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奥山
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おくやま
ふりがな文庫
“
奥山
(
おくやま
)” の例文
旧字:
奧山
「先生。大変な騒ぎで御座ります。
奥山
(
おくやま
)
の
姐
(
ねえ
)
さんが
朝腹
(
あさっぱら
)
お客を引込もうとした処を
隠密
(
おんみつ
)
に
見付
(
みつか
)
りお縄を
頂戴
(
ちょうだい
)
いたしたので御座ります。」
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
仲見世
(
なかみせ
)
だの、
奥山
(
おくやま
)
だの、
並木
(
なみき
)
だの、
駒形
(
こまかた
)
だの、いろいろ云って聞かされる中には、今の人があまり口にしない名前さえあった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三芝居もどんなものだか、
佐
(
さ
)
の
松
(
まつ
)
の若衆人形の落ちこぼれが、
奥山
(
おくやま
)
あたりに出没しているとのことだが、それも気が進まない。
活人形
(
いきにんぎょう
)
も見てしまった。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
牧之
(
ぼくし
)
謂
(
おもへ
)
らく、
鎮守府将軍
(
ちんじゆふしやうぐん
)
平の
惟茂
(
これもち
)
四代の
后胤
(
かういん
)
奥山
(
おくやま
)
太郎の孫
城
(
じやう
)
の鬼九郎
資国
(
すけくに
)
が
嫡男
(
ちやくなん
)
城の太郎
資長
(
すけなが
)
の代まで越後高田の
辺
(
ほとり
)
鳥坂
(
とりさか
)
山に城を
構
(
かま
)
へ一国に
威
(
ゐ
)
を
震
(
ふる
)
ひしが
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一 遠州
奥山
(
おくやま
)
郷
白鞍山
(
しらくらやま
)
は、浦川の水源なり。大峰を通り
凡
(
おおよ
)
そ四里、山中人跡
稀
(
まれ
)
なり。神人住めり。俗に山男と云ふ。雪中に其跡を見て盛大なることを知る。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
それは、
昔
(
むかし
)
鎌倉
(
かまくら
)
の
奥山
(
おくやま
)
でよくきき
慣
(
な
)
れた
時鳥
(
ほととぎす
)
の
声
(
こえ
)
に
幾分
(
いくぶん
)
似
(
に
)
たところもありますが、しかしそれよりはもッと
冴
(
さ
)
えて、
賑
(
にぎや
)
かで、そして
複雑
(
こみい
)
った
音色
(
ねいろ
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
近江屋
(
あふみや
)
の
旦那
(
だんな
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て、
梅喜
(
ばいき
)
の
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いたから
浅草
(
あさくさ
)
へ
連
(
つ
)
れて
往
(
い
)
つたが、
奥山
(
おくやま
)
で
見失
(
みはぐ
)
つたけれども、
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いたから
別
(
べつ
)
に
負傷
(
けが
)
はないから安心して
居
(
ゐ
)
なと
云
(
い
)
はれた時には
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
奥山
(
おくやま
)
の
真木
(
まき
)
の
板戸
(
いたど
)
を
音
(
おと
)
速
(
はや
)
み
妹
(
いも
)
があたりの
霜
(
しも
)
の
上
(
へ
)
に
宿
(
ね
)
ぬ 〔巻十一・二六一六〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それはとにかく、その勧工場のもう一つ前の前身としては
浅草
(
あさくさ
)
の
仲見世
(
なかみせ
)
や
奥山
(
おくやま
)
のようなものがあり、
両国
(
りょうごく
)
の橋のたもとがあり、そうして所々の縁日の露店があったのだという気がする。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「どうした、
奥山
(
おくやま
)
の
狐
(
きつね
)
にでもつままれたのか」と、岩本はまた笑った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
後
(
あと
)
には
子供
(
こども
)
一人
(
ひとり
)
、
其時
(
そのとき
)
が
戸長様
(
こちやうさま
)
の
帳面前
(
ちやうめんまへ
)
年紀
(
とし
)
六ツ、
親
(
おや
)
六十で
児
(
こ
)
が
二十
(
はたち
)
なら
徴兵
(
ちようへい
)
はお
目
(
め
)
こぼしと
何
(
なに
)
を
間違
(
まちが
)
へたか
届
(
とゞけ
)
が五
年
(
ねん
)
遅
(
おそ
)
うして
本当
(
ほんたう
)
は十一、それでも
奥山
(
おくやま
)
で
育
(
そだ
)
つたから
村
(
むら
)
の
言葉
(
ことば
)
も
碌
(
ろく
)
には
知
(
し
)
らぬが
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いや、知っています、知っています。あれは
奥山
(
おくやま
)
のお光ですよ」
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
奥山
(
おくやま
)
の
菅
(
すが
)
の
葉
(
は
)
凌
(
し
)
ぬぎふる
雪
(
ゆき
)
の
消
(
け
)
なば
惜
(
を
)
しけむ
雨
(
あめ
)
なふりそね
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
奥山
(
おくやま
)
高くのぼり行き
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
蘿月はその頃お豊の家を訪ねた時にはきまって
甥
(
おい
)
の長吉とお糸をつれては
奥山
(
おくやま
)
や
佐竹
(
さたけ
)
ッ
原
(
ぱら
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行ったのだ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
此頃誠太郎はしきりに玉乗りの稽古をしたがつてゐるが、それは、全く
此間
(
このあひだ
)
浅草の
奥山
(
おくやま
)
へ一所に
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つた結果である。あの一図な所はよく、
嫂
(
あによめ
)
の気性を受け
継
(
つ
)
いでゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其様
(
そん
)
なことを
云
(
い
)
つたつて
為
(
し
)
やうがない、さアこゝは
奥山
(
おくやま
)
だ。梅「へえ……。ときよろ/\してゐる中に、
近江屋
(
あふみや
)
の
旦那
(
だんな
)
を
見失
(
みはぐ
)
つてしまひました。梅「
金兵衛
(
きんべゑ
)
さアん……
近江屋
(
あふみや
)
さアん……。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
奥山
(
おくやま
)
にしおる
栞
(
しおり
)
は
誰
(
たれ
)
のため身をかき分けて生める子のため
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
蘿月
(
らげつ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
お
豊
(
とよ
)
の家を訪ねた時にはきまつて
甥
(
をひ
)
の
長吉
(
ちやうきち
)
とお
糸
(
いと
)
をつれては
奥山
(
おくやま
)
や
佐竹
(
さたけ
)
ツ
原
(
ぱら
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行つたのだ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
以上に説くところを参考して推論して見ると、吾輩の
考
(
かんがえ
)
では
奥山
(
おくやま
)
の
猿
(
さる
)
と、学校の教師がからかうには一番手頃である。学校の教師をもって、奥山の猿に比較しては
勿体
(
もったい
)
ない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小梅
(
こうめ
)
の
伯父
(
をぢ
)
さんにつれられて
奥山
(
おくやま
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行つたり池の
鯉
(
こひ
)
に
麩
(
ふ
)
をやつたりした。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
中洲真砂座
(
なかすまさござ
)
といふ芝居の横手の路地にも銘酒屋
楊弓場
(
ようきゅうば
)
軒を並べ、家名小さく書きたる
腰高障子
(
こしだかしょうじ
)
の間より通がかりの人を呼び込む光景、柳原の郡代、芝神明、浅草公園
奥山
(
おくやま
)
等の盛況に劣らず。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
奥
常用漢字
中学
部首:⼤
12画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“奥山”で始まる語句
奥山家
奥山路
奥山辺
奥山次右衛門
奥山茂左衛門