
が
怖
(
おそろ
)
しい
大砲
(
たいはう
)
の
胴中
(
どうなか
)
から
激
(
はげ
)
しう
急
(
きふ
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
るやうに
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
此
(
こ
)
の
東京
(
とうきやう
)
の
四萬
(
よまん
)
の
數
(
かず
)
は
多
(
おほ
)
いやうだけれども、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
にしろ
府下
(
ふか
)
一帶
(
いつたい
)
の
人口
(
じんこう
)
に
較
(
くら
)
べては、
辻駕籠
(
つじかご
)
ほどにも
行渡
(
ゆきわた
)
るまい、
然
(
しか
)
も
一
(
いつ
)
ヶ
月
(
げつ
)
税銀
(
ぜいぎん
)
八匁
(
はちもんめ
)
の
人力車
(
じんりきしや
)
である。なか/\
以
(
もつ
)
て
平民
(
へいみん
)
には
乘
(
の
)
れさうに
思
(
おも
)
はれぬ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
渡
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“行”で始まる語句
行
行燈
行方
行李
行衛
行灯
行脚
行水
行者
行末