彼らには無為怠慢の長い期間が必要だった。そしてそれから出て来ると、あたかも熟睡のあとのように爽快に元気になっていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
また、われわれの精神の内を顧みるも、やはり爽快絶妙の理想を蓄うることが分かります。これまた、宇宙そのものの真相たるに相違ない。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかし彼女はこの言を耳にも入れない、空想の金髪の娘よ! 要するに彼女のうちにあるものは、新鮮、爽快、青春、朝の穏やかな光である。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
うまければ栄養は申し分なく発揮され、身心爽快、健康成就と落ちつくのである。こうなれば料理の考え方も芸術的になり、おもしろくもなるというのである。
未明の冷気の熱汗をほとばせる爽快味はえもいわれず、誘いあわせて、霜ばしらを踏んでくる城下の若侍たちひきもきらず、およそ五十畳も敷けるかと思われる大板の間が
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
クリスマス (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
夕方帰路につき、三人が百万遍で電車を下りるとバラバラにめいめいの家に帰る。今日はあまりに爽快な時を過したので、夜もブランデーの卓を囲む気分にはなれなかった。………
チェーホフ序説:――一つの反措定として―― (新字新仮名) / 神西清(著)
はき出したあとで口をあけて空気をすいこむと、これはまた、なんという爽快なことだろう! 久助君の小さな口の中に、すずしい秋の朝が、ごっそりひとつはいりこんだみたいだ。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)