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ふりがな文庫
“
女
(
ひと
)” の例文
この伯母さんは、女学校を出て、
行燈袴
(
あんどんばかま
)
を
穿
(
は
)
いて、四円の月給の小学教師になったので、私の母から
姉妹
(
きょうだい
)
の縁を切るといわれた
女
(
ひと
)
だ。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それに、あんたは、もう、あすこにや居らん
女
(
ひと
)
なんだもの。そぎやんむつかしかこといはんてちやあ、一枚写しておきなはりまつせ。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
十五六から二十になるまで心の中に新らしいものが生れると同じ様に四十位の
女
(
ひと
)
の心には又新らしい或るものが産れて居るんですよ
千世子(三)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
年の頃は二十四五、柔和な
女
(
ひと
)
で顔形は十人並、或ひはもつと其れよりも綺麗な人だと言つたところで見てゐた人は無いのだから……。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「いいえ。色んな事からそう思えるのよ。第一あの
女
(
ひと
)
は貴方がホントに好きなんじゃない。妾が好きなのよ……それも死ぬほど……」
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
今こそお通に向って、たった
一言
(
ひとこと
)
でも、真実をいいたい。またそれがこの
女
(
ひと
)
に対して
酬
(
むく
)
ゆる最大な良心でもあるし——と武蔵は思う。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海水をのむと安心したのか、心が静まって、胸のガラガラ鳴る音が止んだ。ぼくは漸く頭をあげてその
女
(
ひと
)
の顔をみた。そして突然
ひとりすまう
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
ミス・ダッシュですって? そんな
女
(
ひと
)
は存じません。何かのお間違いでしょう。第一、あなたにお眼にかかるのは今が初めてです。
消えた花婿
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
あの
女
(
ひと
)
は屹度私の所へ戻ってきます。半年か一年か二年か、それは分りませんが、鍛えられた心で必ず私を訪ねてくると信じています。
或る男の手記
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
またあの
女
(
ひと
)
のお子さんはたいへん病身でしたが、お医者の忠告を聞いて、南の方へ移転なすったので、子供の命をお助けになりました。
クロイツェル・ソナタ:01 クロイツェル・ソナタ
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
……私には
到底
(
とても
)
お雪さんの真似は出来ない。……思い切りの好い
女
(
ひと
)
だ。それを思うと雪岡さん、私はあなたがお気の毒になりますよ……
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
そんなら亡んでしまうがいい、ってそう言うのよ、その
女
(
ひと
)
は。それが自然の法則だ。自分たちは自分たちだけで血みどろだ、って。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
そりゃもちろん、僕はあの
女
(
ひと
)
を永久に愛するつもりですし、またあの
女
(
ひと
)
も、お腹をかかえてただもう笑い轉げているだけの話です。
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
私
(
わたくし
)
はその
時
(
とき
)
、きっとこの
女
(
ひと
)
はこの
男
(
おとこ
)
の
手
(
て
)
にかかって
死
(
し
)
んだのであろうと
思
(
おも
)
いましたが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
こんな
苛責
(
かしゃく
)
の
光景
(
ありさま
)
を
見
(
み
)
るにつけても
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
向って
日南
(
ひなた
)
の、
背後
(
うしろ
)
は水で、思いがけず一本の
菖蒲
(
あやめ
)
が町に咲いた、と見た。……その美しい
女
(
ひと
)
の影は、分れた背中にひやひやと
染
(
し
)
む。……
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肌寒い春の夕がた私は
停車場
(
ステーション
)
の柱によって千代子の悲愁を想いやった。思いなしかこのごろその
女
(
ひと
)
の顔がどうやら
憔
(
やつ
)
れたようにも見える。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
今こそ、まことのこころを持った
女
(
ひと
)
にようやく
廻
(
めぐ
)
り逢うことが出来たのです。本当に永い苦労の
仕甲斐
(
しがい
)
があったと云うものです。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「ぼくにはだいじな
女
(
ひと
)
がいるから、悪いけれど気にしないで」とまともな顔で断って、指一本、
彼女達
(
かのじょたち
)
に触れたことはありませんでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
傍らの美しい
女
(
ひと
)
も、何か言おうとして二人の顔を見くらべたまま、胸のあたりまで挙げた手を、又だらんとおろしてしまった。
地図にない島
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
面
(
つら
)
あてにでもその
女
(
ひと
)
を村一番の美人だなんて言ひ出さないにも限らないわ! でも、そんなことはないわ、
彼
(
あのひと
)
はあたしを愛してるんだから。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
『
怎
(
ど
)
うしまして、
私
(
わたくし
)
こそ……。』と、
脱
(
と
)
つた帽子の
飾紐
(
リボン
)
に切符を揷みながら、『フム、小川の所謂
近世的婦人
(
モダーンウーマン
)
が
此
(
この
)
女
(
ひと
)
なのだ!』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「その不幸な
女
(
ひと
)
が兇行に遭っている最中に、誰か戸口へ
訪
(
おと
)
なっただろうという説もありますが、どうも
左様
(
そう
)
らしいですわね」
ペルゴレーズ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
寒くなると、がたがた
顫
(
ふる
)
えてる貧乏人がどれだけあるか知れないんだよ。お前さんは一体、
締
(
しま
)
るところは締る
女
(
ひと
)
なんだのにね
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
あの
女
(
ひと
)
は、僕が君の
伝言
(
ことづて
)
を伝えてやったら、それを聞いてとても喜んでいたよ。いや、なあに、あの
女
(
ひと
)
が喜んでいる素振りを
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「あなたはその
女
(
ひと
)
を御存じですね。」とクリストフはくり返した。「どうか知ってるだけのことを私に聞かしてください。」
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「お蓮様とやらには、またいろいろと事情もあろうが、それはいずれ聞くとして、どうじゃな、お美夜坊。おまえはこの
女
(
ひと
)
を、母と思うかの?」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
此時節より通ひ
初
(
そむ
)
るは浮かれ浮かるゝ遊客ならで、身にしみ/″\と實のあるお方のよし、
遊女
(
つとめ
)
あがりの去る
女
(
ひと
)
が申き
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
操さんは私を尻目にかけて
碌
(
ろく
)
に言葉すらもかけてくれなかった。私は別に操さんを憎みはしなかった。けれど余り感じのいい
女
(
ひと
)
だとは思わなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
何もかもすっかり言いあてたのさ、母親はな。信心深え
女
(
ひと
)
だったなあ! だが、俺がこんなとこに置かれることになったなあ、神様の思召しだったよ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「ですけれど今、あの
女
(
ひと
)
があなたに会って子供を見なかったら、私どもは何と申してやったらよろしいでしょう。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ああ、もし自分が僧侶でなかったなら、毎日でもあの
女
(
ひと
)
に逢うことも出来る。そうして、あの女の恋人となり、あの女の夫になっていられるのだが……。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
若し假りに、私があの
女
(
ひと
)
の立場にあつたなら、地面が割れて私を
嚥
(
の
)
みこんでくれゝばよいと思つたことだらうに。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その
女
(
ひと
)
のお顏とそつくりのお
粧
(
つく
)
りをして見せて、あなたをよろこばして上げたいと考へたからなのよ、わたくしだつて頬べにをつければ頬はあかくなるし
はるあはれ
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
それも旅で知り合った
女
(
ひと
)
が
堅気
(
かたぎ
)
になって、五里ばかり離れた町に住んでいるからと言って、
添書
(
てんしょ
)
をしてくれた。
抱茗荷の説
(新字新仮名)
/
山本禾太郎
(著)
「あんな方の奧さんになる
女
(
ひと
)
は隨分氣骨が折れるでせうね。何でもよく知つてらつしやるんだから
迂闊
(
うくわつ
)
なことは出來ますまいよ。」と話を
外
(
そ
)
らさうとした。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
こうした
女
(
ひと
)
が自分の姉のように親しくしていることを(それはいつも感じることだったが)誇らしく感じた。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
役者連中は彼女によくなついて、『ヴァーニチカと二人』だの『可愛い
女
(
ひと
)
』だのと尊称を奉っていた。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
誰かあたしの知っている
女
(
ひと
)
のうちから佐治さんが恋をするに相応しい人を見付けてあげたいくらい。
偽悪病患者
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
じつはこうした素姓の人の妻で、いまは夫に先立たれて頼りない身になっている
女
(
ひと
)
が、『結婚して、力になってくれ』といって、そのしるしに下さったものなのです。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「問題さ、人間が一匹死ぬんだからな。それに僕はなにもどうしてもみづ江さんでなくちやならんといふ理由はないし、そりやみづ江さんは好い
女
(
ひと
)
さ、しかし他にも……。」
青春の天刑病者達
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
「まあ、正直なところあの
女
(
ひと
)
に舞台は何うかと思ひますね。せりふなんかも何うも……。」
彷徨へる
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
あの
女
(
ひと
)
は可哀想ですよ。たつた十七か十八の小娘のとき、惡い武家に
騙
(
だま
)
されて、驅落などを
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ああした大家の奥向を取締っている
女
(
ひと
)
だけに、まことに上品で、私はどこかいいところの奥様かと思いました。先方でも
逸早
(
いちはや
)
く私を見ると直ぐ傍へ来て、丁寧に頭を下げました。
蛇性の執念
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
夫婦喧嘩は、始終の事で珍しくも無いが、
殊更
(
とりわけ
)
此頃亭主が清元の稽古に往く師匠の
延津
(
のぶつ
)
○とかいう
女
(
ひと
)
と
可笑
(
おかし
)
いとかで盛に
嫉妬
(
やきもち
)
を焼いては、揚句がヒステリーの発作で、
痙攣
(
ひきつ
)
ける。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
今しも書生の門前を
噂
(
うはさ
)
して過ぎしは、此の
女
(
ひと
)
の上にやあらん、
紫
(
むらさき
)
の
単衣
(
ひとへ
)
に赤味帯びたる髪
房々
(
ふさ/\
)
と垂らしたる十五六とも見ゆるは、
妹
(
いもと
)
ならん、
去
(
さ
)
れど
何処
(
いづこ
)
ともなく
品格
(
しな
)
いたく
下
(
くだ
)
りて
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
チェーホフ的? 人は恐らくそう言う場合には、あの『
可愛
(
かわい
)
い
女
(
ひと
)
』や『唄うたい』や『
睡
(
ねむ
)
い』や、まずそうした作品を子守歌のように思い浮べるのであろう。そしてそれもよいのだ。
チェーホフの短篇に就いて
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
「ええ、間違いありませんわ。あたし、京子さんて方、割に字が
拙
(
つたな
)
いのねと思ってみていると、あの
女
(
ひと
)
がわざと
手蹟
(
て
)
を変えたのよと言ってお笑いになったから、よく覚えて居りますわ」
殺人迷路:06 (連作探偵小説第六回)
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
只一寸気んなる事があったんでね、ととぼけますと、気んなる事って何あに、此方が却って気ンなるミタイダワ、と来ますので、名前はおふささんと云うんだろ、実はあの
女
(
ひと
)
と同じ名前の
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
「ううん、何でもねえ——やっぱし、おいらも坊主のうちだったのかも知れねえよ。この
女
(
ひと
)
が、こんなことになって見りゃあ、最後を始末するのが、おいらの役だったのだろうよ。あ、は、は」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「そうか、そうか、分った。面会に来る
女
(
ひと
)
があるんだろうからな——」
独房
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
“女(
女性
)”の解説
女性(じょせい、el: γυναίκα、en: woman)は、男性と対比されるヒト(人間)の性別であり、女の人。一般的に「女性」という語は成人の女を指す。未成年の女子に対しては「少女」となり、小児の場合は「女の子」や「女児」となる。
(出典:Wikipedia)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“女”を含む語句
女子
女房
彼女
少女
女郎
男女
女性
処女
巫女
老女
女王
女中
婢女
小女
女神
妖女
童女
遊女
美女
女児
...