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こいへ
が、たとへば
薄青い
樹の
蔭の
清らかなる
境内を、
左に、
右には
村の
小家に
添つて、
流れがさら/\と
畔を
走る。
上田秋成が南禅寺常林庵の
小家にも、
入り
口に暖簾をかけて「
鶉屋」とたつた二字が
認めてあつたといふ事だ。
場所は、
立出でた
休屋の
宿を、さながら
谷の
小屋にした、
中山半島——
此の
半島は、
恰も
龍の、
頭を
大空に
反らした
形で、
居る
処は
其の
腮である。