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小家
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こいへ
ふりがな文庫
“
小家
(
こいへ
)” の例文
海を眺めてゐる白髪の主人は、此松の幾本かを切つて、松林の中へ
嵌
(
は
)
め込んだやうに立てた
小家
(
こいへ
)
の
一間
(
ひとま
)
に据わつてゐる。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と立ちつゞく
小家
(
こいへ
)
の前で歌つたが金にならないと見たか歌ひも
了
(
をは
)
らず、元の
急足
(
いそぎあし
)
で
吉原土手
(
よしはらどて
)
の
方
(
はう
)
へ行つてしまつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
が、たとへば
薄青
(
うすあを
)
い
樹
(
き
)
の
蔭
(
かげ
)
の
清
(
きよ
)
らかなる
境内
(
けいだい
)
を、
左
(
ひだり
)
に、
右
(
みぎ
)
には
村
(
むら
)
の
小家
(
こいへ
)
に
添
(
そ
)
つて、
流
(
なが
)
れがさら/\と
畔
(
くろ
)
を
走
(
はし
)
る。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
上田秋成が南禅寺常林庵の
小家
(
こいへ
)
にも、
入
(
い
)
り
口
(
くち
)
に暖簾をかけて「
鶉屋
(
うづらや
)
」とたつた二字が
認
(
したゝ
)
めてあつたといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其時
(
そのとき
)
愛
(
あい
)
ちやんは
突然
(
とつぜん
)
打開
(
うちひら
)
いたる
廣場
(
ひろば
)
に
出
(
で
)
ました、
其所
(
そこ
)
には
漸
(
やうや
)
く四
寸位
(
すんぐらゐ
)
の
高
(
たか
)
さの
小家
(
こいへ
)
がありました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
旭館
(
あさひくわん
)
と云ふ富豪の
遊場所
(
あそびばしよ
)
の石垣の長いのを通り越すと、もう漁師の家や貝細工を売る
小家
(
こいへ
)
が並んで居ます。真直に真直に行けば海の中へ突出た燈台に出るまでその道は続いて居ます。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
実際己はワシリといふ男の事を、
知人
(
しりびと
)
から少し聞き込んでゐる。ワシリはこの辺に移住してゐる流浪人仲間の一人である。ヤクツク領の内で、大ぶ大きい部落の
小家
(
こいへ
)
に二年程前から住つてゐる。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
近い所も遠い所も家は皆低くてそして
代赭
(
たいしや
)
色の瓦で皆葺いてある。
態
(
わざ
)
とらしく思はれる程その
小家
(
こいへ
)
の散在した
間間
(
あひだあひだ
)
に木の
群立
(
むらだち
)
がある。
雛罌粟
(
コクリコ
)
の花が少しあくどく感じる程一面に地の上に咲いて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
鶯のあちこちとするや
小家
(
こいへ
)
がち
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
荒壁
(
あらかべ
)
の
小家
(
こいへ
)
一村
(
ひとむら
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
昔別荘の真似事に立てた、膝を
容
(
い
)
れるばかりの
小家
(
こいへ
)
には、
仏者
(
ぶつしや
)
の
百一物
(
ひやくいちもつ
)
のやうになんの道具も只一つしか無い。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
伊達
(
だて
)
の
停車場
(
ていしやぢやう
)
を
出
(
で
)
て
間
(
ま
)
もなく
踏切
(
ふみきり
)
を
越
(
こ
)
して、しばらくして、
一二軒
(
いちにけん
)
、
村
(
むら
)
の
小家
(
こいへ
)
の
前
(
まへ
)
に、
細
(
ほそ
)
い
流
(
ながれ
)
に
一際
(
ひときは
)
茂
(
しげ
)
つて
丈
(
たけ
)
ののびたのがあつて、すつと
露
(
つゆ
)
を
上
(
あ
)
げて
薄手
(
うすで
)
ながら
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
小家
(
こいへ
)
の
曲
(
まが
)
り
角
(
かど
)
の
汚
(
よご
)
れた
板目
(
はめ
)
には
売薬
(
ばいやく
)
と
易占
(
うらなひ
)
の広告に
交
(
まじ
)
つて至る
処
(
ところ
)
女工募集
(
ぢよこうぼしふ
)
の
貼紙
(
はりがみ
)
が目についた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
処
(
ところ
)
で、
私
(
わたし
)
が、お
浦
(
うら
)
を
救
(
すく
)
ふ
道
(
みち
)
として、
進
(
すゝ
)
むべき
第一歩
(
だいいつぽ
)
は、
何処
(
どこ
)
でも
可
(
い
)
い、
小家
(
こいへ
)
を
一軒
(
いつけん
)
探
(
さが
)
す
事
(
こと
)
だ。
小家
(
こや
)
でも
可
(
いゝ
)
、
辻堂
(
つじだう
)
、
祠
(
ほこら
)
でも
構
(
かま
)
はん、
何
(
なん
)
でも
人
(
ひと
)
の
居
(
ゐ
)
ない
空屋
(
あきや
)
が
望
(
のぞ
)
みだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
門口
(
かどぐち
)
に
柳
(
やなぎ
)
のある新しい二階
家
(
や
)
からは
三味線
(
しやみせん
)
が
聞
(
きこ
)
えて、水に添ふ低い
小家
(
こいへ
)
の
格子戸外
(
かうしどそと
)
には
裸体
(
はだか
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が
凉
(
すゞ
)
みに出はじめた。
長吉
(
ちやうきち
)
はもう来る
時分
(
じぶん
)
であらうと思つて
一心
(
いつしん
)
に橋
向
(
むか
)
うを
眺
(
なが
)
めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
さて
奧樣
(
おくさま
)
、
目當
(
めあて
)
にいたして
參
(
まゐ
)
つたは
此
(
こ
)
の
小家
(
こいへ
)
、
忰
(
せがれ
)
は
武生
(
たけふ
)
に
勞働
(
はたらき
)
に
行
(
い
)
つて
居
(
を
)
り、
留守
(
るす
)
は
山
(
やま
)
の
主
(
ぬし
)
のやうな、
爺
(
ぢい
)
と
婆
(
ばゞ
)
二人
(
ふたり
)
ぐらし、
此處
(
こゝ
)
にお
泊
(
とま
)
りとなさいまし、
戸
(
と
)
を
叩
(
たゝ
)
いてあけさせませう。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
樒
(
しきび
)
売る
小家
(
こいへ
)
の窓や秋の風
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私
(
わたし
)
の
小家
(
こいへ
)
は
餘寒
(
よかん
)
未
(
いま
)
だ
相去
(
あひさ
)
り
申
(
まを
)
さずだつたが——お
宅
(
たく
)
は
來客
(
らいきやく
)
がくびすを
接
(
せつ
)
しておびたゞしい。
玄關
(
げんくわん
)
で、
私
(
わたし
)
たち
友達
(
ともだち
)
が
留守
(
るす
)
を
使
(
つか
)
ふばかりにも
氣
(
き
)
が
散
(
ち
)
るからと、お
氣
(
き
)
にいりの
煎茶茶碗
(
せんちやぢやわん
)
一
(
ひと
)
つ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
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小家来