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其様
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そんな
ふりがな文庫
“
其様
(
そんな
)” の例文
旧字:
其樣
あなたはトルストイの名を
其様
(
そんな
)
に軽いやすっぽいものに思ってお出なのでしょう乎。「吾未だ
義人
(
ぎじん
)
の
裔
(
すえ
)
の物乞いあるくを見し事なし」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
(と笑う。その声も広い沙漠の中で時ならぬ沈黙を破るように聞えた。)
其様
(
そんな
)
なことで、この沙原の遠方が見えると思われるのか……。
日没の幻影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
伊「悔みをいわれちゃ、穴へでも
這入
(
へえ
)
りてえくれえでげすが、それにしてもお前さんこそ何うして
其様
(
そんな
)
お姿におなんなすったんですえ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お春さんもお歌さんも乃公と口を
利
(
き
)
かない。今日はお歌さんは自分で郵便を出しに行った。それ見ろ直ぐに
其様
(
そんな
)
に不便じゃないか。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『これ、お作や。御辞儀しねえかよ。
其様
(
そんな
)
に
他様
(
ひとさま
)
の前で立つてるもんぢや無えぞよ。
奈何
(
どう
)
して
吾家
(
うち
)
の児は
斯
(
か
)
う行儀が
不良
(
わる
)
いだらず——』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
自分は
生来
(
うまれつき
)
外出
(
そとで
)
を好まなかった所へ父母が
其様
(
そんな
)
であるから、少しは意地にもなって、全く人目に触れない女になってしまおう
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
しかも敵兵の介抱が急がしいので、
其様
(
そんな
)
ことあ考へてる
隙
(
ひま
)
もなかつたなんぞと、
憶面
(
おくめん
)
もなくいふ如きに至つては
言語同断
(
ごんごどうだん
)
といはざるを得ん。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何だエ」と伯母は眼を
円
(
まる
)
くし「
其様
(
そんな
)
豪
(
えら
)
い
婦人
(
ひと
)
で、
其様
(
そんな
)
歳
(
とし
)
になるまで、一度もお嫁にならんのかよ——異人てものは妙なことするものだの」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「決して
其様
(
そんな
)
ことはありません。僕はこれまで
彼女
(
あのおんな
)
に会いたいなど夢にも思わなくなりましたが、貴女には会いたいと思っていましたから……」
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
其留守は
何
(
どん
)
なに静で好だろう是からネ
其様
(
そんな
)
時には
逃
(
のが
)
さず手紙を遣るから来てお泊りよ、二階が広々として、エお出なネお出よお出なね、お出よう
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
大きくはなるけれど、まだ一向に
孩児
(
ねんねえ
)
で、垣の
根方
(
ねがた
)
に大きな穴を掘って見たり、下駄を片足
門外
(
もんそと
)
へ
啣
(
くわ
)
え出したり、
其様
(
そんな
)
悪戯
(
いたずら
)
ばかりして喜んでいる。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
『阿母さん、
昨日
(
きのふ
)
校長さんが君ん
家
(
とこ
)
の
阿父
(
おとう
)
さんは京の
街
(
まち
)
で西洋の
薬
(
くすり
)
や酒を売る店を出すんだつて、本当かて聞きましたよ。本当に
其様
(
そんな
)
店を出すの。』
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
しかし
其様
(
そんな
)
事には目もくれずお
蔵
(
くら
)
の役人衆らしいお
侍
(
さむらい
)
は
仔細
(
しさい
)
らしい
顔付
(
かおつき
)
に若党を供につれ道の
真中
(
まんなか
)
を威張って通ると
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
決して私とお寿賀さんとの二人の間に醸された所の
其様
(
そんな
)
恋愛の事なのでは無いので、何う致しまして私などは、いつも気の利いた恋愛からは仲間外れにされる玉の方で
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
狐にばかされているのが
其様
(
そんな
)
に嬉しいかと云わぬばかりに、ぴしゃりと一本見事に見舞っている。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
『何も
其様
(
そんな
)
に!』と清子も泣声で言つて、そして二人は相抱いて
暫
(
しばし
)
泣いた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何アに、
其様
(
そんな
)
に心配した程の事は無えでごす。警官も奴の悪党の事は知つて居るだアで、内々は
道理
(
もつとも
)
だと承知してるでごすが、其処は職掌で、さう手軽く済ませる訳にも行かぬと見えて、それで
彼様
(
あん
)
な事を
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
おめで鯛の焼もの膳『外には何もござりませねど。
皆々
(
みんな
)
あちらでお相伴、まづ召上がれ』とさし出す『あれまあ、それでは恐れいりまする。いつまでも
其様
(
そんな
)
に、お客待遇して戴いては、気が痛んでなりませぬ。それよりは御勝手で、お手伝ひなと致したが』
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
何故、新平民ばかり
其様
(
そんな
)
に
卑
(
いやし
)
められたり
辱
(
はづかし
)
められたりするのであらう。何故、新平民ばかり普通の人間の仲間入が出来ないのであらう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
空井戸の中を覗くと、
真暗
(
まっくら
)
であった。けれど、彼は、その井戸はいつかいろいろのもので埋っていて、
其様
(
そんな
)
に深くないことを知っていた。
過ぎた春の記憶
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
柳「お前さんのような心がけの良い方が、何うしてまア
其様
(
そんな
)
に
不仕合
(
ふしあわせ
)
だろう、お母さんをもう少し生かして置きたかったねえ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
此様
(
こんな
)
小さい者を
其様
(
そんな
)
に
苛
(
いじ
)
めて育てて、若しか
俊坊
(
としぼう
)
の様な事にでもなったら、
如何
(
どう
)
おしだ?
可哀
(
かわい
)
そうじゃないか。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
戯謔
(
じやうだん
)
仰つしやツちや、因まりますゼ、松島さん、
貴下
(
あなた
)
、
其様
(
そんな
)
馬鹿気たこと、何処から聞いておいでになりました」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「行きますよ行きますよ。
其様
(
そんな
)
に
酷
(
ひど
)
い事をしなくたって行きますよ。けれども姉さん、姉さんと森川さんは……」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「成程そうですねェ、
真実
(
ほんと
)
に私は困まッちまッたねエ、五週間! もう
其様
(
そんな
)
になったろうか、」と主人の少女は
嘆息
(
ためいき
)
をして、「それで平岡さんが何とか言って?」
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
露貨は
其様
(
そんな
)
に持たない、仏貨を
交
(
ま
)
ぜたら有るかも知れぬと、云ふと
其
(
それ
)
でも
好
(
い
)
いと云ふ。
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
八十円を出して
仕舞
(
しま
)
ふと、後は途中の食費と小遣が十円も残るや残らずになるのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
自分は三年の後卒業したなら、父と別れて自分一個の新家庭を造り、母を請じて愉快に食事をして見やう……とよく
其様
(
そんな
)
事を考へて居ましたが、あゝ人生夢の如しで、私の卒業する年の冬
一月一日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『兄様……
其様
(
そんな
)
……。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
奥様
(
おくさん
)
、
其様
(
そんな
)
に御心配無く——猪子君は私が御預りしましたから。』と弁護士が引受顔なので、細君も強ひてとは言へなかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と両人は
直
(
すぐ
)
に駈出して小田原迄逃げたと云うが、
其様
(
そんな
)
に逃げなくっても宜しい。此の
武家
(
ぶけ
)
は
莞爾
(
にっこり
)
笑って直其の足で京橋鍛冶町へ参りました。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ああ、
己
(
おれ
)
もあんな時代があったのだ。」……
其様
(
そんな
)
空想に
耽
(
ふけ
)
っていると、日は蔭って、小鳥は囀るのを止めてしまった。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やあ、僕の理想は多角形で光沢があるの、やあ、僕の神経は
錐
(
きり
)
の様に
尖
(
とン
)
がって来たから、是で一つ神秘の門を
突
(
つッ
)
いて見る
積
(
つもり
)
だのと、
其様
(
そんな
)
事ばかり言う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「何をビク/\するんだ」と、主人は吾妻を
一睨
(
いちげい
)
せり「
其様
(
そんな
)
ことで探偵が勤まるか——篠田や社員の奴等に探偵と云ふことを感付かれりや
為
(
し
)
なかろな」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
其様
(
そんな
)
に驚くには当るまい。北極探検から帰って来たのじゃあるまいし。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「大丈夫よ。お父さん、わたしだって
其様
(
そんな
)
向見
(
むこうみ
)
ずな事はしやしないから大丈夫よ。カッフェーに働いていさえすれば誰の世話にならなくっても、毎日会っていられるんだから。いっそ一生涯そうしている方がいいかも知れないのよ。」
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「まア
其様
(
そんな
)
なことを!」
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
由「もし、また豆腐入の玉子焼なぞが出来るので……どうも旦那お茶代を
其様
(
そんな
)
に遣らねえでもようございます、此処ですから」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「兄さん、何を
其様
(
そんな
)
に考えているんです、
何処
(
どこ
)
か悪いんでありませんか。え、兄さん。僕は昨夜不思議な夢を見たから話そうと思って来たんです。」
迷い路
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「相の児だつて言はれたのが
其様
(
そんな
)
に
口惜
(
くや
)
しいの? そんなら
温順
(
おとな
)
しく成さいナ。それ、くすぐつて遣れ——さうめん——にうめん——大根おろし/\。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
賤「
其様
(
そんな
)
に云わずにお前お帰りよ、折角お迎いにお
出
(
いで
)
なすったに誠にお気の毒様、大事な御亭主を引留めてね、さアお帰りよ、手を引かれてよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は、火の気のない火鉢の側に坐って、老婆と向い合って、つらつら
其様
(
そんな
)
ことを思うとこの老婆が憎くなった。
老婆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ナニ、私のことは
其様
(
そんな
)
に心配しなくても
可
(
い
)
いよ。それよりか子供を見て御呉れよ——私はこれから病院へ行きさへすれば可い人だ——
最早
(
もう
)
こゝまで来たんだもの。」
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
女「皆来る方は
其様
(
そんな
)
ことを云いますが、お前さん方は
偶
(
たま
)
に来るからで、朝夕のべつゞけに山を見ると山に
倦々
(
あき/\
)
しますよ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其様
(
そんな
)
家の内の
光景
(
ありさま
)
などを
一々
(
いちいち
)
覗き込んで、町の中程になっている
按摩
(
あんま
)
の家を訪ねた——家は九
尺
(
しゃく
)
二
間
(
けん
)
で
裡
(
なか
)
は真暗である——私は「今晩は。」といって入った。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「もうおねむに成つたんでせう、それで
其様
(
そんな
)
な愚図愚図言ふんでせう。」そこへお節は気が着いて自分の膝を枕にさせて居るうちに、子供は泣じやくりを
吐
(
つ
)
きながら次第に眼を
閉
(
つぶ
)
りかけた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
清「
大丈夫
(
でえじょうぶ
)
だ、あゝゝ魂消た
余
(
あんま
)
り小言を云わねえが
宜
(
え
)
えよ、義理立をして見す/\子を殺すようなことが出来る、もう
其様
(
そんな
)
に心配しねえが宜えよ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若
(
も
)
し
其様
(
そんな
)
時に受持教師がその
傍
(
かたわら
)
を通り合せても、またかといわぬばかりに見ぬ風をしてさっさと行き過ぎてしまう。生徒は益々図にのって、彼をば
虐
(
いじ
)
めるのである。
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「栄ちやん、何を
其様
(
そんな
)
に考へ込んでるんだネ——」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
千「あれをあなた召上れな、人参という物は、なに
其様
(
そんな
)
に飲みにくいものでは有りませんと、少し甘味がありまして」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其様
(
そんな
)
時には白い石筆が
微塵
(
みじん
)
に砕けて散って、破片は窓の硝子を打ったり、ベンチの上に飛び散った。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“其様”で始まる語句
其様事