罪惡ざいあく)” の例文
新字:罪悪
知人しりびとひでもすると、あをくなり、あかくなりして、那麼あんな弱者共よわいものどもころすなどと、是程これほどにくむべき罪惡ざいあくいなど、つてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
勘次かんじつてからおしなその混雜こんざつしたしかさびしい世間せけんまじつて遣瀬やるせのないやうな心持こゝろもちがして到頭たうとう罪惡ざいあく決行けつかうしてしまつた。おしなはらは四つきであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わづかに五六ねん地上ちじやう此變化このへんくわである。地中ちちう秘密ひみつはそれでも、三千餘年よねんあひだたもたれたとおもふと、これを攪亂くわんらんした余等よらは、たしかに罪惡ざいあくであるとかんがへずにはられぬのである。
……なんぢゃ? 下司奴げすやっこめが、道外假面だうけめんおもてかくして、この祝典しゅくてん蹈附ふみつけにしようとは不埓ふらちぢゃ! カピューレットの正統しゃうとうたる權利けんりもって、彼奴きゃつめをば打殺ぶちころしても、おれ罪惡ざいあくとはおもはぬわい。
その惡事あくじたとへば殺人罪さつじんざいごと惡事あくじ意味いみもなく、原因げんいんきものとふをべきや、これ心理的しんりてき解剖かいぼうして仔細しさいその罪惡ざいあく成立なりたちいたるまでの道程みちのりゑがきたる一書いつしよ淺薄せんはくなりとしてしりぞくることべきや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
殺したりとてさじさへ持ば解死人げしにんには取れずかゝ家業かげふは又となし只醫者らしく見せかけるのと詞遣ことばつかひさへ腹に這入はひれば別に修行しゆぎやういるものぞと藥種やくしゆの名などちとづつおぼえ醫者にならんと思ひこみ奸才邪知かんさいじやち曲者くせものにて後年おのれ罪惡ざいあくあらはれし時申ちんじて人に塗付ぬりつけ天下未曾有みそう名奉行めいぶぎやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ふか罪惡ざいあく包藏はうざうしてない事件じけんはそれでんだ。勘次かんじ依然やつぱりおつぎにはたゞひとつしか大樹たいじゆかげであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わし腹立はらだたせて、また罪惡ざいあくをかさせてくださるな。おゝ、はやなしゃれ。眞實しんじつわし自分じぶんよりも足下おぬし可愛いとしうおもうてゐる、わし自殺じさつをしようと覺悟かくごして此處こゝものであるにって。
おゝ、それが切實ひし/\おもさるゝ、おそろしい罪惡ざいあく罪人ざいにんわすれぬやうに。
しか大抵たいてい家々いへ/\ではにはとりでさへいへうちではるのを許容ゆるさないので、うしろにはたけで三ぼんあしつくつてそれへ鍋蔓なべつるけたほどであつたから、ねこころすことがおそろしい罪惡ざいあくのやうにられたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)