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首肯
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うなづ
ふりがな文庫
“
首肯
(
うなづ
)” の例文
芝居として、舞台の上で見ては、変化があつて綺麗であるかも知れないが、根本的に人を
首肯
(
うなづ
)
かせるやうなまことの処がない。
社会と自己
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
水聲は中々激しくて、川といはうよりは瀧といつた方が好い位であり、成程「瀧」といふ地名も名詮自性であると
首肯
(
うなづ
)
かせた。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
蜀黍粒
(
もろこしつぶ
)
落
(
おつこ
)
つてあんすぞ、さうすつと
此處
(
ここ
)
へ
引
(
ひ
)
つ
懸
(
か
)
けたの
又
(
また
)
何處
(
どこ
)
へか
持
(
も
)
つてつちやつたな」
被害者
(
ひがいしや
)
はいつた。
巡査
(
じゆんさ
)
は
首肯
(
うなづ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「実に
御辞
(
おことば
)
の通りです」と篠田は
首肯
(
うなづ
)
き「けれど
老女
(
おば
)
さん、真実我を支配する婦人の在ることは、
男児
(
をとこ
)
に取つて無上の歓楽では無いでせうか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
まはつてゆく。權三は何かさゝやけば、おかんは
首肯
(
うなづ
)
いて、再び下のかたより自分の家のうしろへ廻つてゆく。權三は助十の家の縁に腰をかける。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
玉依姫様
(
たまよりひめさま
)
は一々
首肯
(
うなづ
)
きながら
私
(
わたくし
)
の
物語
(
ものがたり
)
に
熱心
(
ねっしん
)
に
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けてくだされ、
最後
(
さいご
)
に
私
(
わたくし
)
が
独
(
ひと
)
りさびしく
無念
(
むねん
)
の
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れながら
若
(
わか
)
くて
歿
(
なくな
)
ったことを
申上
(
もうしあ
)
げますと
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
○
孰
(
たれ
)
か
我邦
(
わがくに
)
の現状に見て、金は一切の清めなりといへる
諺
(
ことわざ
)
の、遂に奪ふまじき大原理たるに
首肯
(
うなづ
)
かざらんや。近世最も驚くべきは、科学の進みなりとぞ。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
お末はおとなしく
首肯
(
うなづ
)
いた。医師はやがてお末の額に手をあてゝしげ/\と患者を見て居たが鶴吉を見返つて
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
「又都合して
宅
(
うち
)
へ
来
(
き
)
ませんか」と云つた。三千代はえゝと
首肯
(
うなづ
)
いて微笑した。代助は身を
切
(
き
)
られる程
酷
(
つら
)
かつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
本郷臺を
指
(
サス
)
ヶ
谷
(
ヤ
)
かけて下りける時、丸山新町と云へるを通りたることありしが、一葉女史がかゝる町の中に住まむとは、告ぐる人三たりありて吾等
辛
(
やうや
)
く
首肯
(
うなづ
)
きぬ。
一葉女史の「たけくらべ」を読みて
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
彼は感心したやうに
首肯
(
うなづ
)
いて警部の話を聞いてゐたが、だん/\と、この男がやはり、自分のことをもその鐵の鎖で縛つた氣で居るのではないか知らといふ氣がされて來て
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
太古の文芸がこの水の
漂
(
たゞよ
)
ふ岸辺から発生した歴史から、美しい
女神
(
によしん
)
ベヌスが紫の波より
産
(
うま
)
れ
出
(
いで
)
たと伝ふ其れ等の神話までが、如何にも自然で、決して無理でないと
首肯
(
うなづ
)
かれる。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この大規模な設計は如何にも後藤新平氏の総裁時代に出来ただけの事はあると
首肯
(
うなづ
)
かれる。其れに続いて支那側の作つた広大な商埠地が同じく繁華な欧風都市を現はしてゐる。
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『えゝ』と自分は
首肯
(
うなづ
)
いた。それを見ると母は急に起上つて来て自分の手を堅く握りしめて、泣きながら『ありがたう。順吉、ありがたう』と云つて自分の胸の所で幾度か頭を下げた。
志賀直哉氏の作品
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
女漁
(
をんなあさ
)
りの猛烈さが、必ずしも扇屋の金力ばかりではなかつたと
首肯
(
うなづ
)
かせます。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三木は思はず
首肯
(
うなづ
)
いた。まさに、そのとほりだつたのである。
火の鳥
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
其兩眼
(
そのりやうがん
)
が
現
(
あら
)
はれるのを
待
(
ま
)
つて、
首肯
(
うなづ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
野田は大きく
首肯
(
うなづ
)
いた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
私は
首肯
(
うなづ
)
いた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
さうして
刺
(
とげ
)
の
生
(
は
)
えた
野茨
(
のばら
)
さへ
白
(
しろ
)
い
衣
(
ころも
)
を
飾
(
かざ
)
つて
快
(
こゝろ
)
よいひた/\と
抱
(
だ
)
き
合
(
あふ
)
ては
互
(
たがひ
)
に
首肯
(
うなづ
)
きながら
竭
(
つ
)
きない
思
(
おもひ
)
を
私語
(
さゝや
)
いて
居
(
ゐ
)
るのに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「御用で忙がしいところを氣の毒だが、少しお前に聞いて貰ひたいことがあるんだが……。」と、をぢさんは左右を見まはすと、半七は快く
首肯
(
うなづ
)
いた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ほんとにねエ、
在
(
いら
)
しつたからとて、
是
(
こ
)
れと云ふ別段のことあるでも無いのだけれど」と、兼吉の老母も
首肯
(
うなづ
)
きつ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
御米
(
およね
)
は
産後
(
さんご
)
の
蓐中
(
じよくちゆう
)
に
其
(
その
)
始末
(
しまつ
)
を
聞
(
き
)
いて、たゞ
輕
(
かる
)
く
首肯
(
うなづ
)
いたぎり
何
(
なん
)
にも
云
(
い
)
はなかつた。さうして、
疲勞
(
ひらう
)
に
少
(
すこ
)
し
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んだ
眼
(
め
)
を
霑
(
うる
)
ませて、
長
(
なが
)
い
睫毛
(
まつげ
)
をしきりに
動
(
うご
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなことを
言
(
い
)
っている
中
(
うち
)
にも、
何
(
なに
)
やら
通信
(
つうしん
)
があるらしく、お
爺
(
じい
)
さんはしきりに
首肯
(
うなづ
)
いて
居
(
お
)
られます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
御米
(
およね
)
はそんな
消息
(
せうそく
)
を
全
(
まつた
)
く
知
(
し
)
らなかつた。
小六
(
ころく
)
から
詳
(
くは
)
しい
説明
(
せつめい
)
を
聞
(
き
)
いて、
始
(
はじ
)
めて
成程
(
なるほど
)
と
首肯
(
うなづ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
カンテラの
光
(
ひかり
)
は
樅
(
もみ
)
の
木陰
(
こかげ
)
の
何處
(
いづこ
)
からでも
明瞭
(
はつきり
)
と
勘次
(
かんじ
)
の
容子
(
ようす
)
を
目
(
め
)
に
立
(
た
)
たせる
樣
(
やう
)
にぼう/\と
油煙
(
ゆえん
)
を
立
(
た
)
てながら、
周圍
(
しうゐ
)
の
眼
(
まなこ
)
と
首肯
(
うなづ
)
き
合
(
あ
)
うて
赤
(
あか
)
い
舌
(
した
)
をべろべろと
吐
(
は
)
きつゝゆらめいた
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
(外記笑ひながら
首肯
(
うなづ
)
く。綾衣と綾鶴は駕籠に乘りてゆく。雨の音しめやかに、櫻の花はら/\と散りかゝる。外記は傘をさして見送る。綾衣は駕籠の
垂簾
(
たれ
)
をあげて、見返る。)
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
銀子は
暫
(
し
)
ばし思案に暮れしが、独り心に
首肯
(
うなづ
)
きつ「——梅子さん、私知つてますよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「
此花
(
このはな
)
は
何
(
ど
)
うしたんです。
買
(
かつ
)
て
来
(
き
)
たんですか」と
聞
(
き
)
いた。三千代は
黙
(
だま
)
つて
首肯
(
うなづ
)
いた。さうして
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(お米の顏を見る。お米はやうやく
首肯
(
うなづ
)
く。)
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三四郎は
此所
(
こゝ
)
で木戸を開けた。庭の真中に立つてゐた会話の主は
二人
(
ふたり
)
とも
此方
(
こつち
)
を見た。野々宮はたゞ「やあ」と平凡に云つて、
頭
(
あたま
)
を
首肯
(
うなづ
)
かせた丈である。
頭
(
あたま
)
に新らしい茶の中折帽を被つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(
澁々
(
しぶ/\
)
ながら
首肯
(
うなづ
)
く。)
能因法師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三四郎は思はず
首肯
(
うなづ
)
いた。女の影は右へ切れて白い壁の
中
(
なか
)
へ隠れた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
父
(
ちゝ
)
の機嫌を取り
戻
(
もど
)
すには、今度の結婚を断るにしても、あらゆる結婚に反対してはならなかつた。あらゆる結婚に反対しても、
父
(
ちゝ
)
を
首肯
(
うなづ
)
かせるに足る程の理由を、明白に述べなければならなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
肯
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
“首肯”で始まる語句
首肯点頭