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埃及
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エジプト
ふりがな文庫
“
埃及
(
エジプト
)” の例文
あ! 何だいあれあ! え!
埃及
(
エジプト
)
の女だって? 鼻柱へ輪のついた棒みたいな物を立てて、黒いヴェイルを垂らしてるじゃないか。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
レーンの『近世の
埃及
(
エジプト
)
人』十八章には著者カイロにあった内、夫も子も友もない女が一犬を子のごとく愛したが、犬死んで愁歎の極
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて、見ていると、それがみな
埃及
(
エジプト
)
のピラミッドのような
巨大
(
コロッサール
)
な悲しみを浮かべている。
冬の日
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
「鶯張は今の人が
何程
(
いくら
)
工夫しても出来ないというが、建築家の意見は何うだね? 矢張り
埃及
(
エジプト
)
の
木乃伊
(
ミイラ
)
見たいに
堙滅
(
いんめつ
)
した技術かしら?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
きっと見上げる上から兄は分ったかとやはり
見下
(
みおろ
)
している。何事とも知らず「
埃及
(
エジプト
)
の
御代
(
みよ
)
しろし召す人の最後ぞ、かくありてこそ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
体の妙に細い角々しい曲線の手先もうでも太さの同じな、かおのほね立った動く時に
埃及
(
エジプト
)
模様の中の人間のようになる人がある。
芽生
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
煙草
(
たばこ
)
の世に行はれしは、
亜米利加
(
アメリカ
)
発見以後の事なり。
埃及
(
エジプト
)
、
亜剌比亜
(
アラビア
)
、
羅馬
(
ロオマ
)
などにも、喫煙の俗ありしと云ふは、
青盲者流
(
せいまうしやりう
)
のひが
言
(
ごと
)
のみ。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
埃及は支那の十分の一にも及ばぬほどの大きさの処で、且つ英仏いずれとも国境が近い。この両国がついに
埃及
(
エジプト
)
の破産に原因して争った。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
地下の探検は自然の毒
瓦斯
(
ガス
)
でやられることがある、
埃及
(
エジプト
)
のツタンカーメン王の墓の発掘で大勢死んだのも、毒
瓦斯
(
ガス
)
のせいらしい
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
後にアラビア人が
埃及
(
エジプト
)
を占領するに及んで、金属の染色だけでは満足せず、卑金を黄金に変化せしめる術を錬金術と呼ぶに至ったのである。
錬金詐欺
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
客 全篇、森厳なレクヰエムだ、古代の
埃及
(
エジプト
)
びとの数種の遺文に与えられた「死者の書」という題名が、ここにも実にいきいきとしている。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
スフィンクスは
埃及
(
エジプト
)
の万有神教から生れたものだけに、人間の鼻の表現の呪い方も森羅万象式で種々雑多に分かれております。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
古代
埃及
(
エジプト
)
の彫像は怪奇を極めているが、超現実的ではない、いかなる怪奇幻怪なるものの裏にも、必ずや厳密なる写実がある。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「筑前、筑前。そんな所をいくら見ていても日本はないぞ。その辺りは、
羅馬
(
ローマ
)
、
西班牙
(
スペイン
)
、また、
埃及
(
エジプト
)
などという国々の
抱
(
だ
)
いておる
内海
(
うちうみ
)
——」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
斯の如きものは即ちイスラヱルの子孫が
埃及
(
エジプト
)
にありてなしたる主に対するつとめなり、この事に就きては吾人之を
出埃及記
(
しゆつエジプトき
)
に
録
(
しる
)
さるゝを読めり。
主のつとめ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
これは猶太民族が
埃及
(
エジプト
)
を出た遠い昔を記念するための年中行事の一つとして、教授の家庭に行はれてゐたことであるとか。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
遥かなる過去の一時期に西は
埃及
(
エジプト
)
から東は米大陸に至るまでの
広汎
(
こうはん
)
な地域を蔽うた共通の「古代文明の存在」を仮定する。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「これらの絵と字を書いた完全なる
埃及
(
エジプト
)
伝来の
紙草
(
パピュルス
)
を創り上げ、しかも……」と博士は傍らの木函の
蓋
(
ふた
)
をどんと叩かれた。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
其他エール大学のウルシー博士が日本の行動を是認したとか
埃及
(
エジプト
)
なるマホメツト教の新聞が我国の態度を賞讃したとか
文明の強売:(断じて不正なり)
(新字旧仮名)
/
大石誠之助
(著)
およそ近世の文学に現れた荒廃の詩情を
味
(
あじわ
)
おうとしたら
埃及
(
エジプト
)
伊太利
(
イタリー
)
に
赴
(
おもむ
)
かずとも現在の東京を歩むほど無残にも
傷
(
いた
)
ましい
思
(
おもい
)
をさせる処はあるまい。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
埃及
(
エジプト
)
のカタコンブから掘出した
死蝋
(
しろう
)
であるのか、
西蔵
(
チベット
)
の
洞窟
(
どうくつ
)
から運び出した
乾酪
(
かんらく
)
の
屍体
(
したい
)
であるのか、永くいのちの息吹きを絶った一つの物質である。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
官衙
(
くわんが
)
の掲示も商店の看板も英仏
埃及
(
エジプト
)
の三語で書かれて居る。清国の革命騒ぎも
此処
(
ここ
)
では
最早
(
もはや
)
問題に成らない代りに伊土の戦争が適切な問題に成つて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
埃及
(
エジプト
)
の大占星家ネクタネブスは、毎年ニイルの氾濫を告げる
双魚座
(
ピスケス
)
を、〓でなしに〓という記号で現わしている。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
博士は
暫時
(
しばらく
)
立っていた。
駱駝
(
らくだ
)
を薦める
埃及
(
エジプト
)
人の、うるさい呼声を聞き流して、暫時そこに立っていた。そして全く日が暮れた時、彼は旅館へ引き返えした。
木乃伊の耳飾
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それから間もなくフランスへ帰ったものと見てよいから巴里の
旧廃兵院
(
デ・ザンウァリート
)
の大円蓋の下、血紅色の
埃及
(
エジプト
)
大理石の墓塋におさめられているナポレオンの心臓は
フランス伯N・B
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
古い文明の歴史は、何も支那だけが持っているとは限らない。印度はどうだ、
埃及
(
エジプト
)
はどうだ。そうしてその国の現状はどうだ。支那は
慄然
(
りつぜん
)
とすべきである。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
古のメンフィスの民が、荘厳なる
埃及
(
エジプト
)
の天地を、ピラミッドとスフィンクスとで飾ったように、清吉は清浄な人間の皮膚を、自分の恋で
彩
(
いろど
)
ろうとするのであった。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
埃及
(
エジプト
)
人が永生の象徴として好んで
甲虫
(
スカラベイ
)
のお守を彫ったように、古代ギリシャ人は美と幸福と平和の象徴として好んでセミの小彫刻を作って装身具などの装飾にした。
蝉の美と造型
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
家並の上にはまた家並がつづき、そして彼等の目ざす塔のように特別に高い何層楼という建物は、今金色の日没をうけて
埃及
(
エジプト
)
の建築物のように高く上空に輝いていた。
見えざる人
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
横浜外人居留地の近くに生れ、又、
其処
(
そこ
)
で成育した事が何よりの理由となって、私は支那人、印度人、時には
埃及
(
エジプト
)
人などとさえ、深い友誼を取り交した経験を持っている。
ラ氏の笛
(新字新仮名)
/
松永延造
(著)
そしてシガレット・ケースから、高価な
埃及
(
エジプト
)
の紙巻煙草を取出して、卓上の灰皿に添えられた
燐寸
(
マッチ
)
を手際よく
擦
(
す
)
ると、青味がかった煙を、支配人の鼻先へフッと吹出した。
二銭銅貨
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
玩具及び人形は単に一時の娯楽品や、好奇心を満足せしむるを
以
(
も
)
ってやむものでない事は、人類最古の文明国たりし
埃及
(
エジプト
)
時代に
已
(
すで
)
に見事なものが存在したのでも知られる。
土俗玩具の話
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
ええええ馬鹿め!
己
(
おれ
)
は馬鹿だったが、此不幸なる
埃及
(
エジプト
)
の百姓(
埃及軍
(
エジプトぐん
)
の服を着けておったが)
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
行儀よく五体が、湯槽の中に蔵められたところは、そぞろに古代
埃及
(
エジプト
)
の
木乃伊
(
みいら
)
を思い起させる。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
先年日本に来られた英国のセイス老教授から自分は聴いた。かつて
埃及
(
エジプト
)
の古跡発掘において、中期王朝の一書役の手録が出てきた。今からざっと四千年前とかのものである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
乃
(
すなわ
)
ち
使
(
つかい
)
を発して兵を徴し、百八十万を得、
将
(
まさ
)
に発せんとしたりと。西暦千三百九十八年は、タメルラン西部
波斯
(
ペルシヤ
)
を征したりしが、
其
(
その
)
冬
(
ふゆ
)
明の太祖及び
埃及
(
エジプト
)
王の死を知りたりと
也
(
なり
)
。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
埃及
(
エジプト
)
の薄浮彫に似ているようでもあれば、生理学の懸図の姿勢に似ているようでもあり、その平凡な謎の如き姿勢が、妙に暗示的な、無気味な、神秘な感じをもって迫るのだった。
凍るアラベスク
(新字新仮名)
/
妹尾アキ夫
(著)
英領
埃及
(
エジプト
)
においてしかり、英領印度においてしかり、英領アフリカ植民地においてもまた同様であった。英国のこれまで他国を奪いとるときに用いた手段は、いつもこれであった。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(船の進むことゆっくりと歩みにも似て、海峡のせまいことはまるで川のようである。
埃及
(
エジプト
)
の山々はいずこにあるのであろうか、平らな砂原がはるかに広がっているのをみるだけである。)
南半球五万哩
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
埃及
(
エジプト
)
に進めば、これまた本国羅馬に優るとも劣らぬ文化があったために、羅馬人はこれらの国を治むるに到底本国と同じ筆法を以てするの不可能なるを察し、始から特別の行政機関を設けて
東西相触れて
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
恐らく三千年来の謎であった
埃及
(
エジプト
)
のスフィンクスが、其体内に埋蔵していた殿堂や、其頭上に穿たれた大きな孔の何であるかを解かれたのを最後として、世に謎の種は尽きたのではあるまいか。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
埃及
(
エジプト
)
と、
羅馬
(
ローマ
)
と、そうしてドラヴィデア王国の星たちが美々しく称神の舞踊をおどりつづけ、塔の根もとには
向日葵
(
ひまわり
)
が
日輪
(
にちりん
)
へ話しかけ、諸国から遊学に来た大学者のむれが天文の書物を背負い
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「
埃及
(
エジプト
)
のピラミッドを登るやうなものだ!」と彼は怒つたやうに云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その日の新聞を開いたときの匂い、初めて見る若い女性に遇うたときの匂い、吸物碗の蓋をとったときの匂い、
埃及
(
エジプト
)
煙草の口を切ったときの匂い、親友から来た手紙の封を破ったときの匂い。……
夜長ノート
(新字新仮名)
/
種田山頭火
(著)
その南のかたに高き石の塔あるは
埃及
(
エジプト
)
の
尖塔
(
ピラミッド
)
にならひて造れりと覚ゆ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
然れども改正案の定むるところのものは
埃及
(
エジプト
)
のごとき立合裁判とは全くの別物にして任免懲戒の権まったくわが手にあれば格別我国の体面を損ずることなくしてまた干渉を蒙るの恐あることなし。
風蕭々
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
否、吾人はこの旨味ある新食品の愈々盛んに我国に輸入せられん事を希望して
息
(
や
)
まざるものなり。古来英国の貴族及び
旅人
(
りよじん
)
は
埃及
(
エジプト
)
に於て鱷を捕へて食する事我国人の熊を捕へて食ふと異る事なし。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
蘇士
(
スエズ
)
から上陸して蒸気車に乗て、
埃及
(
エジプト
)
のカイロ府に
着
(
つい
)
て
二晩
(
ふたばん
)
ばかり泊り、それから地中海に出て、
其処
(
そこ
)
から又船に乗て
仏蘭西
(
フランス
)
の
馬塞耳
(
マルセイユ
)
、ソコデ蒸汽車に乗て
里昂
(
リオン
)
に一泊、
巴里
(
パリ
)
に着て滞在
凡
(
およ
)
そ二十日
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
(出
埃及
(
エジプト
)
二十章三、四、五、申命記十章二十、
馬太
(
マタイ
)
伝四章十)
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
かの煙濃く、かをりよき
埃及
(
エジプト
)
煙草ふかしつつ
呼子と口笛
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“埃及”の意味
《固有名詞》
埃及(エジプト)
(国名)エジプト。
(出典:Wiktionary)
埃
漢検1級
部首:⼟
10画
及
常用漢字
中学
部首:⼜
3画
“埃及”で始まる語句
埃及煙草
埃及諸神譜
埃及人
埃及王
埃及角塔
埃及烟草
埃及柱
埃及産
埃及軍
埃及艀