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活々
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いき/\
ふりがな文庫
“
活々
(
いき/\
)” の例文
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
朝
(
あさ
)
を
離
(
はな
)
れて
空
(
そら
)
に
居据
(
ゐすわ
)
つた。
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
が
明
(
あか
)
るい
光
(
ひかり
)
を
添
(
そ
)
へた。
然
(
しか
)
しながら
周圍
(
しうゐ
)
の
何處
(
いづこ
)
にも
活々
(
いき/\
)
した
緑
(
みどり
)
は
絶
(
た
)
えて
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
丑松が胸の中に戦ふ
懊悩
(
あうなう
)
を感ずれば感ずる程、余計に
他界
(
そと
)
の自然は
活々
(
いき/\
)
として、身に
染
(
し
)
みるやうに思はるゝ。南の空には星一つ
顕
(
あらは
)
れた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこに
活々
(
いき/\
)
と
祕
(
ひそ
)
やかに萠える感情は、彼の權力にも
阻
(
はゞ
)
まれず、彼の整然たる行軍の足下にも踏みひしがれることはないであらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
茘枝の小さきも
活々
(
いき/\
)
して、藤豆の如き早や蔓の端も見え
初
(
そ
)
むるを、
徒
(
いたづら
)
に名の
大
(
おほい
)
にして、其の実の小なる、葉の形さへ
定
(
さだか
)
ならず。
草あやめ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
萠黄色
(
もえぎいろ
)
の、
活々
(
いき/\
)
とした
美
(
うつく
)
しい
眼附
(
めつき
)
、
鷲
(
わし
)
の
目
(
め
)
よりも
立派
(
りっぱ
)
ぢゃ。ほんに/\、こんどのお
配偶
(
つれあひ
)
こそ
貴孃
(
こなた
)
のお
幸福
(
しあはせ
)
であらうぞ、
前
(
まへ
)
のよりはずっと
優
(
まし
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
たゞパッチリして眼だけは、
處女
(
むすめ
)
の時其のまゝの濕みを有ツて、
活々
(
いき/\
)
として奈何にも人を引付ける力があツた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
先方は洋行帰りの会社員、西洋の派手な
活々
(
いき/\
)
した社交を経て来た男。土産のトランクの中には指環やらブロッチやら
露西亜更紗
(
ロシアさらさ
)
の派手な模様もあつたと聞く。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
表情が活溌に動いたりすると操り人形に魂が入つたやうに、
活々
(
いき/\
)
とした
仇
(
あだ
)
つぽさと美しさを發揮するのです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
斯
(
か
)
う言つて小池は、自分の住む東京の郊外の村の、
痩
(
や
)
せて荒れて
艷氣
(
つやけ
)
のないのとは違つて、この村のふツくりと暖かさうで、野にも家にも
活々
(
いき/\
)
とした光の
充
(
み
)
ちてゐるのを思つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
口
(
くち
)
もとは
小
(
ちい
)
さからねど
締
(
しま
)
りたれば
醜
(
みに
)
くからず、一つ一つに
取
(
とり
)
たてゝは
美人
(
びじん
)
の
鑑
(
かゞみ
)
に
遠
(
とほ
)
けれど、
物
(
もの
)
いふ
聲
(
こゑ
)
の
細
(
ほそ
)
く
清
(
すゞ
)
しき、
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
る
目
(
め
)
の
愛嬌
(
あいけう
)
あふれて、
身
(
み
)
のこなしの
活々
(
いき/\
)
したるは
快
(
こゝろよ
)
き
物
(
もの
)
なり
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
健全に、
活々
(
いき/\
)
した生命を養はなきやなりますまい。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
斯
(
こ
)
の寺のも矢張同じ型ではあつたが、多少創意のある
画家
(
ゑかき
)
の筆に成つたものと見えて、ありふれた図に比べると余程
活々
(
いき/\
)
して居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
晴着
(
はれぎ
)
を着た、女中のやうな
裝
(
なり
)
をした、お
内儀
(
かみ
)
さん風の、まだ若くて大層
縹緻
(
きりやう
)
のよい、髮と眼の黒い、
活々
(
いき/\
)
とした顏色の女だ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
と
黒目勝
(
くろめがち
)
な、
意味
(
いみ
)
の
深
(
ふか
)
い、
活々
(
いき/\
)
とした
瞳
(
ひとみ
)
に
映
(
うつ
)
ると、
何
(
なに
)
思
(
おも
)
ひけむ、
紫
(
むらさき
)
ぐるみ、
本
(
ほん
)
に
添
(
そ
)
へて、すらすらと
持
(
も
)
つて
椅子
(
いす
)
に
歸
(
かへ
)
つた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さうして
活々
(
いき/\
)
としたものは
自分
(
じぶん
)
のみであることを
誇
(
ほこ
)
るものゝ
如
(
ごと
)
く、
秋風
(
あきかぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれつゝ
白
(
しろ
)
い
布
(
ぬの
)
の
樣
(
やう
)
にふは/\と
動
(
うご
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
紫の羽織を着た十五六の娘の肖像畫だ。描寫も色彩も舊式の油繪で、紫の色もボケたやうになつて見えたが、何か
熟
(
じツ
)
と仰ぎ見てゐるやうな眼だけは
活々
(
いき/\
)
としてゐた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
されども
遠
(
とほ
)
い
東方
(
ひんがし
)
の、
曙姫
(
あけぼのひめ
)
の
寢所
(
ねどころ
)
から、あの
活々
(
いき/\
)
した
太陽
(
たいやう
)
が
小昏
(
をぐら
)
い
帳
(
とばり
)
を
開
(
あ
)
けかくれば、
重
(
おも
)
い
心
(
こゝろ
)
の
倅
(
せがれ
)
めは
其
(
その
)
明
(
あか
)
るさから
迯戻
(
にげもど
)
り、
窓
(
まど
)
を
閉
(
と
)
ぢ、
日
(
ひ
)
を
嫌
(
きら
)
うて、
我
(
わ
)
れから
夜
(
よる
)
をば
製
(
つく
)
りをる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さう言ふ平次の胸には、戀女房お靜の純情な淨らかさが、
活々
(
いき/\
)
と
浮彫
(
うきぼり
)
されてゐるのでした。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
珈琲
(
コーヒー
)
が出された。貴婦人たちは紳士たちが入つて來てから、
雲雀
(
ひばり
)
のやうに快活になつて、話は
活々
(
いき/\
)
と面白く榮えて行つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
活々
(
いき/\
)
とした力のある山塊の輪郭と、深い
鉛紫
(
えんし
)
の色を帯びた谷々の影とは、一層その眺望に崇高な趣を添へる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それで
歳男
(
としをとこ
)
の
役
(
やく
)
で
飾
(
かざり
)
は
勘次
(
かんじ
)
にさせた。
煤
(
すゝ
)
け
切
(
き
)
つた
棚
(
たな
)
に
新
(
あたら
)
しい
藁
(
わら
)
の
蝦
(
えび
)
が
活々
(
いき/\
)
として
見
(
み
)
えた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一色友衞の眼は藝術的な陶醉からさめて、現實の世界のあこがれに
活々
(
いき/\
)
と輝きます。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中には
活々
(
いき/\
)
と
青草
(
あをくさ
)
の
生
(
は
)
えている古い
頽
(
くづ
)
れかけた屋根を見える。屋根は恰で
波濤
(
なみ
)
のやうに高くなツたり低くなツたりして
際限
(
さいげん
)
も無く續いてゐた。日光の具合で、處々光ツて、そして
黯
(
くろ
)
くなツてゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
默つて見上げた病人の眼は、不思議に
活々
(
いき/\
)
と光つて居ります。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お靜の顏も
活々
(
いき/\
)
と輝きました。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
々
3画
“活”で始まる語句
活
活溌
活計
活動
活花
活人形
活物
活気
活字
活動写真