“鰌髭”の読み方と例文
読み方割合
どじょうひげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
官吏らしい鰌髭どじょうひげの紳士が庇髪ひさしがみの若い細君をれて、神楽坂かぐらざかに散歩に出懸けるのにも幾組か邂逅でっくわした。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
と一人めにして、その上に、新妻にいづまを後妻になれ、後妻にする、後妻の気でおれ、といけ洒亜々々しゃあしゃあとして、髪を光らしながら、鰌髭どじょうひげの生えた口で言うのは何事でしょうね。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鰌髭どじょうひげをはやし、不潔な陋屋の臭いが肉体にしみこんでいる。垢に汚れた老人だ。通訳が、何か、朝鮮語で云って、手を動かした。腰掛に坐れと云っていることが傍にいる彼に分った。
(新字新仮名) / 黒島伝治(著)