“皮匣”の読み方と例文
読み方割合
かわご100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで、逃げ場をさがす気で、急いで戸口の方へ引返そうと致しますと、誰だか、皮匣かわごうしろから、しわがれた声で呼びとめました。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここでそのまま、逃げ出してしまえば、何事もなかったのでございますが、ふと今朝けさ貰った綾と絹との事を思い出したので、それを取りに、またそっと皮匣かわごの所まで帰って参りました。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
綾や絹はおろかな事、珠玉とか砂金さきんとか云う金目かねめの物が、皮匣かわごに幾つともなく、並べてあると云うじゃございませぬか。これにはああ云う気丈な娘でも、思わず肚胸とむねをついたそうでございます。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)