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戰
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たゝかひ
同じ
時、
賈雍將軍は
蒼梧の
人、
豫章の
太守として
國の
境を
出で、
夷賊の
寇するを
討じて
戰に
勝たず。
遂に
蠻軍のために
殺され
頭を
奪はる。
〔譯〕三軍和せずば、以て
戰を言ひ
難し。百官和せずば、以て
治を言ひ難し。書に云ふ、
寅を同じうし
恭を
協せ
和衷せよやと。唯だ一の和字、
治亂を
一串す。
追へども
撃てども
敵も
強者、
再び
寄する
七隻の
堅艦、
怒濤は
逆卷き、
風荒れて、
血汐に
染みたる
海賊の
旗風いよ/\
鋭く、
猛く、
此戰何時果つ
可しとも
覺えざりし
時。
事は
冬の
下から
春が
頭を
擡げる
時分に
始まつて、
散り
盡した
櫻の
花が
若葉に
色を
易へる
頃に
終つた。
凡てが
生死の
戰であつた。
青竹を
炙つて
油を
絞る
程の
苦しみであつた。
慈悲悔恨の
弛無く、
修羅の
戰酣に
また
其がために
勢を
増し、
力を
得ることは、
戰に
鯨波を
擧げるに
齊しい、
曳々!と
一齊に
聲を
合はせるトタンに、
故郷も、
妻子も、
死も、
時間も、
慾も、
未練も
忘れるのである。
恁くて
互に
其の
間に
考案する
隙ありき。さすがに
斯道の
達人とて、
積薪は
耳を
澄して、
密かに
其の
戰を
聞居たり。
時四更に
至りて、
姑の
曰く、お
前、おまけだね、
勝つたが
九目だけと。
戰は
日ごろの
好、いざゝらば