“木葉:このは” の例文
“木葉:このは”を含む作品の著者(上位)作品数
永井荷風6
アリギエリ・ダンテ3
尾崎紅葉2
上田敏2
正岡子規2
“木葉:このは”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > プロヴァンス文学100.0%
文学 > イタリア文学 > 詩42.9%
文学 > 英米文学 > 詩28.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
森の木葉このはのしげみは、闇を吐き出だす如くなれど、夕照ゆふばえは湖水に映じてわづかにゆくてに迷はざらしむ。
参禅して教を聴く積りで、来て見ると、掻集めた木葉このはを背負ひ乍らとぼ/\と谷間たにあひを帰つて来る人がある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
いたくあやしみていひけるは。ベアトリーチェはいづこにありや。彼。新しき木葉このはの下にてその根の上に坐するを見よ 八五—八七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
勿論木葉このはうずたかく積って、雑草も生えていたが、花立の竹筒は何処へ行った事やら、影さえ見えなかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ミネルヴァの木葉このはに卷かれし面帕かほおほひそのかうべより垂るゝがゆゑに、我さだかに彼を見るをえざりしかど 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
『武蔵野』にある「林影一時にひらめく」とか、「木葉このは火の如くかがやく」とかいうような盛な感じではない。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
この頃の空癖そらくせで空は低く鼠色ねずみいろに曇り、あたりの樹木からは虫噛むしばんだ青いままの木葉このはが絶え間なく落ちる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かしこにそのかみ水と木葉このはさちありし山あり、イーダと呼ばる、今は荒廢あれすたれていとりたるものゝごとし 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
雪、日に溶くるも、シビルラの託宣、輕き木葉このはの上にて風に散り失するも、またかくやあらむ 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
銀色の霧の生暖かいとばり越しに、緑の小さな木葉このはがその新芽のつぼみを破っており、小鳥がどこかで隠れた太陽にさえずっていた。
……其時、おや、小さな木兎みみずく、雑司ヶ谷から飛んで来たやうな、木葉このは木兎ずく青葉あおば木兎ずくとか称ふるのを提げて来た。
玉川の草 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
顔にはおりおり微笑の影が、風の無い日に木葉このはが揺らぐように動く外には、何の表情もない。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
云う人は極めて真面目であるが、云われる方は余り馬鹿馬鹿しくて御挨拶ができぬ。お葉はある岩角に腰をおろして、紅い木葉このはいじっていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
此頃このごろ空癖そらくせで空は低く鼠色ねずみいろくもり、あたりの樹木じゆもくからは虫噛むしばんだ青いまゝの木葉このはが絶え間なく落ちる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
その風の余りが森の木をゆすって、れた木葉このはからしずくを垂らし始めた。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
枯枝の折れたのが乾いた木の皮と共に木葉このはの間を滑って軽く地上に落ちて来る。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼は枝を離れた木葉このはのように、風のまにまに飛んで行くより他は無かった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
午後一時ここを立って植木に向ったが、木葉このは駅に至る頃賊軍既に植木に入って居ると云う報を受けたので、十数騎を前駆させ斥候せしむるに、敵は既に大窪に退いたと云う。
田原坂合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
溶けかゝる霜と一緒に、日にあたる裏庭の木葉このはは多く枝を離れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
青かつた木葉このはの今は恐しく黒ずんで来たのが不快に見えてならぬ。
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それを見た女房は木葉このはのやうに真青になつてふるへ出した。
風に散る花も木葉このはも嗔らずとながめ悟ればわがのりぞかし
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
木葉このは一枚動かぬやうな森閑とした黄昏たそがれ、自分は海岸から堀割をつたはつて、外国人向きの商店ばかり並んだ一条の町を過ぎ、丸山に接する大徳寺だいとくじといふ高台の休茶屋から
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
サンタが道ならぬ戀、ベルナルドオの再び逢ひて名告なのり合はざる、恩人にめぐりあひての後の境遇、彼といひ此といひ、此身は風のまに/\弄ばるる一片の木葉このはにも譬へつべき心地ぞする。
ことに時雨を以て木葉このはむるの意に用う。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
草叢くさむらにいる蛼に、木葉このはに止まった雨蛙。
さかだてたるは木葉このはに風のふくごとし、
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
家中いへぢゆうの障子を悉く明け放し空の青さと木葉このはの緑を眺めながら午後ひるすぎの暑さに草苺や桜の実を貪つた頃には、風に動く木の葉の乾いた響が殊更に晴れた夏といふ快い感じを起させたが
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
うろこさかだてたるは木葉このは
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そう致しますと生茂おいしげった木葉このはに溜った雨水が固まってダラ/\とおちて参って、一角の持っていた火縄に当って火が消えたから、一角は驚いて逃げにかゝる処を、花車は火が消えればもう百人力と
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
道行く人は木葉このはなす、
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
道行く人は木葉このはなす、
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
数学的乗数を以て追々に広がり行くとも消ゆることはあらず、木葉このはは年々歳々新まり行くべきも、我が悲恋は新たまりたることはなくしていや茂るのみ、江水は時々刻々に流れ去れども、我が悲恋はよどみよどみて漫々たる洋海をなすのみ
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
図中の旅僧は風に吹上げられし経文きょうもんを取押へんとして狼狽ろうばいすれば、ひざのあたりまですそ吹巻ふきまくられたる女の懐中よりは鼻紙片々へんぺんとして木葉このはまじわり日傘諸共もろとも空中に舞飛まいとべり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
親は皆自ら苦む習なれば子を思はざる人のあらんや、但し欲楽の満足を与へ栄華の十分を享けしむるは、木葉このはを与へて児の啼きをかす其にも増して愚のことなり、世を捨つる人がまことに捨つるかは捨てぬ人こそ捨つるなりけれ、たゞ幾重にも御仏を頼み玉へ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
けれども景色が余り広いと写実に遠ざかるから今少し狭く細かく写そうと思うて、月が木葉このはがくれにちらちらして居る所、即ち作者は森の影を踏んでちらちらする葉隠れの月を右に見ながら、いくら往ても往ても月は葉隠れになったままであって自分の顔をかっと照す事はない、という
句合の月 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
小春日和こはるびよりの日などには、お島がよく出て見た松並木の往還にある木挽小舎こびきごやの男達の姿も、いつか見えなくなって、そこから小川を一つ隔てた田圃たんぼなかにある遊廓ゆうかくの白いペンキ塗の二階や三階の建物を取捲いていた林の木葉このはも、すっかり落尽くしてしまった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
此度こたびは黄金丸肩をかすらして、思はず身をも沈めつ、大声あげて「おのれ今日も狼藉ろうぜきなすや、引捕ひっとらへてくれんず」ト、走りよって木の上を見れば、果して昨日の猿にて、黄金丸の姿を見るより、またも木葉このはうちに隠れしが、われに木伝こづたふ術あらねば、追駆おっかけて捕ふることもならず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
佃島つくだじまでは例年の通り狼烟のろし稽古けいこの始まる頃とて、夕涼かたがたそれをば見物に出掛ける屋根船猪牙舟ちょきぶねは秋の木葉このはの散る如く河面かわもせに漂っていると、夕風と夕汐のこの刻限を計って千石積せんごくづみの大船はまた幾艘いくそうとなく沖の方から波をってこの港口へと進んで来る。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)