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ざいあく
明るいところに
魔の
住まないごとく、花前のような生活には
虚偽罪悪などいうものの
宿りようがない。
大悟徹底というのがそれか。
絶対的安心というのがそれか。
通を
歩きながらもそう
思われまいと
微笑しながら
行ったり、
知人に
遇いでもすると、
青くなり、
赤くなりして、あんな
弱者共を
殺すなどと、これ
程憎むべき
罪悪は
無いなど、
云っている。
纔かに五六
年で
地上は
此變化である。
地中の
秘密はそれでも、三千
餘年の
間保たれたと
思ふと、これを
攪亂した
余等は、
確かに
罪惡であると
考へずには
居られぬのである。
……
何ぢゃ?
下司奴めが、
道外假面に
面を
隱して、
此祝典を
蹈附にしようとは
不埓ぢゃ! カピューレットの
正統たる
權利を
以て、
彼奴めをば
打殺しても、
俺ゃ
罪惡とは
思はぬわい。