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生捕
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いけど
ふりがな文庫
“
生捕
(
いけど
)” の例文
すると、
俺
(
おれ
)
も見た俺も見たと、いくにんも見た人が出て来ました。それならばひとつ
生捕
(
いけど
)
りにしてやろう、ということになりました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「ひとたび落城を見てからでは万事休すです。御最期か、
生捕
(
いけど
)
りの憂き目を見るかの二つを出ません。お
意
(
こころ
)
あるなればいまのうちで」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
麻のようなブロンドな頭を振り立って、どうかしたら
羅馬
(
ロオマ
)
法皇の宮廷へでも
生捕
(
いけど
)
られて行きそうな高音でハルロオと呼ぶのである。
木精
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いそいで私達もその林の中へ躍り込んで見ると、もう飛ぶ力のなくなっているらしいその雉子は、難なく英夫君の手で
生捕
(
いけど
)
りにされた。
雉子日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
今更のお嘆きは
尤
(
もっと
)
もでございますが、あの本三位中将殿のように、
生捕
(
いけど
)
りという憂き目にあう位、悲しく辛いものはありませぬ。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
「殿様、およろこび下さいまし。多能丸を見事に
生捕
(
いけど
)
りました。長者の娘の花子も、無事に取り返しました。」と申しました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
こんなわけで、
折角
(
せっかく
)
生捕
(
いけど
)
ったたった一匹のルナ・アミーバーでありましたが、惜しくも
天空
(
てんくう
)
に
逸
(
いっ
)
し去ってしまったのです。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そりゃ拙者にもわからん、その若いのを
生捕
(
いけど
)
って、旗揚げの軍費を調達させた当人に聞いてみるよりほかはなかろうよ」
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そのたびに彼は石垣の間へ逃げ込む
蟹
(
かに
)
の穴を棒で突ッついた。それから逃げ損なったものの甲を抑えて、いくつも
生捕
(
いけど
)
りにして
袂
(
たもと
)
へ入れた。……
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一名が兵隊のため
生捕
(
いけど
)
りにされて、この騒ぎはようやくしずまったが、赤備兵の中には八、九人の手負いを出した。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
かの金時が鯉を抱いたように
生捕
(
いけど
)
りにして上覧に入れようと、かれは水中に身をかわして、かの魚を横抱きにかかると、敵も身を斜めにして跳ねのけた。
鐘ヶ淵
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その時に
旨
(
うま
)
く私を
籠絡
(
ろうらく
)
して
生捕
(
いけど
)
って
仕舞
(
しま
)
えば
譜代
(
ふだい
)
の家来同様に使えるのに、
却
(
かえっ
)
てヤッカミ出したとは馬鹿らしい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私が一番
生捕
(
いけど
)
って、御覧じろ、火事の卵を
硝子
(
ビイドロ
)
の中へ泳がせて、
追付
(
おッつ
)
け金魚の看板をお目に懸ける。……
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小山内氏は何の事か一向
解
(
げ
)
せなかつたが、どんな場合にも女に
生捕
(
いけど
)
られるのは苦しむものだと知つてゐるので、直ぐ次ぎの間に逃げ込んで、
家鴨
(
あひる
)
のやうに我鳴つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
切迫
(
せっぱ
)
詰って
彼奴
(
あいつ
)
が逃げ出すかも知れないから、逃げたらば表に二人も待ってゝ、
逃
(
にげ
)
やがったら
生捕
(
いけど
)
って逃がしてはならぬぞ、えゝ、初めは柔和な顔をして掛合うから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうだ、C・C・D潜水艦もぶん取ったし、春田龍介という小僧も
生捕
(
いけど
)
ったから、いよいよ骸骨島へ引上げて、潜水艦は外国の海軍に
売渡
(
うりわた
)
し、龍介の小僧はヤンセンの仇を
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
谷河の
鱒
(
ます
)
や
岩魚
(
いわな
)
を突いて、あれを生で食った生活、剣の峰、千願岩、猿の子知らず、あの剣の刃のような岩の上を飛廻って、獣や鳥を
生捕
(
いけど
)
りにした、昔の生活が恋しくて
判官三郎の正体
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さては終に
生捕
(
いけど
)
られ給ひしよ。おん身等の物語は、定めてセソストリス時代の事なるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
梵施王象馬歩車の四兵を以て長生王を伐ち戦敗れて
生捕
(
いけど
)
られしを長生王赦して帰国せしめた、暫くして梵施王また兵を起して長生王を伐ち敗り、長生王その
后
(
きさき
)
と深山無人の処に隠れ
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
眼障
(
めざわ
)
りでしかたがございませんよ。で、
生捕
(
いけど
)
ってしまいますよ。この鯨さえ生捕ってしまえばたとえばヤットーの先生のようないわば雑魚のような連中は、自然と自滅をいたします。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
記に「将門撃つて三千人を殺す」とあるのは
大袈裟
(
おほげさ
)
過ぎるやうだが、敵将維幾を
生捕
(
いけど
)
りにし、官の
印鑰
(
いんやく
)
を奪ひ、財宝を多く奪ひ、営舎を
焚
(
や
)
き、
凱歌
(
がいか
)
を
挙
(
あ
)
げて、二十九日に豊田郡の
鎌輪
(
かまわ
)
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
さう/\おぼえて
居
(
ゐ
)
る
八百屋
(
やをや
)
お七の
機関
(
からくり
)
が
見
(
み
)
たいと
云
(
い
)
つたんだツけ。アラ
否
(
いや
)
嘘
(
うそ
)
ばつかり。それぢやア
丹波
(
たんば
)
の
国
(
くに
)
から
生捕
(
いけど
)
つた
荒熊
(
あらくま
)
でございの
方
(
はう
)
か。
何
(
ど
)
うでもようございますよ
妾
(
わたし
)
は
最早
(
もう
)
帰
(
かへ
)
りますから。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
くまは、わけなく
生捕
(
いけど
)
られた。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
北海道で
生捕
(
いけど
)
つた
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
まだはっきりはわからないが、ほんとにその珍しいなまずがいたら、みんなで
生捕
(
いけど
)
ろうじゃないか。そしてここに池をつくって、川の水を
山の別荘の少年
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
うち八十余名は
悉
(
ことごと
)
く討死。のこる数名のみ
生捕
(
いけど
)
りましたが、それらもみな全身に
深傷
(
ふかで
)
を持ち、はや五体もきかぬまま捕われた者どもでありました
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「エエ、そうでございます、それが大湊の浜辺へ海から泳ぎ着いたところを、隠れていた役人が大勢して、やっとのこと、
生捕
(
いけど
)
ったそうでございます」
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まもなく、首といっしょに一人
生捕
(
いけど
)
りになった
三位
(
さんみの
)
中将も帰って来るという噂がつたえられた。この噂に心を痛めたのは、小松三位中将
維盛
(
これもり
)
の北の方である。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
……恐竜を
生捕
(
いけど
)
ることはやめて、これはどうしても、あの金貨をねらわにゃ損だ……はて、どうしたら、あの岩のあるところまで、安全に行けるだろうか……
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
主人のごとく相手にならぬ中学一年生を
生捕
(
いけど
)
って戦争の人質とするほどの了見でなくては逆上家の仲間入りは出来ないのである。
可哀
(
かわい
)
そうなのは捕虜である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
汝
(
われ
)
が二人駈出しても文吉が帰って来ないば、向うは泥坊を
生捕
(
いけど
)
るくれえな又市だから、汝が
駈
(
か
)
ん出してもか細い腕で遣りそこなっては成んねえが、これ/\待っちろ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
養子に
往
(
ゆ
)
くのは、
戦争
(
いくさ
)
に出かけると同じやうに敵をそつくり
生捕
(
いけど
)
るか、さもなければ身一つで逃げ出すだけの気転が無くてはならぬが、それでも養子に
往
(
ゆ
)
けぬとなると
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何分にも
衆寡
(
しゅうか
)
敵せずというわけで、四、五日の後には落城して、喜平次秋忠は敵に
生捕
(
いけど
)
られて殺されたともいい、姿をかえて本国の土佐へ落ちて行ったともいうが、いずれにしても
こま犬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これを組み敷いて
生捕
(
いけど
)
って、自分のものにしきっているのである。エルマン、ハイフェッツらは、当代の技巧家であるが、この曲の征服における限りは、到底フーベルマンの敵ではない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
生捕
(
いけど
)
った小
魚
(
うお
)
の尾尻を摘んで、瓶へ入れている麦藁帽子の少年。
畳まれた町
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
国王や強い家来達の助けをかりて、あの夢の精を
生捕
(
いけど
)
りにすることが出来たら! そう思うと急に元気が出てきました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ア、痛ッ、ではお前様に限って申し上げてしまいます、神尾の殿様は
生捕
(
いけど
)
られておしまいなすったのでございます、あの晩、
放火
(
つけび
)
に来たやつらが神尾の殿様を
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「竹童さんを助けたいために、わざと
緋
(
ひ
)
おどし
谷
(
だに
)
にのこって、自分から
敵
(
てき
)
の
生捕
(
いけど
)
りになりましたの」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
連中は三人だから、一人が一つの馬に乗るとすれば、三匹
要
(
い
)
る訳になる。この
茫漠
(
ぼうばく
)
たる原の中で、生きた馬を三匹
生捕
(
いけど
)
るとなると、
手数
(
てすう
)
のかかるのは一通りではあるまい。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
生捕
(
いけど
)
りになった本三位中将重衡は、六条を東へと引廻された。車の前後の
簾
(
すだれ
)
をかかげ、左右の小窓も開かれていた。三十騎ばかりが車の前後を取り囲み、
土肥
(
どひの
)
次郎
実平
(
さねひら
)
が守護した。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
君の議論も一通りは
解
(
わか
)
ったよ。けれども、長い年月の
中
(
うち
)
には、
何
(
ど
)
うか云う機会で𤢖を
生捕
(
いけど
)
る事もありそうなものだ。
若
(
も
)
し生捕って調べたらば、総ての疑問は
疾
(
と
)
うに解決されている筈だ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
仙「逃げるんじゃアねえ、泥坊を
生捕
(
いけど
)
ったから下りて来ねえというんだ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そしてその儘
生捕
(
いけど
)
られる事になるのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「じゃあ一つ、わしがそれを
生捕
(
いけど
)
ってあげよう。そのかわり、ほんとに生捕ることが出来たら、手荒なことをしないで、
万事
(
ばんじ
)
わしに
任
(
まか
)
してくれるかね」
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
執念深い神尾主膳の一味はこの女を
生捕
(
いけど
)
って、また何か恥辱を与えんとするものらしい。さすがに尼寺は荒せなかったけれど、一歩踏み出すとあの始末です。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そしてたちどころに、賊徒をけちらし、かつ、兄弟の姿を追ッて、城外四里の地点で、孔明に追いすがり、ついに闘い伏せ、孔明だけを
生捕
(
いけど
)
りとして引きあげて来た。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが
肝心
(
かんじん
)
の御客はよほど威勢のいい男で、
遥
(
はる
)
か向うの方にまだ端艇を漕ぎ廻していました。誰も乗せ手がなかったと見えて、今度は
黒裸
(
くろはだか
)
の浦の子僧を一人
生捕
(
いけど
)
っていました。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうだ。
此
(
こ
)
の機会に乗じて奴等を
生捕
(
いけど
)
って
与
(
や
)
ろう。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この上はぜひとも本物の正覚坊を
生捕
(
いけど
)
って、
仕返
(
しかえ
)
しをしてやらなければならない、と口々に言い立てました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そこで自分の自信も満足し、お角という女をとっちめる最上の策は、駒井能登守を
生捕
(
いけど
)
ることだ。そうすれば一挙両得で、戦わざるにお角の陣営は崩れてしまう。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
捕
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死