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突
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つつ
ふりがな文庫
“
突
(
つつ
)” の例文
筆がしらでも
中軸
(
なかじく
)
でも一味についた連名の、昼鳶がお尻を
突
(
つつ
)
く、駿河台の水車、水からくりの姉さんが、ここにも一人と、飛込もうか。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、
花簪
(
はなかんざし
)
が傾いたり、だらりの帯が動いたり、
舞扇
(
まひあふぎ
)
が光つたりして、
甚
(
はなはだ
)
綺麗
(
きれい
)
だつたから、
鴨
(
かも
)
ロオスを
突
(
つつ
)
つきながら、面白がて眺めてゐた。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ワアワアワアワアと
蜂
(
はち
)
の巣を
突
(
つつ
)
いたような騒ぎの
中
(
うち
)
に、船は
忽
(
たちま
)
ちゴースタンして七千
噸
(
トン
)
の惰力をヤット
喰止
(
くいと
)
めながら沖へ離れた。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
『来ないのは来ないでせうなア。』と、校長は
独語
(
ひとりごと
)
の様に意味のないことを言つて、
卓
(
つくゑ
)
の上の
手焙
(
てあぶり
)
の火を、煙管で
突
(
つつ
)
いてゐる。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
家鴨
(
あひる
)
の
嘴
(
くちばし
)
で
突
(
つつ
)
かれたり、
牝鶏
(
めんどり
)
の
羽
(
はね
)
でぶたれたり、
鳥番
(
とりばん
)
の
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
に
追
(
お
)
いかけられるなんかより、どんなにいいかしれやしない。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
漁史は、錨綱を繰り放つ役、船頭は
戕牁
(
かし
)
突
(
つつ
)
く役にて、前々夜、
夫
(
か
)
のお茶屋
釣聖
(
ちょうせい
)
のかかりという、
切
(
きり
)
っぷの大巻きに
鈎尖
(
はりさき
)
の漂う加減に舟を停めぬ。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
いつも黙って、ベンチの片隅に腰をかけていると他の生徒が
後方
(
うしろ
)
から来て、耳を引ぱったり、脊中を
突
(
つつ
)
いたり、しまいには頭を叩いて逃げるような
悪戯
(
いたずら
)
をする。
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この機密書類のホンの一部分を公開しただけでも、天下は驚倒して蜂の巣を
突
(
つつ
)
いたように騒ぎ出すだろう。
女記者の役割
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
忽
(
たちま
)
ち米艦隊の真上には、
蜜蜂
(
みつばち
)
の巣を
突
(
つつ
)
いたように、二千台の戦闘、偵察、攻撃、爆撃のあらゆる種類を集めた飛行機が一斉に飛び上った。天日は俄かに暗くなった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
靴の先でチョイチョイ
突
(
つつ
)
いていたが、二人が目を見合せて、「こりゃ変だぞ、」という表情になったかと思うと、その一人が馬鹿に勇敢に、いきなりバケツの中へ手を突込むと、その生腕を
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
突
(
つつ
)
かれ出すと参木には酔いがだんだん廻って来た。彼はいった。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
あの中が
皆
(
みんな
)
謡本さ、
可恐
(
おそろし
)
い。……その他一同、
十重二十重
(
とえはたえ
)
に取囲んで、ここを一つ、と節を
突
(
つつ
)
いて、浮かれて謡出すのさえあるんです。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女は
吾妻
(
あづま
)
下駄を
突
(
つつ
)
かけると、心配さうに店へ捜しに来た。ぼんやりした小僧もやむを得ず罐詰めの間などを覗いて見てゐる。
あばばばば
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いいえそうでありません、私は何にもせなかったのに、私を小山さんが、
突
(
つつ
)
いたのです。」
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
公儀
(
おかみ
)
へは遠乗りの途中暴れ馬が殿を乗せたまま雑木林に飛込み、木の枝で眼を
突
(
つつ
)
かれた——と届出ているが、町人の
玩
(
もてあそ
)
ぶ楊弓の矢で眼を一つ
潰
(
つぶ
)
されては、何としても諦められない。
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
淡い焔がメラ/\と立つかと見ると、直ぐ消えて了ふ。と、渠は不揃な火箸を取つて、白くなつて
小
(
ちひさ
)
く残つてゐる其灰を
突
(
つつ
)
く。突いて、突いて、そして上げた顔は
平然
(
けろり
)
としてゐる。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
弦吾は
肘
(
ひじ
)
でチョイと同志帆立の
脇腹
(
わきばら
)
を
突
(
つつ
)
いた。
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
掏摸の指で
突
(
つつ
)
いても、倒れるような石垣や、蟻で崩れる
濛
(
ほり
)
を
穿
(
ほ
)
って、河野の旗を立てていたって、はじまらねえ話じゃねえか。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いきなり
奈良茂
(
ならも
)
の側にあつた
鮫鞘
(
さめざや
)
の
脇差
(
わきざし
)
を
引
(
ひつ
)
こぬいて、ずぶりと向うの胸へ
突
(
つつ
)
こんだんだ。
南瓜
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『怎うしてだと! ホヽヽヽ。』と、持つてゐる
書
(
ほん
)
で信吾の膝を
突
(
つつ
)
く。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お嬢さんが
縋
(
すが
)
りついて留めてたがね。へッ
被成
(
なさる
)
もんだ、あの爺を
庇
(
かば
)
う位なら、
俺
(
おいら
)
の
頬辺
(
ほっぺた
)
ぐらい指で
突
(
つつ
)
いてくれるが
可
(
い
)
い、と其奴が
癪
(
しゃく
)
に障ったからよ。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
悪戯児
(
いたずらっこ
)
の
悪関係
(
こだわり
)
から、火の番の立話、小紅屋へ寄ったまで、ちょっと時間が取れている。昼間近所へ振売だ、と云う。そんなお尻は鳶の
突
(
つつ
)
くが落だ、と云う。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今なお座中に
横
(
よこた
)
わって、墨色も
鮮
(
あざやか
)
に、五千疋とある奉書包に集めた瞳を、人指指の
尖
(
さき
)
で三方へ
突
(
つつ
)
き廻し
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
のべつに饒舌る……黄色い歯の上下に動くのと、
猪首
(
いくび
)
を巾着帽子の
縁
(
ふち
)
で
突
(
つつ
)
くのと同時なんです。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白魚鍋
(
しらおなべ
)
でも
突
(
つつ
)
かれてみろ、畜生! 吹雪に倒るればといって、黒塀の
描割
(
かきわり
)
の下が通れるものか。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若い同士耳打をするのがあり、尻を
突
(
つつ
)
いて促すのがあり、中には耳を
引張
(
ひっぱ
)
るのがある。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蹲
(
しゃが
)
んで、力なげに一服吸って三服目をはたいた、
駄六張
(
だろくばり
)
の
真鍮
(
しんちゅう
)
の
煙管
(
きせる
)
の
雁首
(
がんくび
)
をかえして、
突
(
つつ
)
いて火を寄せて、二ツ
提
(
さげ
)
の
煙草入
(
たばこいれ
)
にコツンと指し、
手拭
(
てぬぐい
)
と一所にぐいと三尺に挟んで立上り
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
柳沢は
斜
(
ななめ
)
に
卓子
(
テイブル
)
に
凭
(
もた
)
れて、
小刀
(
ナイフ
)
の柄で紅茶に和した角砂糖を
突
(
つつ
)
きながら
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
コツコツ、炭を火箸で
突
(
つつ
)
いて見たっけ、はっと
止
(
や
)
めて、目を一つ
瞬
(
またた
)
いて
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶴とは申せど、尻を振って
泥鰌
(
どじょう
)
を
追懸
(
おっかけ
)
る容体などは、余り
喝采
(
やんや
)
とは参らぬ図だ。誰も誰も、
食
(
くら
)
うためには、品も威も下げると思え。さまでにして、手に入れる餌食だ。
突
(
つつ
)
くとなれば会釈はない。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶴
(
つる
)
とは申せど、尻を振つて
泥鰌
(
どじょう
)
を
追懸
(
おっか
)
ける
容体
(
ようだい
)
などは、余り
喝采
(
やんや
)
とは参らぬ図だ。誰も誰も、
食
(
くら
)
ふためには、
品
(
ひん
)
も威も下げると思へ。
然
(
さ
)
までにして、手に入れる餌食だ。
突
(
つつ
)
くと成れば会釈はない。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
山手
(
やまて
)
から
黒煙
(
くろけぶり
)
を揚げて、
羽蟻
(
はあり
)
のやうに渦巻いて来た、
黒人
(
くろんぼ
)
の
槍
(
やり
)
の
石突
(
いしづき
)
で、浜に倒れて、
呻吟
(
うめ
)
き悩む一人々々が、胴、腹、腰、背、コツ/\と
突
(
つつ
)
かれて、
生死
(
いきしに
)
を
験
(
ため
)
されながら、
抵抗
(
てむかい
)
も成らず
裸
(
はだか
)
にされて
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と横のめりに平四郎、煙管の
雁首
(
がんくび
)
で
脾腹
(
ひばら
)
を
突
(
つつ
)
いて、
身悶
(
みもだ
)
えして
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
“突”を含む語句
衝突
突立
突込
突掛
突出
打突
突然
突張
突切
突懸
唐突
突伏
突貫
突端
突放
突刺
突支棒
猪突
突入
頭突
...