“あつし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アツシ
語句割合
厚司31.3%
厚子15.6%
12.5%
厚衣9.4%
9.4%
6.3%
壓死3.1%
危篤3.1%
3.1%
3.1%
遏止3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして着物も着換へずに、厚司あつし姿のまゝ土間の板草履を突つかけると、ぷいと自転車へ飛び乗つて、出かけてしまつた。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
お高はその平吉の厚子あつしの下から露出している蒼白あおじろい足さきのちらちらするのを見ていた。そして、その蒼白い足端が見えなくなったところで、ごとごとと云う音がした。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「驚いたな、お町さん。あつしもいろ/\の目に逢つたが、石井三右衞門ともいはれる大金持の身上を、まるごと預るやうなことにならうとは思はなかつたよ」
所々綴布つぎの入つた腰迄の紺の厚衣あつしを、腹まで見える程ゆるく素肌に着て、細い木綿しぼりの帯を横に結んで、其結目の所に鼠色に垢のついた汗拭をげて居た。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「親分、お常が何か言はうとしたのを、無理に止めたのは、どういふわけです。あつしにはどうも呑込めねえが」
ぐうせしことはなはだあつし小千谷をぢや北越ほくゑつ一市会いつしくわい商家しやうか鱗次りんじとして百物そなはらざることなし。うみる事わづかに七里ゆゑに魚類ぎよるゐとぼしからず。
もしこの家扶かふ下座敷したざしきにゐたまゝであつたならば無論むろん壓死あつししたであらうが、主人しゆじんおもひの徳行とくこうのために主人夫妻しゆじんふうふとも無難ぶなんすくされたのであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
實際じつさい前記ぜんき大地震だいぢしんおいては機敏きびん動作どうさをなしてかへつて軒前のきさき壓死あつししたものがおほく、おくれながら小屋組こやぐみした安全あんぜんかれたものは屋根やねやぶつてたすかつたといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
驚駭おどろきむねはふたぎぬ、危篤あつしれぬ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
姉さんとお前とあつしに、五万円づつつていふんだらう。
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
一、長閑のどかあたたかうららか日永ひながおぼろは春季と定め、短夜みじかよすずしあつしは夏季と定め、ひややかすさまじ朝寒あささむ夜寒よさむ坐寒そぞろさむ漸寒ややさむ肌寒はださむしむ夜長よながは秋季と定め、さむし、つめたしは冬季と定む。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
千里の竜馬槽櫪さうれきの間を脱して鉄蹄を飛風に望んで快走す、何者も其奔飛の勢を遏止あつしするあたはず、何物も其行く所を預想する能はず。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)