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暑
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あつさ
ふりがな文庫
“
暑
(
あつさ
)” の例文
ここへ来るまでに、
暑
(
あつさ
)
を
侵
(
おか
)
して旅行をした宇平は
留飲疝通
(
りゅういんせんつう
)
に悩み、文吉も下痢して、食事が進まぬので、湯町で五十日の間保養した。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
御前様
(
おんまへさま
)
には
追々
(
おひおひ
)
暑
(
あつさ
)
に向ひ候へば、いつも夏まけにて御悩み
被成候事
(
なされさふらふこと
)
とて、
此頃
(
このごろ
)
は
如何
(
いか
)
に
御暮
(
おんくら
)
し
被遊候
(
あそばされさふらふ
)
やと、
一入
(
ひとしほ
)
御案
(
おんあん
)
じ
申上参
(
まをしあげまゐ
)
らせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
雨は
霽
(
は
)
れた、人は湯さめがしたように
暑
(
あつさ
)
を忘れた、敷居を越して
溢
(
あふ
)
れ込んだ前の大溝の
雨溜
(
あまだまり
)
で、しっくい
叩
(
たたき
)
の土間は一面に水を打ったよう。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
五日目に
暑
(
あつさ
)
を冒して、電車へ乗って、平岡の社まで出掛けて行ってみて、平岡は二三日出社しないと云う事が分った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それ
食
(
じき
)
は、
色
(
いろ
)
を
増
(
ま
)
し、
力
(
ちから
)
をつけ、
命
(
いのち
)
を
延
(
の
)
ぶ。
衣
(
ころも
)
は、
寒
(
さむ
)
さをふせぎ、
暑
(
あつさ
)
を
支
(
さ
)
え、
恥
(
はぢ
)
をかくす。人にものを
施
(
せ
)
する人は、人の
色
(
いろ
)
をまし、
力
(
ちから
)
をそへ、
命
(
いのち
)
を
續
(
つ
)
ぐなり。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
晝の
暑
(
あつさ
)
地球のために、またはしば/\土星のために消え、月の
寒
(
さむさ
)
をはややはらぐるあたはざるとき 一—三
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
地勢東北は神社の森かげとなりまづ西南向に
相
(
あい
)
見え候間古家建直しの折西日さへよけるようにすれば風通しも
宜
(
よ
)
かるべくまさか
田福
(
でんぷく
)
が「わが宿は
下手
(
へた
)
のたてたる
暑
(
あつさ
)
かな」
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
かくてようやく大路に出でたる頃は、さまで道のりをあゆみしにあらねど、
暑
(
あつさ
)
に息もあえぐばかり苦しくおぼえしかば、もの売る小家の眼に入りたるを幸とそこにやすむ。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
庭の草木も濡れて
復活
(
いきかえ
)
った。毎日々々の
暑
(
あつさ
)
で、
柔軟
(
かよわ
)
い
鳳仙花
(
ほうせんか
)
なぞは竹の垣のもとに長い葉を垂れて、紅く咲いた花も死んだように成っていたが、これも雨が来て力を得た。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
恰度
(
ちやうど
)
日盛
(
ひざかり
)
で
太陽
(
ひ
)
は
燦然
(
ぎら/\
)
と
煌
(
かゞや
)
き、
暑
(
あつさ
)
は
暑
(
あつ
)
し、
園
(
その
)
の
中
(
なか
)
は
森
(
しん
)
として
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
洗ひ
嗽
(
うがひ
)
などして
暑
(
あつさ
)
を
凌
(
しの
)
ぎ
休
(
やす
)
らひ居たり此處は景色もよく後ろは
須走
(
すはし
)
り前は
山中
(
やまなか
)
の湖水と
打眺
(
うちなが
)
め居る彼方の
坂
(
さか
)
より
行衣
(
ぎやうい
)
に
襷
(
たすき
)
を
懸
(
かけ
)
て
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
を突ながら
鈴
(
すゞ
)
の
音
(
ね
)
と
倶
(
とも
)
に來る富士同者あり
渠
(
かれ
)
も此處に休み水を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
水道の水を飲む時生ぬるくって気味が悪いからホンの少しの氷片を浮かせてその水を冷す事はありますが決して氷その物を食べるのでありません。日本風の氷水を飲むのは
暑
(
あつさ
)
の時の
不養生
(
ふようじょう
)
の第一です。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
五日
(
いつか
)
目に
暑
(
あつさ
)
を
冒
(
おか
)
して、電車へ
乗
(
の
)
つて、平岡の社迄
出掛
(
でか
)
けて行つて見て、平岡は二三日出社しないと云ふ事が
分
(
わか
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なに
)
をしてござる、
御修行
(
ごしゆぎやう
)
の
身
(
み
)
が、この
位
(
くらゐ
)
の
暑
(
あつさ
)
で、
岸
(
きし
)
に
休
(
やす
)
んで
居
(
ゐ
)
さつしやる
分
(
ぶん
)
ではあんめえ、一
生懸命
(
しやうけんめい
)
に
歩行
(
ある
)
かつしやりや、
昨夜
(
ゆふべ
)
の
泊
(
とまり
)
から
此処
(
こゝ
)
まではたつた五
里
(
り
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
老婦人はまたセエブル地方の大きく美しいことを言い添えて、ここへ
暑
(
あつさ
)
を避けに来ている幾多の家族は皆友達のようであり、砂上に遊び戯るる子供等を見るのも楽いと書いてよこした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三千代はこの
暑
(
あつさ
)
を冒して前日の約を
履
(
ふ
)
んだ。代助は女の声を聞き付けた時、自分で玄関まで飛び出した。三千代は傘をつぼめて、風呂敷包を抱えて、
格子
(
こうし
)
の外に立っていた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
若
(
わか
)
きものの、
山
(
やま
)
深
(
ふか
)
く
暑
(
あつさ
)
を
避
(
さ
)
けたるが、
雲
(
くも
)
の
峰
(
みね
)
高
(
たか
)
き
巖
(
いは
)
の
根
(
ね
)
に、
嘉魚
(
いはな
)
釣
(
つ
)
りて
一人
(
ひとり
)
居
(
ゐ
)
たりけり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
絶えず精神に重苦しい
暑
(
あつさ
)
を感ずるので、
屡
(
しばしば
)
団扇
(
うちわ
)
を手にして、風を襟から頭へ送っていた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
このくらいの
暑
(
あつさ
)
で、岸に休んでいさっしゃる分ではあんめえ、
一生懸命
(
いっしょうけんめい
)
に
歩行
(
ある
)
かっしゃりや、
昨夜
(
ゆうべ
)
の
泊
(
とまり
)
からここまではたった五里、もう里へ行って地蔵様を拝まっしゃる時刻じゃ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
堪えず精神に重苦しい
暑
(
あつさ
)
を感ずるので、屡
団扇
(
うちは
)
を
手
(
て
)
にして、
風
(
かぜ
)
を
襟
(
えり
)
から
頭
(
あたま
)
へ
送
(
おく
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三人は
暑
(
あつさ
)
を
冒
(
おか
)
して岡を
下
(
くだ
)
った。そうして停車場からすぐ電車に乗った。自分は向側に並んで腰をかけた岡田とお兼さんを時々見た。その間には三沢の
突飛
(
とっぴ
)
な葉書を思い出したりした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
暑
常用漢字
小3
部首:⽇
12画
“暑”を含む語句
寒暑
暑気
避暑
暑熱
暑寒
残暑
蒸暑
極暑
大暑
暑中
炎暑
避暑客
暑中休暇
暑中伺
殘暑
暑苦
薄暑
暑過
秋暑
避暑地
...