結局けっきょく)” の例文
かたがたわたくしとしてはわざとさしひかえてかげから見守みまもってだけにとどめました。結局けっきょくそうしたほうがあなたのめになったのです……。
このおはなしは結局けっきょく学者がくしゃのアラムハラドがある日自分のじゅくでまたある日山の雨の中でちらっとかんじた不思議ふしぎ着物きものについてであります。
だがなおよく考えると、喜劇きげき所望しょもうしてくれなかったことは結局けっきょくありがたかった。なぜといって、どうそれをやるかくふうがつかなかった。
村の人たちはり合いをやって相談そうだんをした。そして結局けっきょく、村の人の中で、寺の鬼どもを退治たいじしたものを寺の住職にしようということになった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
それゆえに、結局けっきょくへとへとになって、揚句あげく酒場さかば泥酔でいすいし、わずかにうつらしたのです。かれは、芸術げいじゅつ商品しょうひん堕落だらくさしたやからをもいきどおりました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それじゃ、もう一度話に直してしゃべろう。結局けっきょくここに書いてあるとおりのことなんだが……」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さて一同いちどう裏庭にわいてみますと、そこではいま大騒おおさわぎの最中さいちゅうです。ふたつの家族かぞくで、ひとつのうなぎあたまうばいあっているのです。そして結局けっきょく、それはねこにさらわれてしまいました。
まずちょっとこんなふうに差別さべつされるようだが、近い周囲をあいまいにしてしょするということが、けっしてほこるべきことではなかろう。結局けっきょく主人は、花前にまなぶところがおおいなと考えた。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
(やっぱりツェラの高原だ。ほんの一時のまぎれみなどは結局けっきょくあてにならないのだ。)う私は自分で自分におしえるようにしました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
結局けっきょく、たいしたしなではないが、まあふるいさかずきだから、いまどきのものとくらべるとわるいことはないというのでした。まごは、いえかえりました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これはこれはなによりのおもてなし……雛子ひなこ、そなたも御馳走ごちそうになるがよいであろう。世界中せかいじゅうなに美味おいしいともうしても、結局けっきょくみずしたものはござらぬ……。
結局けっきょくそれが痣蟹の空中葬であったろうという者も出て来たので、本部はすこし明るくなった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かの女の実の弟に当たるジェイムズ・ミリガンはイギリスはもちろん、フランス、ベルギー、ドイツ、イタリアとほうぼうに子どもをさがさせたが、結局けっきょく行くえは知れなかった。
結局けっきょく両親は自分たちの隠居金いんきょがね全部ぜんぶむすめにあたえて
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ひめさまは、結局けっきょく気楽きらくおもわれて自分じぶんがいちばんうたがうまく、音楽おんがく上手じょうずだとこころほこられながら、そのまちにおみなされたということであります。
町のお姫さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
この山と地質ちしつは同じです。ただ北側なため雑木ぞうきが少しはよくそだってます。〕いいや駄目だめだ。おしまいのことをったのは結局けっきょく混雑こんざつさせただけだ。云わないでおけばよかった。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
人びとはその仕事を仕上げるにどのくらいかかるかというとりとめのない議論ぎろんを始めた。結局けっきょくすくなくともこのはかの中にこの後八日ははいっていなければならないことに意見が一致いっちした。八日。
そちたち今正いままさにその修行しゅぎょう真最中まっさいちゅうすこくらいのことは大目おおめ見逃みのがしてもやるが、あまりにそれにはしったが最後さいご結局けっきょく幽界ゆうかい落伍者らくごしゃとして、亡者扱もうじゃあつかいをけ、いくねんいくねん逆戻ぎゃくもどりをせねばならぬ。
細君はやや安心して、結局けっきょくよい乳しぼりだと思った。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
宝石ほうせき見分みわける名人めいじんが、募集ぼしゅうされることになりました。そして、いろいろのひとたちがあつまってきましたけれど、結局けっきょく名人めいじんというのは、最後さいごのこされた一人ひとりぎません。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
結局けっきょく洪積は地形図の百四十メートルの線以下いかという大体の見当も附けてあとは先生が云ったように木のそだ工合ぐあいや何かを参照さんしょうしてめた。ぼくは土性の調査よりも地質ちしつの方が面白おもしろい。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
縁故でないとえば、いっこう縁故でもなんでもないぜ、が、しかしさ、こんなことにはてめえのようなへんちきりんはあんまりいろいろ手を出さない方が結局けっきょくてめえのためだろうぜ
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
結局けっきょくそのほうが気楽きらくなものですから、幸作こうさくは、こたつにはいってていました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうかい。それで、結局けっきょく、お前たちはうずのしゅげは大すきなんだろう」
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
結局けっきょく、このあらそいは、てしがつかなかったのです。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)