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度胸
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どきよう
……
見た
處は
千丈の
峰から
崩れかゝる
雪雪頽の
下で
薪を
樵るより
危かしいのに——
此の
度胸でないと
復興は
覺束ない。
月のない
坂を
上つて、
瓦斯燈に
照らされた
砂利を
鳴らしながら
潛戸を
開けた
時、
彼は
今夜此所で
安井に
落ち
合ふ
樣な
萬一はまづ
起らないだらうと
度胸を
据ゑた。
的とお節も
續て立上り是非ともお願ひ申た上お
聞入のない時は御家老樣の御
玄關で其儘
舌を
喰切つゝ死して夫の
身代りにと云ば藤八
打點頭オヽ
能云た其
位度胸を
命にかへて
嘘とは
思しめすまじ、それほど
度胸すわれど
奧の
間へ
行く
心は
屠處の
羊なり。
其の
時は
私もどうかしてと
思つてね、それだがおつぎが
度胸のあるのぢや
私も
喫驚したよ
確に俺に是れだけ行る
度胸が無いものと見くびツてゐたんだからな。
櫻、
山吹、
寺内の
蓮の
華の
頃も
知らない。そこで
蛙を
聞き、
時鳥を
待つ
度胸もない。
暗夜は
可恐く、
月夜は
物すごい。
彼は
黒い
夜の
中を
歩るきながら、たゞ
何うかして
此心から
逃れ
出たいと
思つた。
其心は
如何にも
弱くて
落付かなくつて、
不安で
不定で、
度胸がなさ
過ぎて
希知に
見えた。
何も
度胸と
半紙四五
枚二つ
折にして、
墨つぎ
濃く
淡く
文か
有らぬか
書き
紛らはし、
態と
綴ぢて
表紙にも
字を
書き、
此趣向うまくゆけかしと
明くるを
待ちけるが、
人しらぬこそ
是非なけれ
和出來の
猪八戒と
沙悟淨のやうな、
變なのが
二人、
鯱の
城下へ
轉げ
落ちて、
門前へ
齋に
立つたつて、
右の
度胸だから
然までおびえまいよ。
紹介をしよう。……(
角はま)にも。
と
最う
恁う
成れば
度胸を
据ゑて、
洒落れて
乘る。……
室はいづれも、
舞臺のない、
大入の
劇場ぐらゐに
籠んで
居たが、
幸ひに、
喜多八懷中も
輕ければ、
身も
輕い。
荷物はなし、お
剩に
洋杖が
細い。