貴樣きさま)” の例文
新字:貴様
大和尚だいおしよう大笑おほわらひにわらひすてゝ、だまつてろ、だまつてろ、貴樣きさまなどがらぬことだわとて丸々まる/\相手あいてにしてはれず、朝念佛あさねんぶつ夕勘定ゆふかんぢよう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「へつ、弱蟲よわむし! そんなら貴樣きさまらには、なにができる。命知いのちしらず!」そしてかたをそびやかして睨視にらめつけました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
貴樣きさま等は書物のむしに成つてはならぬぞ。春日かすがは至つてちよくな人で、從つて平生もげんな人である。貴樣等修業に丁度ちやうど宜しい。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
見て長八貴樣きさまいづれへ行しやどうもらひはありしかと云ば否先生御戯談所では御座りませんじつ大變たいへんが出來ましたといふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
椅子いすつてい。貴樣きさまつてれ。』と、かれ格子越かうしごし書留かきとめ手紙てがみかれ差出さしだしてゐる農婦のうふ怒鳴どなつける。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
火葬くわさうに爲て呉ろとしきりに頼みしかども私しは後々のち/\の事を恐敷おそろしくと申して斷りしに重四郎は承知せず貴樣きさまに難儀をかけぬ樣に取計とりはからひ方も有から是非々々頼むと申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまだからそんなくちもきけるんだ。あまつちよめ!……貴樣きさまはなだつた時分じぶんときたらな……どうだい、あの吝嗇けちくせえちつぽけな、えてなくなりさうなはながさ。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
みねなかかせし今朝けさとはかはりてちゝかほいろいかにとばかり、折々をり/\やる尻目しりめおそろし、ちゝしづかに金庫きんこちしがやがて五十ゑんたば一つて、これは貴樣きさまるではなし
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
勿論もちろん不埒ふらちですとも。』アンドレイ、エヒミチはイワン、デミトリチの加勢かせいとみちからて、つよくなり。『おれようるのだ! るのだ! 貴樣きさまなん權利けんりる! せとつたらせ!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
先方にも貴樣きさまは傳吉ならずやと云ふに久々ひさ/″\にて御目にかゝりたり何の御用にてとたづねければ源次郎は大いに急込せきこみたる樣子にて然ば貴樣が三浦やのいとまを取し後空蝉うつせみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うむ、そんなら貴樣きさまがこないだ途中とちうで、南京米なんきんまいをぬきつたのを巡査じゆんさげるがいいかとふんです
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
總領そうりようのるたまがころがるとはらぬか、やがてきあげて貴樣きさまたちに正月しやうぐわつをさせるぞと、伊皿子いさらごあたりの貧乏人びんぼうにんよろこばして、大晦日おほみそかてに大呑おほのみの塲處ばしよもさだめぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いか、貴樣きさまあたまたゝるぞ! 人殺奴ひとごろしめ!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
貴樣きさまずばどちみちおなことをしくもない九しやくけんれが小僧こぞうれてやう、さうならば十ぶん我鳴がなたて都合つがうもよからう、さあ貴樣きさまくか、れがようかとはげしくはれて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まだゑんづかぬいもとどもが不憫ふびんあね良人おつとかほにもかゝる、此山村このやまむら代〻だい/\堅氣かたぎぱう正直しようじき律義りちぎ眞向まつかうにして、風説うわさてられたことはづを、天魔てんまうまれがはりか貴樣きさまといふ惡者わる出來でき
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)