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私等
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わしら
ふりがな文庫
“
私等
(
わしら
)” の例文
「
工風
(
くふう
)
の無えこともねえ、
私等
(
わしら
)
どうせ遊んでゐるで、渡して上げずか。伊良湖なら新居へ行かずに、この先の浜へ着けりや好いだ」
伊良湖の旅
(新字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
男「
何時
(
いつ
)
帰
(
けえ
)
るか知れぬが、まア、何時帰ると
私等
(
わしら
)
に断って出た訳で
無
(
ね
)
えから受合えねえが、明けると大概
七
(
なゝ
)
八日
(
ようか
)
ぐれえ帰らぬ男で」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
唯今
(
ただいま
)
の
狂人
(
きちがい
)
が、酒に酔って
打倒
(
ぶったお
)
れておりましたのは……はい、あれは嘉吉と申しまして、
私等
(
わしら
)
秋谷在の、いけずな野郎でござりましての。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、小店だと、相手が越後の国
蒲原郡何村
(
かんばらごおりなにむら
)
の産の鼻ひしゃげか何かで、
私等
(
わしら
)
が国さでと、未だ
国訛
(
くになまり
)
が取れないのになる。往々にして下女にも劣る。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
さつしやるな
小聲
(
こごゑ
)
でも
解
(
わか
)
ります先當時の
役頭
(
やくがしら
)
を盜賊
呼
(
よばは
)
り
確
(
たしか
)
な證據なくては云れぬ事
段々
(
だん/\
)
聞
(
きく
)
に九助が親類と
私等
(
わしら
)
が名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
六十に近い七兵衛
老爺
(
じじい
)
が手に
唾
(
つばき
)
して奮然と
起
(
た
)
つを見ては、若い者共も黙っては
居
(
い
)
られぬ。皆口々に、「
老爺
(
じい
)
さんは危ねえ、
私等
(
わしら
)
が行く。」と、
遮
(
さえぎ
)
り
止
(
とど
)
めた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何しろ
私等
(
わしら
)
は、帳面一冊買ってやんのだって、なかなか大変なのでがすからは……ほんでも、四年生までやったのでがすげっとも、手紙一本書けねえんでがすから……。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
私等
(
わしら
)
姑
(
しゅうと
)
さんと気が合わなんだで、
恁
(
こう
)
して別れて東京へ出て来たけれど、随分辛い辛抱もして来ましたよ。今じゃ
独身
(
ひとり
)
の方が気楽で大変好いわね。御亭主なんぞ一生持つまいと思っているわね
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「これこれクシベシ、
私等
(
わしら
)
は人間と違って、ごまかすようなことはしない。それだけでお前の一生に足りるのじゃ。着物か? 着物はもうちゃんとお前の体に着せてある
筈
(
はず
)
じゃ。それも、それ一枚だけで足りる筈じゃ。……さよなら」
蕗の下の神様
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
それよ——
矢張
(
やつぱ
)
り……
然
(
さ
)
うだ——
忘
(
わす
)
れもしねえ。……
矢張
(
やつぱ
)
り
同
(
おな
)
じやうな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
はしつけが、
私等
(
わしら
)
にや
其
(
そ
)
の
撫子
(
なでしこ
)
が
早
(
は
)
や
分
(
わか
)
んねえだ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丹「
然
(
そ
)
うだね、男じゃア毀すかも知れねえ、
私等
(
わしら
)
は何うも荒っぽくって、丼鉢を
打毀
(
うちこわ
)
したり、厚ぼってえ
摺鉢
(
すりばち
)
を落して
破
(
わ
)
った事もあるから、困ったものだアね」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ぢやが、お
前様
(
めえさま
)
は
山
(
やま
)
が
先生
(
せんせい
)
、
水
(
みづ
)
が
師匠
(
ししやう
)
と
言
(
い
)
ふわけ
合
(
あひ
)
で、
私等
(
わしら
)
が
気
(
き
)
にや
天上界
(
てんじやうかい
)
のやうな
東京
(
とうきやう
)
から、
遥々
(
はる/″\
)
と……
飛騨
(
ひだ
)
の
山家
(
やまが
)
までござつたかね。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私等
(
わしら
)
を見て
盗賊
(
どろぼう
)
が旅人に掛ったのだと思って、鉄砲を撃って、其の玉が宇之助さんの胸へ当って、現在自分の
家来
(
けらい
)
と知らずに
兄
(
あに
)
さんが鉄砲で
打
(
ぶ
)
ったと云って、おい/\泣きやんすから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(
畜生
(
ちくしょう
)
。)といったが馬は出ないわ。びくびくと
蠢
(
うごめ
)
いて見える
大
(
おおき
)
な
鼻面
(
はなッつら
)
をこちらへ
捻
(
ね
)
じ向けてしきりに
私等
(
わしら
)
が居る方を見る様子。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
禮「そいつア面白れえ、大夫が其の了簡なら
私等
(
わしら
)
は十分に働きます」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(
畜生
(
ちくしやう
)
、)といつたが
馬
(
うま
)
は
出
(
で
)
ないわ。びく/\と
蠢
(
うごめ
)
いて
見
(
み
)
える
大
(
おほき
)
な
鼻面
(
はなツつら
)
を
此方
(
こちら
)
へ
捻
(
ね
)
ぢ
向
(
む
)
けて
頻
(
しきり
)
に
私等
(
わしら
)
が
居
(
ゐ
)
る
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
る
様子
(
やうす
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
神様も分らねえ、こんな、くだま野郎を労ってやらっしゃる御慈悲い深い
思召
(
おぼしめし
)
で、何でこれ、
私等
(
わしら
)
婆様の中に、
小児
(
こども
)
一人授けちゃくれさっしゃらぬ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その様な
生命
(
いのち
)
はの、殿、殿たちの方で言うげな、……
病
(
やみ
)
ほうけた牛、
痩
(
や
)
せさらぼえた馬で、
私等
(
わしら
)
がにも役にも立たぬ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ある晩、
腕車
(
くるま
)
でお乗込み、天上ぬけに
美
(
うつくし
)
い、と評判ばかりで、
私等
(
わしら
)
ついぞお姿も見ませなんだが、下男下女どもにも口留めして、
秘
(
かく
)
さしったも道理じゃよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「新聞が邪魔になるのは
私等
(
わしら
)
に限らぬと見える。御夫人方にも目の
瘤
(
こぶ
)
じゃの。面倒なら停止をさそうか。」「そういたして頂きましょうか、ねえ。
貴女
(
あなた
)
。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私等
(
わしら
)
が国はの、——殿、殿たちが、目の及ばぬ処、耳に聞えぬ処、心の通わぬ処、——広大な国じゃぞの。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見
(
み
)
さつせえ、
形
(
かたち
)
は
同
(
おな
)
じやうな
出来
(
でき
)
だが、の、お
前様
(
めえさま
)
の
鮒
(
ふな
)
は
水
(
みづ
)
に
入
(
い
)
れると
腹
(
はら
)
を
出
(
だ
)
いたで、
死
(
お
)
ちた
魚
(
いを
)
よ、……
私等
(
わしら
)
が
鮒
(
ふな
)
は、
泳
(
およ
)
ぎ
得
(
え
)
いでも、
鰭
(
ひれ
)
を
立
(
た
)
てたれば
活
(
い
)
きた
奴
(
やつ
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「全くもちまして、娘ッ
児
(
こ
)
をどうのこうの、
私等
(
わしら
)
ア御覧なさりやすとおり、いい
年紀
(
とし
)
でござりやす。」
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
画
(
え
)
を
描
(
か
)
き
彫刻
(
ほりもの
)
をする人もある、その美しいものは、
私等
(
わしら
)
が国から、遠く
指
(
ゆびさ
)
す
花盛
(
はなざかり
)
じゃ、散らすは惜しいに因って、わざと除らぬぞ!……何が、気の弱い
此方
(
こなた
)
たちが
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
えゝ、お
姫様
(
ひいさま
)
の!
何
(
ど
)
うやら
今
(
いま
)
までの
乞目
(
こひめ
)
では、
一度
(
いちど
)
に
一年
(
いちねん
)
も
懸
(
かゝ
)
りさうぢや。お
庇
(
かげ
)
と
私等
(
わしら
)
は
飢
(
ひもじ
)
うも、だるうも
無
(
な
)
けれど、
肝心
(
かんじん
)
助
(
たす
)
け
取
(
と
)
らうと
云
(
い
)
ふ、
奥様
(
おくさま
)
の
身
(
み
)
をお
察
(
さつ
)
しやれ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
姦通かな、親々の目を盗んで密会するかな、さもなけりゃ
生命
(
いのち
)
がけで
惚
(
ほ
)
れたとか、惚れられたとかいう奴等、そして男の方は
私等
(
わしら
)
構わんが、女どもはいずれも国色じゃで、先生
難有
(
ありがた
)
いじゃろ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
常用漢字
小6
部首:⽲
7画
等
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
“私等”で始まる語句
私等家