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日々
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にちにち
ふりがな文庫
“
日々
(
にちにち
)” の例文
尋
(
つ
)
いでわたくしは保さんを
訪
(
と
)
おうと思っていると、
偶
(
たまたま
)
女
(
むすめ
)
杏奴
(
あんぬ
)
が病気になった。
日々
(
にちにち
)
官衙
(
かんが
)
には
通
(
かよ
)
ったが、公退の時には家路を急いだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
かくて彼は、
日々
(
にちにち
)
の波を分けておのれの小舟を進めながら、
側目
(
わきめ
)
もふらず、じっと
舵
(
かじ
)
を握りしめ、目的の方へ眼を見据えている。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
がどうしても離れる事が出来ない。しかも第二の少女に対しては気の毒である、済まん事になったと云う念が
日々
(
にちにち
)
烈
(
はげ
)
しくなる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なアに少しも憎くは有ません目「では何故殺した藻「伯父の
身代
(
しんだい
)
が欲いから殺しました、此頃は
商買
(
しょうばい
)
が不景気で
日々
(
にちにち
)
苦しくなるばかりです、 ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
日々
(
にちにち
)
平常の生活難に追はれて絶えず現実の感情より脱離する事なきも、しかもまたその
中
(
うち
)
自
(
おのず
)
から日本人生来の風流心を発露せしむる事なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
父も母も失って、伯父の家に引き取られ、わがままないとこに
虐
(
しいた
)
げられながら、彼女は孤独な寂しい
日々
(
にちにち
)
を暮していたのだ。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
日々
(
にちにち
)
の流れ、差す潮引く潮を戯曲として味い、あらゆる形の美を理解し、又われわれの内心を凝視する術を教えてくれた。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
爺さんの寿命を
日々
(
にちにち
)
夜々
(
やや
)
に
縮
(
ちぢ
)
めつゝあるものは、斯展望台である。余は爺さんに目礼して、展望台の立つ隣の畑に往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ここは会社と言っても、営業部、銀行部、それぞれあって、
先
(
ま
)
ず
官省
(
やくしょ
)
のような大組織。外国文書の
飜訳
(
ほんやく
)
、それが彼の担当する
日々
(
にちにち
)
の
勤務
(
つとめ
)
であった。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それが、三人にとってどんなに得意な、楽しい
日々
(
にちにち
)
であったかは、読者諸君のゆたかな想像力で、十分想像して下さい。
新宝島
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
襲撃された邦人の噂が
日々
(
にちにち
)
市中を流れて来た。邦人の貨物が掠奪されると、焼き捨てられた。支那商人が先を争って安全な共同租界へ逃げ込んだ。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
されば
日々
(
にちにち
)
気にくわぬ事の
出
(
い
)
で来るごとに、春がすみの化けて
出
(
い
)
でたる人間の名をお豊と呼ばれて目は細々と口も閉じあえずすわれるかたわらには
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
これはまた外の敵に打勝つよりも難しくて、より以上の烈しい気力を要するものであり、長陣となればなるほど濃くなって来る
日々
(
にちにち
)
の声なき苦闘であった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
監督の武士と捕虜との間に
日々
(
にちにち
)
衝突が絶えなかった。朝高も
終局
(
しまい
)
には
疳癪
(
かんしゃく
)
を
起
(
おこ
)
して、彼等を
悉
(
ことごと
)
く斬れと命じた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ローリーさんの身体の重さは、ちゃんと計量されてあるので、ローリーさんが泳ぐ速度に
係数
(
コエフイシアント
)
を掛け合わせると、満潮時の潮流の速度と
日々
(
にちにち
)
の変化がわかる。
キャラコさん:07 海の刷画
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
抑
(
そも/\
)
われは
寄辺
(
よるべ
)
ない
浮浪学生
(
ふらうがくしやう
)
、
御主
(
おんあるじ
)
の
御名
(
みな
)
によりて、
森
(
もり
)
に
大路
(
おほぢ
)
に、
日々
(
にちにち
)
の
糧
(
かて
)
を
乞
(
こ
)
ひ
歩
(
ある
)
く
難渋
(
なんじふ
)
の
学徒
(
がくと
)
である。おのれ
今
(
いま
)
、
忝
(
かたじけな
)
くも
尊
(
たふと
)
い
光景
(
けしき
)
を
観
(
み
)
、
幼児
(
をさなご
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いた。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
そうかといって、また
日々
(
にちにち
)
毎日竈の火吹き役もハアあきあきだ。これから一つ伊勢参宮にでも上ろうか、ヤアハア伊勢の国、そうして伊勢の国へ上ってしまう。
東奥異聞
(新字新仮名)
/
佐々木喜善
(著)
これより
一同
(
みなみな
)
励み勤め昨日に変る身のこなし、一をきいては三まで働き、二と云われしには四まで動けば、のっそり片腕の用を欠いてかえって多くの腕を得つ
日々
(
にちにち
)
工事
(
しごと
)
捗取
(
はかど
)
り
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
……然し或はまた何にも起らないでこのままの
淡
(
あわ
)
い
日々
(
にちにち
)
が続くのかも知れない。
過渡人
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
何しろ、その時分は、あの女もたった一人のおふくろに
死別
(
しにわか
)
れた後で、それこそ
日々
(
にちにち
)
の暮しにも差支えるような身の上でございましたから、そう云う
願
(
がん
)
をかけたのも、
満更
(
まんざら
)
無理はございません。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見よや今、「小樽
日々
(
にちにち
)
」
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それら最初の
日々
(
にちにち
)
は、大きな雲の移りゆく影を宿して風に吹かるる麦畑のように、子供の頭の中に騒々しい音をたてる……。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
これに加うるに
日々
(
にちにち
)
昔ながらの名所古蹟を
破却
(
はきゃく
)
して行く時勢の変遷は市中の散歩に無常悲哀の寂しい詩趣を帯びさせる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
けれども、
徒手
(
てぶら
)
で行くのが面白くないんで、そのうちの事と腹の中で料簡を
定
(
さだ
)
めて、
日々
(
にちにち
)
読書に
耽
(
ふけ
)
って
四五日
(
しごんち
)
過した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岡田の
日々
(
にちにち
)
の散歩は大抵道筋が極まっていた。寂しい無縁坂を降りて、
藍染川
(
あいそめがわ
)
のお歯黒のような水の流れ込む
不忍
(
しのばず
)
の池の北側を廻って、上野の山をぶらつく。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わしが植えるには、ただ手を動かしているのみでなく、一つまみの苗の根を田へ下ろすごとに、有難や、この苗のために、わしらは今日
飢
(
う
)
えもせず、
日々
(
にちにち
)
幸福
(
しあわせ
)
に生きている。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
川辺家の主人は、朝早く起きて西洋草花の手入れをするのが、この三四年以来
日々
(
にちにち
)
の仕事である。村川が部屋へ行ったとき、主人はもう庭園から部屋に帰って、新聞を読んでいた。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それに君は俺が唯遊んで
昼寝
(
ひるね
)
して暮らす様に云うたが、俺にも万更仕事が無いでもない。聞いてくれ。俺の
頭
(
あたま
)
の上には青空がある。俺の頭は、
日々
(
にちにち
)
夜々
(
やや
)
に此青空の方へ伸びて行く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
閑静なる
河
(
かわ
)
ぞいの宿をえらみて、ここを根拠地と定めつつ、軍服を脱ぎすてて平服に身を包み、人を避け、公会の招きを辞して、ただ
日々
(
にちにち
)
浪子を連れては
彼女
(
かれ
)
が意のむかうままに
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
巡査は
彼
(
か
)
の事件以来、
日々
(
にちにち
)
通い馴れているので、
険阻
(
けんそ
)
の
山路
(
やまみち
)
も踏み迷わずに、森を過ぎ、岩を越えて、難なく虎ヶ窟の前に辿り着いた。足の達者な忠一は巡査に
些
(
ちっ
)
とも
後
(
おく
)
れなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『静岡
日々
(
にちにち
)
新聞』です。これは一体何を意味するのでしょうか
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今日の如く
日々
(
にちにち
)
外国思潮の襲来
激甚
(
げきじん
)
なる時代において
此
(
かく
)
の如き自由解放の態度はむしろ全体の破壊を招かんのみ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これは分らない方が好ましいので、必要のない限りは、兄の
日々
(
にちにち
)
の戸外生活に就て決して研究しないのである。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
保はこれを忍んで数カ月間三人を
欵待
(
かんたい
)
した。そして殆ど
日々
(
にちにち
)
貞固を横山町の尾張屋に連れて往って
馳走
(
ちそう
)
した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「でも、荷駄千匹の往来と御自慢あるが、越後においては、出入りの船、
日々
(
にちにち
)
千
艘
(
そう
)
。一艘の船には、馬千疋が負うほどの荷は積みます。してみると甲州は、存外な小国とみえますな」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田崎は例のごとく
日々
(
にちにち
)
来たりては、六畳の一間に控え、例のごとく事務をとりてまた例刻に帰り行く。型に入れたるごとき日々の事、見るもの、聞くもの、さながらに去年のままなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ただもうレンズと鏡の
日々
(
にちにち
)
を送ったことであります。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
二人は自分と
共々
(
ともども
)
、青春に幸多い外国の生活、文学、絵画、音楽、社会主義、
日々
(
にちにち
)
起る世間の出来事、何につけても、
活々
(
いきいき
)
した感想を
以
(
もっ
)
てそれらを論じた。
曇天
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「そう云う恩知らずは、得て哲学者にあるもんだ。親不孝な学問をして、
日々
(
にちにち
)
人間と
御無沙汰
(
ごぶさた
)
になって……」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『毎日』は島田三郎さんが主筆で、『東京
日々
(
にちにち
)
新聞』の
福地桜痴
(
ふくちおうち
)
と論争していたので、保は島田を助けて戦った。主なる論題は主権論、普通選挙論等であった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そして
日々
(
にちにち
)
改善されて行くその状態を見ると、まず西洋の生活と同じようにするという事に帰着するらしい。
独居雑感
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
吾
(
われ
)
らは平和なる家庭の主人として、少くとも衣食の満足を、吾らと吾らの
妻子
(
さいし
)
とに与えんがために、この相撲に等しいほどの緊張に甘んじて、
日々
(
にちにち
)
自己と世間との間に
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯その方法手段が得られぬので、
日々
(
にちにち
)
人知れず腐心している。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
東京はその市内のみならず周囲の近郊まで
日々
(
にちにち
)
開けて行くばかりであるが、しかし幸にも社寺の境内、
私人
(
しじん
)
の邸宅、また
崖地
(
がけち
)
や
路
(
みち
)
のほとりに、まだまだ
夥
(
おびただ
)
しく樹木を残している。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
忠正は
日々
(
にちにち
)
巴里市内を行商せしが業務
忽
(
たちまち
)
繁栄し
幾
(
いくばく
)
もなくして一商店を経営するに至りぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
八重
日々
(
にちにち
)
菜園に出で
繊手
(
せんしゅ
)
よくこれを
摘
(
つ
)
み調味してわが日頃好みて集めたる
器
(
うつわ
)
に盛りぬ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
知らず知らず
日々
(
にちにち
)
新聞社の近くまで歩いて来たので、二人はやや疲れたままその辺の小さなカッフェーに
小憩
(
こやす
)
みして、進はウイスキー村岡はビール一杯を傾け、足の向くまま銀座通へ出た。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さればわれ
日々
(
にちにち
)
編輯局に机を連ねて親しくこの翁の教を受け得たる事今にして思へばまことに涙こぼるる次第なり。岡本綺堂子はその頃
頻
(
しきり
)
にユーゴー、ヂュマなぞの伝奇小説を読まれゐたり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
余は
日々
(
にちにち
)
時代の茶番に
打興
(
うちきょう
)
ずる事を
勉
(
つと
)
むると共に、また時としては心ひそかに整頓せる過去の生活を空想せざるを得ざりき。過去を夢見んには残されたる過去の文学美術の力によらざるべからず。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
去歳
(
さるとし
)
わが
病伏
(
やみふ
)
しける折
日々
(
にちにち
)
看護に
来
(
きた
)
りしより追々に言葉もかけ給ふやうになりて
窃
(
ひそか
)
にその
立居
(
たちい
)
振舞を見たまひけるが、
癇癖
(
かんぺき
)
強く我儘なるわれに
事
(
つか
)
へて何事も意にさからはぬ
心立
(
こころだて
)
の殊勝なるに加へて
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
々
3画
“日々”で始まる語句
日々夜々
日々是好日
日々花
日々草
日々谷
日々入局
日々日々
日々かがみ