“手入(てい)” の例文
誰もが知っている通り、春夏秋冬と、松の木位(ぐらい)手入(てい)れに手数のかかる木は尠(すくな)い。自然物入(ものいり)もかさむ。全くやっかい至極な放蕩息子だ。
解説 趣味を通じての先生 (新字新仮名) / 額田六福(著)
『明日(あす)は大楠山(おおくすやま)の巻狩(まきが)りじゃ』などと布達(おふれ)が出(で)ると、乗馬(じょうば)の手入(てい)れ、兵糧(へいろう)の準備(したく)、狩子(かりこ)の勢揃(せいぞろ)い、まるで戦争(いくさ)のような大騒(おおさわ)ぎでございました。
おじいさんは、おさくを静(しず)かな高台(たかだい)の門(もん)のある家(うち)につれてきました。この屋敷(やしき)へは、おじいさんが、ときどき、植木(うえき)の手入(てい)れにくるのであります。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
修築(しゅうちく)手入(てい)れなどの場合(ばあい)の用意(ようい)に、工匠(こうしょう)が上下(じょうげ)する足がかりが棟(むね)のコマ詰(づめ)から角垂木(かどたるき)の間(あいだ)にかくしてあるもので、みんな上へ上へと気ばかりあせっていたので
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
扨(さて)は園内(ゑんない)の手入(てい)れを賞(ほ)めなどして、逍遙(そゞろあるき)の端(はし)に若(も)し其人(そのひと)見(み)ゆるやと、垣根(かきね)の隣(となり)さしのぞけど、園生(そのふ)廣(ひろ)くして家(いへ)遠(とほ)く、萱(かや)ぶきの軒(のき)ば半(なか)ば掩(おほ)ふ大樹(たいじゆ)の松(まつ)の滴(した)たる如(ごと)き緑(みどり)の色(いろ)の目(め)に立(たち)て見(み)ゆるばか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
草(くさ)は其(そ)のまゝです……近頃(ちかごろ)までに、四五度(ど)、越(こ)して來(き)た人(ひと)がありましたけれども、何(ど)う云(い)ふものか住着(すみつ)きませんから、別(べつ)に手入(てい)れもしないので、貴女(あなた)のおもの好(ずき)のまゝに殘(のこ)つて居(ゐ)ます、……秋口(あきぐち)には
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
人(ひと)皆(みな)の天壽(てんじゆ)の蔓(つる)の手入(てい)れ時(どき)嚏(くさみ)だにせぬうちの養生(やうじやう)
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
そして、そのあくる日(ひ)から、おじいさんは、はじめて、常夏(とこなつ)を芽(め)から丹精(たんせい)したときのように、自分(じぶん)が気分(きぶん)の悪(わる)いのを忘(わす)れて、手入(てい)れをしてやりました。
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三浦(みうら)へも所中(しょっちゅう)泊(とま)りがけで訪(たず)ねてまいり、よく私(わたくし)の愛馬(あいば)の手入(てい)れなどをしてくれたものでございます。
二人(ふたり)は、りんご樹(じゅ)の手入(てい)れをしたり、栽培(さいばい)をしたりして、そこでしばらくいっしょに暮(く)らすことになりました。二人(ふたり)のほかにも、いろいろな人(ひと)が雇(やと)われていました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
植木屋(うえきや)のおじいさんは、しばらくたってから、おさくの奉公(ほうこう)した、お家(うち)へいって、植木(うえき)の手入(てい)れをしていました。そのとき、奥(おく)さまは、出(で)てこられて、おじいさんに
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さち子(こ)は、大事(だいじ)にして、ばらの手入(てい)れをいたしました。ちょうど、三年(ねん)めの春(はる)の終(お)わりころに、一本(ぽん)のばらにだけ、一つつぼみがつきました。さち子(こ)は、どんなに喜(よろこ)んだかしれません。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつしか、島(しま)の中(なか)は、諸国(しょこく)の珍(めずら)しい花(はな)で、みごとに飾(かざ)られたのでした。みんなは、自分(じぶん)たちの庭園(ていえん)の手入(てい)れをしました。だから、果物(くだもの)は、ますますみごとに、枝(えだ)もたわむばかりになりました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、まだ鉄砲(てっぽう)の手入(てい)れをしておかなかったのを、迂濶(うかつ)であったと気(き)づいたのです。その翌日(よくじつ)、昼(ひる)すぎごろのこと、入(い)り口(ぐち)へなにかきたけはいがしたので、見(み)ると怪物(かいぶつ)が顔(かお)を突(つ)き出(だ)していました。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あかりの下(した)で、冬(ふゆ)の着物(きもの)の手入(てい)れをしていた、母親(ははおや)は
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)