繊細な人情の扱われる話になってから、玉鬘は脇息によりかかりながら、几帳の外の源氏のほうをのぞくようにして返辞を言っていた。
と玄心斎が敷居際に手をついたとき、源三郎は、座敷の真ん中に、倒した脇息を枕にして——眠ってでもいるのか、答えは、ない。
脇息によりかかりながら、やっと筆を手にして、遺書と云うほどのものではないが、ともかくもあの方に道綱の事をくれぐれもお頼みし
“脇息”の意味
《名詞》
床などに座る際に体の前や脇に置き、肘をかけたり、もたれかけたりする道具。ひじかけ。
(出典:Wiktionary)
(出典:Wiktionary)
“脇息”の解説
脇息(きょうそく)とは、脇に置いてもたれかかるための安楽用具。記紀では几(おしまずき)、奈良時代には挟軾(きょうしょく)と呼ばれた。正倉院に「紫檀木画挟軾」として伝わっているものが古形であり、使用法も身体の前面に置いてもたれかかるものだったが、平安時代以降は脇に置いて片肘をつくための天板光月型、上部に綿を敷き布を張ったものも生まれた。材質には木製の他、紫檀や竹製が使われた。また平板には長方形のものの他、湾曲した形もあった。女性用として引き出しが付いた箱形の「寄懸(よりかかり)」もあった。
(出典:Wikipedia)
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