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罪惡
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ざいあく
知人に
遇ひでもすると、
青くなり、
赤くなりして、
那麼弱者共を
殺すなどと、
是程憎むべき
罪惡は
無いなど、
云つてゐる。
勘次が
去つてからお
品は
其混雜した
然も
寂しい
世間に
交つて
遣瀬のないやうな
心持がして
到頭罪惡を
決行して
畢つた。お
品の
腹は四
月であつた。
纔かに五六
年で
地上は
此變化である。
地中の
秘密はそれでも、三千
餘年の
間保たれたと
思ふと、これを
攪亂した
余等は、
確かに
罪惡であると
考へずには
居られぬのである。
……
何ぢゃ?
下司奴めが、
道外假面に
面を
隱して、
此祝典を
蹈附にしようとは
不埓ぢゃ! カピューレットの
正統たる
權利を
以て、
彼奴めをば
打殺しても、
俺ゃ
罪惡とは
思はぬわい。
其惡事例へば
殺人罪の
如き
惡事は
意味もなく、
原因も
無きものと
云ふを
得べきや、
之を
心理的に
解剖して
仔細に
其罪惡の
成立に
至までの
道程を
描きたる
一書を
淺薄なりとして
斥くる
事を
得べきや。
殺したりとて
匙さへ持ば
解死人には取れず
斯る
家業は又となし只醫者らしく見せ
懸るのと
詞遣ひさへ腹に
這入ば別に
修行が
入ものぞと
藥種の名など
些づつ
覺え醫者にならんと思ひ
込奸才邪知の
曲者にて後年
己が
罪惡の
顯はれし時申
陳じて人に
塗付天下
未曾有の
名奉行を
深い
罪惡を
包藏して
居ない
其の
夜の
事件はそれで
濟んだ。
勘次は
依然おつぎには
只一つしか
無い
大樹の
陰であつた。
予を
腹立たせて、
又の
罪惡を
犯させて
下さるな。おゝ、
速う
去なしゃれ。
眞實、
予は
自分よりも
足下を
可愛しう
思うてゐる、
予は
自殺をしようと
覺悟して
此處へ
來た
者であるに
依って。
おゝ、それが
切實と
思ひ
出さるゝ、
怖しい
罪惡を
罪人が
忘れぬやうに。
然し
大抵の
家々では
雞でさへ
家の
内では
煮るのを
許容さないので、
後の
庭へ
竹で三
本の
脚を
作つてそれへ
鍋蔓を
掛けた
程であつたから、
猫を
殺すことが
恐ろしい
罪惡のやうに
見られたのであつた。