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空手
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ふりがな文庫
“
空手
(
からて
)” の例文
最後の日にも
空手
(
からて
)
で戻ってきて、飢えきっている小さい者の顔を見るのがつらさに、すっと小屋の奥へ入って昼寝をしてしまった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかし主人があれほど
懇望
(
こんもう
)
しているのを、
空手
(
からて
)
で帰るのも心苦しいので、彼はいろいろ思案の末に先方の頼みをきくことに決めた。
半七捕物帳:27 化け銀杏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あわてるな。どっちも
空手
(
からて
)
では
還
(
かえ
)
さぬ。お客さまがご窮屈でないように、お二人ずつ分けて進ぜる。賃銭はあとでつけた値段の割じゃ」
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
先へ行くお艶の姿が掻き消すように消えて失くなるという怪談じみた
報告
(
しらせ
)
を齎して、皆しょんぼり
空手
(
からて
)
で帰るのが落ちだった。
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
立んとて此大雪に出で行きたれ
共
(
ども
)
何
(
なん
)
の
甲斐
(
かひ
)
やあらん
骨折損
(
ほねをりぞん
)
の
草臥
(
くたびれ
)
所得
(
まうけ
)
今に
空手
(
からて
)
で歸り
來
(
こ
)
んアラ
笑止
(
せうし
)
の事やと
獨
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
留守
(
るす
)
してこそは居たりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
マントルも、——(一生懸命に)いや、
空手
(
からて
)
でも助けて見せる。その時に
後悔
(
こうかい
)
しないようにしろ。(気違いのように酒場を飛び出してしまう。)
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「お淺が小さい風呂敷包を大事さうに抱へて行きましたが、あとは
空手
(
からて
)
で、人間一人隱して持込んだ樣子はありませんよ」
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
空手
(
からて
)
で踊りつつ来る者もあり、あっと申す暇もなくわたくしどもは、お
文倉
(
ふみぐら
)
との間を隔てられてしまったのでございます。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
それでないと、大将は王女をとりかえさないで
空手
(
からて
)
でかえって来たばつに、きっとくびをきられるにきまっていました。
ぶくぶく長々火の目小僧
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
其
(
そ
)
の
草
(
くさ
)
も
更
(
さら
)
に
土
(
つち
)
から
刈
(
か
)
つて
行
(
ゆ
)
くので
次第
(
しだい
)
に
土
(
つち
)
が
痩
(
や
)
せて
行
(
ゆ
)
く。だから
空手
(
からて
)
では
何處
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つても
竊取
(
せつしゆ
)
せざる
限
(
かぎり
)
は
存分
(
ぞんぶん
)
に
軟
(
やはら
)
かな
草
(
くさ
)
を
刈
(
か
)
ることは
出來
(
でき
)
ない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
荒いコートに派手な
頸捲
(
えりまき
)
をして、毎日のように朝
夙
(
はや
)
くから出歩いているお島が、掛先から
空手
(
からて
)
でぼんやりして帰って来るような日が、
幾日
(
いくか
)
も続いた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
空手
(
からて
)
を団扇を持った形にして、あおいで、時には、ぐるりで皆があおいでいる、その風の動きと合ったリズムで無意識にあおぐ真似をしていたのだそうです。
獄中への手紙:09 一九四二年(昭和十七年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
そのついでに演説をする——のではない演説のついでに玉津島だの紀三井寺などを見た訳でありますからこれらの故跡や名勝に対しても
空手
(
からて
)
では参れません。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
斧は
空振
(
からぶ
)
りに空振りをかさね、朱同の姿は飛電の光にことならない。なにせい
鄆州
(
うんしゅう
)
随一の捕手頭、
乱捕
(
らんど
)
りの達人なのだ。むしろ
空手
(
からて
)
が得意であったとみえる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
空手
(
からて
)
の起源については未だ定論はないやうであるが、諸家の説を綜合して見ると、当地では昔から只単に「手」と称し「空手拳頭」を以て敵を倒す武術があったが
空手道の起原と其の沿革
(新字旧仮名)
/
島袋源一郎
(著)
そこで「この山の神は
空手
(
からて
)
で取つて見せる」と仰せになつて、その山にお登りになつた時に、山のほとりで白い猪に
逢
(
あ
)
いました。その大きさは牛ほどもありました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「そんなに困ってるどこさ、
空手
(
からて
)
で行ったって、仕方があんめえがね。金を都合して行くとか……」
栗の花の咲くころ
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
眼も何も
腫
(
は
)
れふさがりさうな顏に、涙の露をたらして、京子はヂツと竹丸の顏に眼を注ぎながら、右の
空手
(
からて
)
で大事な物を握つてゐるやうにして、
恭
(
うや/\
)
しく前に差し出した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
これで
空手
(
からて
)
で帰ることにはならない。犬が
雀躍
(
こおどり
)
する。わたしも、得々としてからだをゆすぶった。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
実は、私はこの人を捕えに行ったのですが、とうとう見当らず、
空手
(
からて
)
で帰って来ました。
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ともかく、とうとう、私は海から上ったし、また
空手
(
からて
)
で戻って来たのでもなかった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
空手
(
からて
)
で物を貰ふ者に
附物
(
つきもの
)
の愛嬌笑ひを惜し気もなく小説家の
卓子
(
テエブル
)
の上にぶち撒けた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
空手
(
からて
)
で戻るのもいまいましいから、あの狸でも撃ってやろうか」
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
空手
(
からて
)
を組んで、
四辺
(
あたり
)
を見たが、がッくりと首を振って
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は
空手
(
からて
)
になってぶらぶら帰りました。
幕末維新懐古談:42 熊手を拵えて売ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
見ましたから、
空手
(
からて
)
じゃあいけないと思って、すぐに台所から出刃庖丁を持ち出して行きました。そうして溜池のところで追っ付いたんです
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
空手
(
からて
)
で踊りつつ来る者もあり、あつと申す暇もなくわたくしどもは、お
文倉
(
ふみぐら
)
との間を隔てられてしまつたのでございます。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
こちらの昔話とちがった点は、鬼は後生の使となって人の魂を取りにくるが、折々
騙
(
だま
)
されて
空手
(
からて
)
で帰ることもあり、或いは頼まれて人の生存期間を加減したりする。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
若松屋惣七が近づいてゆくと、もう一度
空手
(
からて
)
でおどりかかって来たが、からだが惣七に触れたかと思うと、磯五は、思いきりよく投げ出されて、土のうえに仰向けになった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
然
(
しか
)
し
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
機嫌
(
きげん
)
を
損
(
そこ
)
ね
合
(
あ
)
うた
勘次
(
かんじ
)
の
許
(
もと
)
へ
歸
(
かへ
)
るのには
彼
(
かれ
)
は
空手
(
からて
)
ではならぬといふことを
深
(
ふか
)
く
念
(
ねん
)
とした。
彼
(
かれ
)
は
夫
(
それ
)
からといふもの
成
(
な
)
るべくコツプ
酒
(
ざけ
)
も
節制
(
せつせい
)
して
懷
(
ふところ
)
を
暖
(
あたゝ
)
めようとした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「此邊だ、甚助は家から持出した香爐を此邊に隱して
空手
(
からて
)
で古道具屋へ行つたに違ひない」
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これでもう
空手
(
からて
)
で帰らないでも済む。犬が
雀躍
(
こおどり
)
する。私も得々としてからだをゆすぶる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
空手
(
からて
)
で帰国の途につくしかなかったが、途中、
柴桑
(
さいそう
)
に船をよせて一泊したついでに、
周瑜
(
しゅうゆ
)
を訪ねて、この次第を話すと、周瑜は、またしても卿は孔明に一杯喰わされたのだと云い
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つまりは同じく
空手
(
からて
)
のまま、やっとくぐりぬけて来たというのが
大方
(
おおかた
)
です。
大震火災記
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
しかし、それだけではなかった。
料理番
(
コック
)
は
空手
(
からて
)
では行かなかった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
そこへ自分たちふたりが
空手
(
からて
)
でうかうかと踏み込むのは危険であるまいかと、かれは云った。それを聞いて、喜平もすこし不安になって来た。
半七捕物帳:43 柳原堤の女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それと無く樣子を見て居ると、紫御殿の出入には、その頃の役所などの出入に使つた、小判形の
門鑑
(
もんかん
)
が要るらしく、
空手
(
からて
)
で入つては飛んだ耻を掻かなければならないことに氣が付いたのです。
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
疾走
(
しつそう
)
した
後
(
あと
)
の
異常
(
いじやう
)
な
疲勞
(
ひらう
)
を
感
(
かん
)
じた。
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
燒趾
(
やけあと
)
を
掻
(
か
)
き
立
(
た
)
てようとするのに
鳶口
(
とびぐち
)
も
萬能
(
まんのう
)
も
皆
(
みな
)
其
(
その
)
火
(
ひ
)
の
中
(
なか
)
に
包
(
つゝ
)
まれて
畢
(
しま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
は
空手
(
からて
)
であつた。
唐鍬
(
たうぐは
)
を
執
(
と
)
つて
彼
(
かれ
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
熱
(
あつ
)
い
火
(
ひ
)
の
側
(
そば
)
に
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
空手
(
からて
)
で美濃一国をわが物とした男だけに、最初に仕えた主人
土岐政頼
(
ときまさより
)
を殺し、次の主人
頼芸
(
よりなり
)
をまた、国外へ追って、その
妾
(
しょう
)
を奪ったりなど——残忍酷薄な数々の経歴は、挙げて語ったら
限
(
き
)
りもない。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊に十日以上の暇をつぶさせては、このまま
空手
(
からて
)
で帰すことも出来ないので、その礼心にそれだけの金を贈ったのである。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「五千兩を狙つた野郎が、
空手
(
からて
)
で逃出すものか」
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どんな様子か見とどけに行って来ようかと身支度をして
門
(
かど
)
を出るところへ、いつもの勘次が
空手
(
からて
)
で来た。
半七捕物帳:18 槍突き
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いつもの場合と違って、彼は
空手
(
からて
)
でお絹の家の格子をくぐるわけにはいかなかった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かれらは
得物
(
えもの
)
を取って闘っているのでなく、
空手
(
からて
)
の掴み合いであるらしかった。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
届けにゆく途中で取り押さえて、その密書を手に入れれば、なにかの秘密をさぐることが出来たのであるが、
空手
(
からて
)
で帰る途中ではどうにもならない。彼は少しく思案して、自身番の男に云った。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“空手”の意味
《名詞》
空 手(くうしゅ)
手に武器も何も持っていない状態のこと
(出典:Wiktionary)
“空手(空手道)”の解説
空手道(からてどう)または空手(からて、沖縄語発音: kaɽati)は、琉球王国発祥の拳足による打撃技を特徴とする武道である。起源には諸説があるが、沖縄固有の拳法の手に当身の際の発声、巻き藁稽古法など、日本の剣術(特に薩摩示現流)の影響を受けたという見方がある。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“空”で始まる語句
空
空地
空虚
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空蝉