河原かはら)” の例文
やがてまちちかい、すゞはしが、河原かはら晃々きら/\しろい、みづあをい、對岸むかうぎしくらい、川幅かははゞよこつて、艷々つや/\一條ひとすぢかゝる。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おれは河原かはら枯芒かれすゝき、おなしおまへも枯芒、どうせ二人が此世では花の咲かないかれすゝき」といふ謡が行はれて、童幼これを唱へ、ことに江東には多く唱はれ
震は亨る (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
さけのすばしりは雪前ゆきまへ河原かはらなどにある事也。かれあみにせめられ人にもはれなどして、水を飛離とびはなれて河原にのぼり、あみある所をこえて水にとび入りてあみを退のがるゝ也。
ぬばたまのけぬれば久木ひさきふるきよ河原かはら千鳥ちどりしばく 〔巻六・九二五〕 山部赤人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
んなことかさなつてくうちに、何時いつにかちて仕舞しまつた。さうしてたかやまいたゞきが、あるあさ眞白まつしろえた。さらしの河原かはらしろくなつて、はしわたひとかげほそうごいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
せつが心付如何なる事ぞと申せしに九助も驚き昨夜河原かはらにてつまづきしが酒にゑひし人のたふ伏居ふしゐる事と思ひしに怪我人けがにんにてもありしかとかたり居し時九郎兵衞が案内にて領主りやうしゆ捕方とりかた入來り有無うむ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一筋暗い色に見える雪の中の道には旅人の群が往つたり来たりして居た。荷を積けたそりも曳かれて通る。遠くつゞく河原かはらは一面の白い大海を見るやうで、蘆荻ろてきも、楊柳も、すべて深く隠れてしまつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ひるさがり、れし河原かはら
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
洗礼女あらはれめ——河原かはらあし
秋の一夕 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
三稜草みくりぐさふる河原かはら
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さい河原かはら砂手本すなてほん
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
さてなる事は、かはひろにてかれうみおきたる所洪水こうずゐなどにてかはりて河原かはらとなりしが幾とせたちてもうみたる子くさらず、ふたゝび瀬となればその子生化せいくわしてさけとなる。
みまはかほを、突然いきなりつばめ蝙蝠かうもりばずに、やなぎのみどりがさらりとはらふと、えだなか掻潛かいくゞるばかり、しかも一段いちだんづいとたかく、めるやうなひろ河原かはらしたに、眞蒼まつさをながれうへ
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
下毛野しもつけぬ安蘇あそ河原かはらいしまずそらゆとぬよこころれ 〔巻十四・三四二五〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
尋ねさがせしに行方ゆくへ知れざれば此は必定ひつぢやう桶伏をけふせにしたる石川安五郎が爲業しわざに相違有まじと人々言居ける所に大門おほもん番の重五郎が阿部あべ川の河原かはらにて何者にか切殺され死骸しがいは河原に有之との事なれば此はかれは番人の事ゆゑ白妙しろたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あま河原かはらにやほよろづ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ひともとの河原かはら赤楊はんのき
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
河原かはらよもぎ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
あま河原かはら
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)