“あつさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.9%
暑気20.6%
暑熱14.7%
5.9%
5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御前様おんまへさまには追々おひおひあつさに向ひ候へば、いつも夏まけにて御悩み被成候事なされさふらふこととて、此頃このごろ如何いか御暮おんくら被遊候あそばされさふらふやと、一入ひとしほ御案おんあん申上参まをしあげまゐらせ候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
行李こうりそこそこかの地を旅立ち、一昨日おとといこの地に着きましたが、暑気あつさあたりて昨日一日、旅店に病みて枕もあがらず。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
富江が来ると、家中うちぢゆうが急に賑かになつて、高い笑声が立つ。暑熱あつさ盛りをうつら/\とてゐたお柳は今し方起き出して、東向の縁側で静子に髪を結はしてる様子。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此比又冷気多く候処、今日よりあつさつよく候。いかなる気候に候や。生来不覚位の事也。先冬あたたかに雪なく、夏涼しくて雷なく、凌ぎよき年也。ことに豊年也。世の中も此通ならば旨き物也。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
高さ十九丈壁のあつさは三丈四尺、これを四階に分って、最上の一層にのみ窓を穿うがつ。真上より真下にくだる井戸の如き道ありて、所謂いわゆるダンジョンはもっとも低く尤も暗き所に地獄と壁一重を隔てて設けらるる。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)