“鰌:どじょう” の例文
“鰌:どじょう”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花17
中里介山3
野村胡堂3
伊藤左千夫3
三遊亭円朝3
“鰌:どじょう”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究9.1%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸6.5%
芸術・美術 > スポーツ・体育 > 釣魚 遊猟2.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
どじょうの骨抜を皿へとりわけるにも、僕の方には玉子の掛らない処を探して、松五郎の方へばかり沢山玉子の掛った処が往くと
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
三、四町行くとまた一軒の汚い旅人宿、幸いここでは、どじょうの丸煮か何かでようやく昼飯に有付くことが出来た。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
「アハハ。成る程。死んどる死んどる。ウデだこごとなって死んどる。酒で死ぬ奴あどじょうばっかりションガイナと来た」
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どじょうとりのかんてらが、裏の田圃に毎夜八つ九つ出歩くこの頃、蚕は二眠が起きる、農事は日を追うて忙しくなる。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
自然薯でも、田螺たにしでも、どじょうでも、終始他人ひとの山林田畑からとって来ては金にえ、めしに換え、酒に換える。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
いま現に、町や村で、ふなあ、ふなあ、と鼻くたで、因果と、ふなどじょうを売っている、老ぼれがそれである。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青いひげも、白い顔も、べにを塗ったのも、一斉にうたうのはどじょうすくいの安来節やすぎぶしである。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
スパイはいつでもいそうなところにいないことは、柳の下のどじょうと同じことだから、なおさら、われわれは細心に注意しなければなるまい。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
栂の尾から余等は広沢ひろさわの池をて嵐山に往った。広沢の池の水がされて、ふなや、どじょうが泥の中にばた/\して居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「アラアラ大変だ。きいちゃん。どじょうが泳いでるよ。」という黄いろい声につれて下駄の音がしだした。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中には大きいどじょう五、六匹入りて口をふさいであるために、あたかも生きているように動くのである。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
物を食うにもさけでもどじょうでもよい、沢庵たくあんでも菜葉なっぱでもよく、また味噌汁みそしるの実にしてもいもでも大根でもよい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「今年もかね? きみ! いつもいつも柳の下にどじょうはいないよ。いったいどこの工場だね?」
仮装観桜会 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
喜平というのは、村はずれの小屋に住んでいる、五十ばかりのおやじで、雑魚ざこどじょうを捕えては、それを売って、その日その日の口をぬらしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
どじょうか、こいか、ふなか、なまずか、と思うのが、二人とも立って不意に顔を見合わせた目に、歴々ありありと映ると思う、その隙もなかった。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まねき猫、お湯うずめ、蠅追い、スウェーデン式、どじょうすくい、灰掻き、壁塗り
「だが、しゃくにさわる野郎じゃないか。この平次をどじょうと間違えやがって」
姥 皆、うおに。早や泳いでおります。田螺たにしどじょうも見えまする。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道庵先生、この型を行ってみたいのだろうが、そうそう柳の下にどじょうはいまい。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
蜻蛉釣りや、鮒釣りや、どじょうすくいに行くと、いつも仲間より獲物が多かった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
蟹も、〈めだか〉も、源五郎虫も、蛙も、どじょうも、田螺もコーラスに加わった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
それこそ真っ黒々に汚ごしきって、すなわち早速さそくどじょうすくいと来た。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「ああ、なさけない。慈姑とは何事です。おなじ発心をしたにしても、これがどじょうだと引導を渡す処だが、これじゃ、お念仏を唱えるばかりだ。——ああ、お町ちゃん。」
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
甲女「叶屋でどじょう玉子軍雞しゃもも出来ます、醤油味淋もございます」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なまずどじょう、穴子などの店のごちゃごちゃした中に、鮒をかした盤台の前へ立停たちどまって、三傘夫人が、その大きいのを、と指さすと、ばちゃんと刎上るのを
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ええどじょうで無くッてお仕合せ? 鰌とはえ? ……あ、ほンに鰌と云えば、向う横町に出来た鰻屋ね、ちょいとおつですッさ。久し振りだッて、おごらなくッてもいいよ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
川では鮎、鱒、鯉、鮒、ニゴヒ、ハヤ、モロコ、ヤマベ、イハナ、ヤマメ、タナゴ、うなぎなまずどじょう、ハゼ、イナ、などが釣れ、海では、鯛、すずきこち
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
無言のどじょうすくいの足取りが左へ左へと腰をひねって廻ってゆく。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
わたしはあるいは将軍に、あるいは近衛騎兵に、あるいは軽騎兵将校に、時には貴婦人たちに道を譲りながらきわめて見苦しい恰好で、まるでどじょうのようにちょろちょろ泳ぎ廻った。
どじょうふなと時には大きなうなぎが釣れるという事だ。
金魚鉢にどじょうをブチけたぐらいの騒ぎじゃ御座んせん。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
蒟蒻こんにゃくおけに、ふなのバケツが並び、どじょうざるに、天秤を立掛けたままの魚屋の裏羽目からは、あなめあなめ空地の尾花がのぞいている……といった形。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なったんじゃない……葬式ともらいにされたんだ。殺されたんだよ。だから言わない事じゃない、言語道断だ、不埒ふらちだよ。妹をえさに、どじょうが滝登りをしようなんて。」
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どじょうの鼻緒のくだりの雪駄で駈けて来まして、前へのめる途端に八右衞門の肋骨あばらぼねの男が頭を打付ぶっつけましたから、八右衞門は驚いたのなんのと申しまして
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大きなばんが沼のどじょうねらっている形である。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一同は喜んで明日はどじょうを買ってやりましょうと言った。
鴨の喜劇 (新字新仮名) / 魯迅(著)
釣ってるのは鯉だけれど、どこのか田畝のどじょうだろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三味線さみせん弾きて折々わがかどきたるもの、溝川にどじょうを捕うるもの、附木つけぎ、草履などひさぎに来るものだちは、皆この児どもが母なり、父なり、祖母などなり。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さあ、つて御覧よ。……どじょうすくひさ。」
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
鍋の中で、ビチビチ撥ね疲れたどじょうだった。
労働者の居ない船 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
……どじょうを串にしたのだそうだが、蒲焼かばやきなど、ひとつずつ、ただその小さな看板にだけ、売名うりな呼名をかいて、ほんのりと赤で灯が入っていて、その灯に、草の白露が、ほろほろと浮く。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我事とどじょうの逃げし根芹ねぜりかな 丈草
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
どじょうが時々プクプク浮いてあわを吹く。
水籠 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
どじょうが居たらおさえたそうに見える。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さぎがどじょうをふむようなふうをして。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
彼が小川の側に坐って、幼い時のことを回想した。めだかを瓶の中に飼うたり、田螺たにしを釣ったりした六つ七つの時が恋しい。どじょうが土の底から首を出した。源五郎虫が水の中でキリキリ舞いをしている。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
盲目めくら滅法にパクついたのでは、タスカローラの深海魚のスチューも、裏の溝川どぶがわどじょうの柳川鍋もあまり変りがなく、喰う方も喰わせる方も、まことに張合はりあいの無いことであります。
「土左衛門の臓腑ぞうふを烏がついばむところがあるんだ。土左衛門は人形だが、烏は真物ほんもので、種を聞くと、桶へ入れてこもの間に隠しておく、どじょうをついばむんだってね、そりゃ凄いぜ親分」
向うの溝からどじょうにょろり、こちらの溝から鰌にょろり、と饒舌しゃべるのは、けだしこの水溜みずたまりからはじまった事であろう、と夏の夜店へ行帰ゆきかえりに、織次はひとりでそう考えたもので。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ねい伯父さん何か上げたくもあり、そばに居て話したくもありで、何だか自分が自分でないようだ、蕎麦そば饂飩うどんでもねいし、どじょうの卵とじ位ではと思っても、ほんに伯父さん何にも上げるもんがねいです」
姪子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
柳の下には必ずどじょうがいる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さればかわらかまどの、むねよりも高いのがあり、ぬしの知れぬみやもあり、無縁になった墓地もあり、しきりに落ちる椿つばきもあり、田にはおおきどじょうもある。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
淫祀いんし祈祷の弊害につきて一、二の例を挙げんに、『修身書』に祈祷者の徳利の中にどじょうを入れたる話が出でておったが、これに類したる話が『怪談弁妄録かいだんべんもうろく』と申す書物の中に見えておる。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
先年上野の動物園で鶴が雛をかえしたときも雌雄の親鳥がていねいにこれを養い育て、初めはどじょうを小さく切って食わせ、次には鰌を水中におよがせてはこれを捕える練習をなさしめ、雛の翼が少しく発達してからは
生物学より見たる教育 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
それやあ、秋繭あきまゆの時ゃあよかったさあ。だが、いつも柳の下にどじょうはいねえってやつだ。百貫目もかついで行った荷が、今度あ二束三文どころか、何処の異人いじんめも、値もつけやがらねえんだ。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうせ東京の魚だもの、誰のを買ったって新鮮あたらしいのは無い。たまに盤台の中でねてると思や、うじうごくか、そうでなければ比目魚ひらめの下に、手品のどじょうが泳いでるんだと、母様がそう云ったっけ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
竜之助は、この田圃道を通って見ると、その垣根のところに黒い人影がある——夏の夕ぐれはよく百姓たちが田の水を切ったり、または漁具を伏せて置いてうなぎどじょうなどを捕るのであるから、大方そんなものだろうと思うと、その人影は
どじょう釣り、うなぎの夜釣りなどもちよつとよいが、面白いのは鯰釣り、長竿で太糸で、大鉤へ蛙をつけて、夕暮の沼や川の藻の中を、ぽかんぽかんと叩く、すると貪婪な鯰がガバと来る、一名ポカン釣りといつて滑稽な釣りの一課目である。
夏と魚 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
たとえば用水が畔へ開き、田が一面の湖となる、雨上あまあがりの広田圃ひろたんぼを見るような、ふなどじょうの洪水めいたが、そのじめじめとして、陰気な、湿っぽい、ぬるぬるした、不気味さは、大河おおかわ出水でみずすごいにまさる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
沼の田螺(マルタニシと称する普通の種類也)も大きいが、どじょうなども八寸以上のものがよく獲れるそうである、沼尻川でいつか捕えたふなは、鮒とはいえない程余りに大きかったので、これこそ主とでもいうきものと如何にも気味わるく、再び河に放してしまったという。
尾瀬雑談 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
喜「上っても上らなくってもい、どじょうの抜きを、大急ぎで然う云って来や、冷飯草履を穿いてけ殿様あれは年は二十三ですが、器量がうございましょう、幾ら器量が好くたって了簡が悪くっちゃア仕様がえが、良い了簡でわっちを可愛がりますよ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
くされたというは心持で、何ですか、水にむもののような気がするし、森の香の、時々峰からおろす松風と一所に通って来るのも、水神、山の神に魅入られたのかも分らない。ええ、因果と業。不具かたわでも、虫でもいい。とんびからすでも、ふなどじょうでも構わない。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大概は綿に付いて出て来ます。誰でもそうして出した方が後の危険がありません。飯粒や生玉子と一緒に呑込めば済むと思う人がありますけれども、鯛の骨やかれいの骨やどじょうの骨なぞは腹の中で色々な害をして悪くすると盲腸炎を引起します。盲腸の皮の薄い処へその骨が刺さってはまりません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「じゃがお前、東京と代が替って、こちとらはまるで死んだ江戸のお位牌いはいの姿じゃわ、羅宇らお屋の方はまだけたのが出来たけれど、もう貍穴まみあなの狸、梅暮里のどじょうなどと同一ひとつじゃて。その癖職人絵合せの一枚ずりにゃ、烏帽子素袍えぼしすおうを着て出ようというのじゃ。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして、ぶるぶると硬ばった全身に、虚勢を張って「うぬか、一昨年おととしの泥棒は。味をしめて、また来たのだろうが、そうは、いつも柳の下に、どじょうはいねえぞ。このすぐ前に、新しく、自身番が出来たのを知らねえか。一文でもこの金に、手をつけてみやがれ、大声で、番太を呼んで、ふん縛ってくれるから」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——神職様かんぬしさま小鮒こぶなどじょうに腹がくちい、貝も小蟹こがにも欲しゅう思わんでございましゅから、白い浪の打ちかえす磯端いそばたを、八よう蓮華れんげに気取り、背後うしろ屏風巌びょうぶいわを、舟後光ふなごこうに真似て、円座して……翁様おきなさま、御存じでございましょ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こう見えてもわたしゃ、真似と坊主は大嫌いさ。今までだってごらんなさい、そう申しちゃなんですけれども、人の先に立てばといって、後を追うような真似は決して致しませんからね。よその人気の尻馬しりうまに乗って人真似をして、柳の下のどじょうねらうような真似は、お角さんには金輪際こんりんざいできないのですよ。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
という中にも、随分気のたしかな女、むずかしく謂えば意志が強いというたちで、泣かないがあおくなる風だったそうだから、辛抱はするようなものの、手元がつまるに従うて謂うまじき無心の一つもいうようになると、さあどじょうにげる、うなぎすべる、お玉杓子たまじゃくし吃驚びっくりする。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)