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金目
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かねめ
ふりがな文庫
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金目
(
かねめ
)” の例文
文字通りこの上なしの
金目
(
かねめ
)
の朝飯が出ているのに、その
金目
(
かねめ
)
のためにこそ、却ってそれがなんにもならないものになっているのです。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
だが総体に交際は派手で、
虚栄
(
きょえい
)
的で、お祭りとか葬式とかの時にはできるだけ
金目
(
かねめ
)
のかかった衣裳をつけて出るのが女の習慣だった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「そうして小僧さん、お前はお化けや狼の出るという山の傍で、
鮪
(
まぐろ
)
や鯨より大きな
金目
(
かねめ
)
のものを持っていて、それで
怖
(
こわ
)
くはないのかい」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
蒔繪
(
まきゑ
)
ではあるが、たゞ
黒地
(
くろぢ
)
に
龜甲形
(
きつかふがた
)
を
金
(
きん
)
で
置
(
お
)
いた
丈
(
だけ
)
の
事
(
こと
)
で、
別
(
べつ
)
に
大
(
たい
)
して
金目
(
かねめ
)
の
物
(
もの
)
とも
思
(
おも
)
へなかつた。
御米
(
およね
)
は
唐棧
(
たうざん
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
を
出
(
だ
)
してそれを
包
(
くる
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先頃も、同じようなハメになって、お蝶は父二官の合鍵を盗み、父が管理している切支丹屋敷の土蔵から、
金目
(
かねめ
)
の品物を持ちだして龍平に渡している。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
甚「オイ兄い、
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
く、人に相談もしねえで、
無暗
(
むやみ
)
に驚いて逃出しやアがる、此の
金目
(
かねめ
)
のある物を知らずに」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
吐
(
つき
)
那
(
あ
)
の一口は大小ばかり賣拂ひても金五十兩程になるべし
其外
(
そのほか
)
小袖
(
こそで
)
合羽
(
かつぱ
)
の類まで彼是六十兩餘の
金目
(
かねめ
)
の品々を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
金目
(
かねめ
)
のものは、いっさいがっさい、ほんとうに引っ越しのようにぬすんでいくつもりにちがいありません。
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
どんな所にいても大事な
金目
(
かねめ
)
なものをくだらないものと一緒にほうり出しておくのが葉子の癖だった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
すると、親戚としてではなく客として迎えられた——がもとよりその晩餐には、儀式ばった接待以外の
金目
(
かねめ
)
はかけられていなかった。子供たちはその
従兄姉
(
いとこ
)
らに会った。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
折皮の
鞄
(
かばん
)
がある。女持ちの装身具や手提げがある。それがみな、相当に
金目
(
かねめ
)
のものばかりだ。
五階の窓:03 合作の三
(新字新仮名)
/
森下雨村
(著)
家主は、家の中を、じろじろ見回していましたが、
金目
(
かねめ
)
の品物は何一つないのを知ると、らんぼうにも、子供たちがくるまっていた一枚の布団をひったくってしまいました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
頼
(
たの
)
むところはなし、どうすることもできなく、
猟師
(
りょうし
)
は
自分
(
じぶん
)
のだいじな
鉄砲
(
てっぽう
)
を
売
(
う
)
ろうと
決心
(
けっしん
)
しました。なぜならほかに、
売
(
う
)
るような
金目
(
かねめ
)
の
品物
(
しなもの
)
は、なんにもなかったからです。
猟師と薬屋の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ペナンから
印度
(
インド
)
人の
甲板旅客
(
デツキ・パツセンヂヤア
)
が殖えた。稼ぎ
儲
(
た
)
めて帰る労働者だが、細君や娘は耳、鼻、首、腕、手足の指まで
黄金
(
きん
)
づくめ宝石づくめの装飾で
燦燦
(
きらきら
)
して居る。大した
金目
(
かねめ
)
だ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
いったん持出しては見たものの兜などはどうにもなりそうもないので、何か他の
金目
(
かねめ
)
のありそうな物だけを抱え去って、重い兜はそのまま門前に捨てて行ったのではあるまいか。
兜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
綾や絹は
愚
(
おろか
)
な事、珠玉とか
砂金
(
さきん
)
とか云う
金目
(
かねめ
)
の物が、
皮匣
(
かわご
)
に幾つともなく、並べてあると云うじゃございませぬか。これにはああ云う気丈な娘でも、思わず
肚胸
(
とむね
)
をついたそうでございます。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
金目
(
かねめ
)
のものではあるまいけれども、
紅糸
(
べにいと
)
で底を
結
(
ゆわ
)
えた
手遊
(
おもちゃ
)
の
猪口
(
ちょく
)
や、
金米糖
(
こんぺいとう
)
の
壷
(
つぼ
)
一つも、馬で
抱
(
だ
)
き、
駕籠
(
かご
)
で
抱
(
かか
)
えて、長い旅路を江戸から持って行ったと思えば、
千代紙
(
ちよがみ
)
の小箱に入った
南京砂
(
なんきんずな
)
も
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
會毎
(
くわいごと
)
に
三人
(
さんにん
)
は
相談
(
さうだん
)
して
必
(
かなら
)
ず
月
(
つき
)
に
一度
(
いちど
)
の
贈品
(
ぞうひん
)
を
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
に
送
(
おく
)
る、それが
必
(
かなら
)
ずしも
立派
(
りつぱ
)
な
物
(
もの
)
ばかりではない、
筆墨
(
ひつぼく
)
の
類
(
るゐ
)
、
書籍
(
しよせき
)
圖畫
(
づぐわ
)
の
類
(
るゐ
)
などで、オルガン
一臺
(
いちだい
)
を
寄送
(
きそう
)
したのが
一番
(
いちばん
)
金目
(
かねめ
)
の
物
(
もの
)
であつた。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
小松屋、そこで頼みがある。あすかないしはあさって頃、船脚が遅くて小さな船で、そうして
金目
(
かねめ
)
を積み込んでいる、つまり海賊に襲われそうな船が、どこかの問屋から出はしないか、そいつを
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あの人たちは、あれでなかなか
金目
(
かねめ
)
のものを挿していますよ。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「いゝ竿だ、大分
金目
(
かねめ
)
の掛つた
拵
(
こしら
)
へだぞ……」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「何か
金目
(
かねめ
)
のものでも持ってるのか。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その大小が
金目
(
かねめ
)
と睨んだのだ、たかの知れたお前たちの小遣銭なんぞに目はくれねえ。よ、痛い目をしねえうちに投げ出しちめえねえ。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(官庫へおいで、官庫へおいで、切支丹屋敷のある
庫
(
くら
)
を
開
(
あ
)
ければ、無限に
金目
(
かねめ
)
な物があるじゃないか、そこはお前もよく勝手を知っている場所じゃないか)
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金側
(
きんがわ
)
懐中時計(
金鎖
(
きんぐさり
)
共)一番
金目
(
かねめ
)
なのは、室の中央の丸テーブルの上にあった、金製の煙草セット(煙草入れと灰皿
丈
(
だ
)
けで、盆は残っていた。盆は
赤銅
(
しゃくどう
)
製である)
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ものの解ったね。去年
御新造
(
ごしんぞ
)
が死んじまって、今じゃ道具ばかり
捻
(
ひね
)
くってるんだが——何でも素晴らしいものが、有るてえますよ。売ったらよっぽどな
金目
(
かねめ
)
だろうって話さ
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
仏具のなかでも
金目
(
かねめ
)
になりそうな物を手あたり次第にぬすみ取り、風呂敷につつんで背負い出そうとしたが、それでもまだ飽き足らないで、仏前にそなえてある餅や菓子を食い、水を飲んだ。
半七捕物帳:21 蝶合戦
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして、その
国
(
くに
)
の
人
(
ひと
)
たちは、
島
(
しま
)
の
人々
(
ひとびと
)
のように、しんせつではありませんでした。三
人
(
にん
)
は、さっそく
金
(
かね
)
に
困
(
こま
)
ったのでした。
身
(
み
)
につけているもので、
売
(
う
)
って
金目
(
かねめ
)
になるようなものはなにもありません。
南方物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「えらい! よく届いた。葛籠の中には女物で
金目
(
かねめ
)
の物が入ってる、そうしてみると、いよいよわからなくなる」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すくなからぬ
金目
(
かねめ
)
の品物が、まま妙な箱や、聖像の銅板や、きたない
襤褸
(
ぼろ
)
の間などから転げて出る。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道具類
(
だうぐるゐ
)
も
積
(
せき
)
ばかり
取
(
と
)
つて、
金目
(
かねめ
)
にならないものは、
悉
(
こと/″\
)
く
賣
(
う
)
り
拂
(
はら
)
つたが、五六
幅
(
ぷく
)
の
掛物
(
かけもの
)
と十二三
點
(
てん
)
の
骨董品丈
(
こつとうひんだけ
)
は、
矢張
(
やは
)
り
氣長
(
きなが
)
に
欲
(
ほ
)
しがる
人
(
ひと
)
を
探
(
さが
)
さないと
損
(
そん
)
だと
云
(
い
)
ふ
叔父
(
をぢ
)
の
意見
(
いけん
)
に
同意
(
どうい
)
して
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あのね、あんまり立入ったことだけれども、お前なにか
金目
(
かねめ
)
の物を持っていやしないかね、売るとか質に入れるとかして、
纏
(
まと
)
まったお金の手に入るようなものを」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なにか
金目
(
かねめ
)
な
宝物
(
ほうもつ
)
でもないかと、しきりにあっちこっちを荒らしていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それからお前、
櫛
(
くし
)
だの
簪
(
かんざし
)
だの、足袋から下駄まで、そっくり
拵
(
こしら
)
えてくれたのだよ。なかなか
金目
(
かねめ
)
のもので、わたしたちが二年と三年
稼
(
かせ
)
いだからって、これだけのものは出来やしない」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
頭領
(
かしら
)
、思いがけなく、
金目
(
かねめ
)
なものがありましたぜ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“金目”で始まる語句
金目垣
金目銀目
金目貫
金目黐
金目黐垣