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ふりがな文庫
“
土耳古
(
トルコ
)” の例文
マカラム街の
珈琲
(
コーヒー
)
店キャフェ・バンダラウェラは、雨期の赤土のような
土耳古
(
トルコ
)
珈琲のほかに、ジャマイカ産の
生薑
(
しょうが
)
水をも売っていた。
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
T君は
勿論
(
もちろん
)
僕などよりもこう云う問題に通じていた。が、
逞
(
たくま
)
しい彼の指には余り不景気には縁のない
土耳古
(
トルコ
)
石の
指環
(
ゆびわ
)
も
嵌
(
は
)
まっていた。
歯車
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
して、四十二にもなって、追いかえされて来るなんて……あなた、
土耳古
(
トルコ
)
のアンカラへ赴任なすった千田公使、ごぞんじでしょう?
野萩
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
やれ「
土耳古
(
トルコ
)
の伯爵に招待された」ことの「セルビヤの王子が来た」ことのと、その他
曰
(
いわ
)
く何、曰くなにと、それぞれ大奮闘の末
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
くれぐれも言うことであるが、吹込みの悪さを気にする人は、『フランス組曲』『
土耳古
(
トルコ
)
行進曲ソナタ』などを求めるのが無事だろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
▼ もっと見る
彼女自身に云わせれば母親の方に
土耳古
(
トルコ
)
人の血が交っていると云うことで、その肌の色の
白皙
(
はくせき
)
でないのを隠そうためにしているのだが
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
薔薇
(
ばら
)
色、丁子色、朱色、
土耳古
(
トルコ
)
玉
(
だま
)
色、オレンジ色、群青、
菫
(
すみれ
)
色——
凡
(
すべ
)
て、
繻子
(
しゅす
)
の光沢を帯びた・其等の・目も
眩
(
くら
)
む色彩に染上げられた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
口さがないホテルの
使童
(
ボーイ
)
達は奇妙な取り合わせの二人を評して、広東産の鶏と
土耳古
(
トルコ
)
産まれの孔雀とを
交接
(
かけあわ
)
せたようだと云うのであった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
自分で背中は見えないから、私が
土耳古
(
トルコ
)
風呂の女番人のようにタオルを振り廻し、彼女の頸から黒い東洋の毛を払い落さなければならない。
シナーニ書店のベンチ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
さて東
羅馬
(
ローマ
)
を滅ぼして自ら取って代った
土耳古
(
トルコ
)
の文明は、
何時
(
いつ
)
まで継続したろう。
須臾
(
しゅゆ
)
にして自ら堕落し滅亡したのである。
文明史の教訓
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
これは帰朝の途上わたくしが
土耳古
(
トルコ
)
の国旗に敬礼をしたり、
西郷隆盛
(
さいごうたかもり
)
の銅像を称美しなかった事などに起因したのであろう。
正宗谷崎両氏の批評に答う
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
どういう淹れ方か? 私は一遍、東京で
土耳古
(
トルコ
)
風の淹れ方だとかいって、叔父の
相伴
(
しょうばん
)
をしたことがありましたが、ちょうどそれと同じでした。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
既に
印度
(
いんど
)
を
掠
(
かす
)
めて、デリヒを取り、
波斯
(
ペルシヤ
)
を襲い、
土耳古
(
トルコ
)
を征し、心ひそかに
支那
(
しな
)
を
窺
(
うかが
)
い、四百余州を席巻して、
大元
(
たいげん
)
の遺業を復せんとするあり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
男子が一人で同時に幾人の女を独占することは丁度今もその遺風を伝えている
土耳古
(
トルコ
)
帝の如きものであった。一夫多妻は最も元始的なものである。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
独逸も加盟を希望して片足位は入ったようなものであるが、全く入ろうとしていないのは米国、メキシコ、
土耳古
(
トルコ
)
、アフガニスタン等であると述べた時
国際聯盟とは如何なものか
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
土耳古
(
トルコ
)
公
使
(
し
)
館
(
しくわん
)
、
佛蘭士
(
フランス
)
大
使
(
し
)
館
(
くわん
)
武官
館
(
くわん
)
以下西
洋
(
よう
)
人の
住宅
(
じうたく
)
が
非常
(
ひぜう
)
に多い外になかなか
特
(
とく
)
色のある
住
(
じう
)
人を持つてゐる。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そして
軽食
(
ランチ
)
の膳立であろう、
甘
(
うま
)
そうな品々がならべてあった。やがて正面の玄関口に廻ってみると、そこには二つの
土耳古
(
トルコ
)
青色
(
せいしょく
)
の植木鉢が両側に控えていた。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
そのM・A・ロスコー氏の足跡は
西班牙
(
スペイン
)
、
土耳古
(
トルコ
)
、
智利
(
チリ
)
、日本、等々々の一二等書記官どころを転々し、最後に支那、
香港
(
ホンコン
)
の領事として着任しているようですが
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
土耳古
(
トルコ
)
人たちは、みんなまっ赤なターバンと帯とをかけ、
殊
(
こと
)
に地学博士はあちこちからの
勲章
(
くんしょう
)
やメタルを、その
漆黒
(
しっこく
)
の上着にかけましたので全くまばゆい位でした。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
……絵で見るような、いや、看板だから絵には違いない……長剣を帯びて、
緋羅紗
(
ひらしゃ
)
を
羽被
(
はお
)
った、帽子もお約束の
土耳古
(
トルコ
)
人が、出刃じゃない、
拳銃
(
ピストル
)
で撃っているんだ。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「紅子、お前にちょっと聞くが、儂が
土耳古
(
トルコ
)
で買ってきたといった珍らしい彫刻のある指環を、お前にやって置いたが、先日そいつを、どこかで失くしたと云ったね」
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこに
土耳古
(
トルコ
)
帽を被った五十位の露人と、その妻らしき婦人と、三人の娘らしい女が居りました。
たちあな姫
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
土耳古
(
トルコ
)
の金持の
妾
(
めかけ
)
、アメリカ世界観光船へ乗組の遊び女、これらの職業に携わって居る間に彼女は小田島に
度々
(
たびたび
)
遇って、いくらも生活の愚痴や自慢話はするのだったが
ドーヴィル物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
Mueller は同じ工合に又他の譬を使つて居ります。
土耳古
(
トルコ
)
王は子供の時に遊友達があると云ふと、自分が位に即くと友達を絞殺してしまふ、自分が一人で權を握る。
仮名遣意見
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
王国の賛沢な
偕調
(
メロデー
)
が部屋を満たして、アングロサクソンの
英諾威
(
えいノルウエー
)
人、ケント族の仏伊人、スラブの
露墺
(
ろおう
)
人、アイオニアンの血族
希臘
(
ギリシア
)
人、オットマン帝国の
土耳古
(
トルコ
)
人等に交って
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
その瞳は
翁吉喇土
(
オンギラアト
)
の湖のごとく、
口唇
(
くちびる
)
は
土耳古
(
トルコ
)
石、吐く息は
麝香猫
(
じゃこうねこ
)
のそれにも似て——。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
土耳古
(
トルコ
)
語で「氷雪白き山岳の父」という意味だそうである、同氏はトランス・ヒマラヤを越えて、西方へ行き、ダングラユムツオ Dangrayumtsuo なる湖水の
側
(
かたわ
)
らに
高山の雪
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
それが段々と分れて支那人・満洲人・蒙古人・
土耳古
(
トルコ
)
人というようになって来る。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
蛋白石色
(
オパアルいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
後宮
(
こうきゆう
)
の
香烟
(
かうえん
)
につつまれて
眠
(
やす
)
む
土耳古
(
トルコ
)
の皇后、
蛋白石色
(
オパアルいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
絶間無
(
たえまな
)
い
撫
(
なで
)
さすりの
疲
(
つかれ
)
、おまへの心はしたたかに滿足した惡徳の深い安心を知つてゐる、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
土耳古
(
トルコ
)
、
埃及
(
エジプト
)
、などの西洋との交流が
頻繁
(
ひんぱん
)
で、その文化的影響を、中国大陸よりも逆に早くうけていたこの
羗族軍
(
きょうぞくぐん
)
は、すでに
鉄
(
くろがね
)
で外套した戦車や火砲を持ち、またアラビヤ血種の良い馬を備え
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
土耳古
(
トルコ
)
なの。悦んでるわ。文明国はもう厭き厭きだつて……。」
花問答
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
皮膚は浅黒くて、
土耳古
(
トルコ
)
人みたいな顔だなと僕は思った。
蜆
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
先年
土耳古
(
トルコ
)
軍艦の沈んだのも此處だといふことなど。
熊野奈智山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
抓
(
つま
)
みの厚い
土耳古
(
トルコ
)
煙草に火をつける。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
土耳古
(
トルコ
)
人にもせるびや人にも
諾威
(
ノウルエー
)
人にも
波蘭
(
ポーランド
)
人にも、ぶらじりあんにもタヒチ人にも、そして日本人にも第二の故郷である異国者の自由港。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
今、下からは寿江子のかけているラジオでベートウヴェンの「
土耳古
(
トルコ
)
行進曲」が響いて居ります。どうもこの音というものが。
獄中への手紙:06 一九三九年(昭和十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
螺鈿
(
らでん
)
の箱に入れた
土耳古
(
トルコ
)
石を捧げて歩む少女の一群、緑玉髄を冠に着けたる年若き騎士の一団。司祭の頭には黄金の冠あり。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
して、四十二にもなって、追いかえされて来るなんて。あなた
土耳古
(
トルコ
)
のアンカラへ赴任なすった千田公使、ごぞんじでしょう
ユモレスク
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
独逸
(
ドイツ
)
はその汎独主義の手先に
土耳古
(
トルコ
)
人をまで使役して
豺狼
(
さいろう
)
飽く無きの大欲を遂げんと欲し、
譎詐
(
けっさ
)
百端至らざる無かった。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
珈琲の中でわたしの最も好むものは
土耳古
(
トルコ
)
の珈琲であった。トルコ珈琲のすこし酸いような渋い味いは
埃及
(
エジプト
)
煙草の香気によく調和するばかりでない。
砂糖
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
現にこの『
土耳古
(
トルコ
)
行進曲ソナタ』など、手際のよさはケンプのに比べて格段の違いであるが、ケンプの稚拙な親しみを採る人の方が多いかも知れない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
土耳古
(
トルコ
)
巻の M. C. C. の
薫
(
かお
)
りの高い烟を私の顔に吹き附けながら、指に
篏
(
は
)
めて居る宝石よりも鋭く輝く大きい瞳を、闇の中できらりと私の方へ注いだ。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
膚
(
はだ
)
なりに、
土耳古
(
トルコ
)
人が
狙
(
ねら
)
って縫打に打つんだが、
弾丸
(
たま
)
の煙が、
颯
(
さっ
)
、颯と、薄絹を掛けて、肉線を
絡
(
まと
)
うごとに、うつくしい顔は、ただ彫像のようでありながら、乳に手首に脈を打つ。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
南の方はそら一杯に
霽
(
は
)
れた。
土耳古
(
トルコ
)
玉だ。それから東には敏感な空の白髪が波立つ。光の雲のうねと云った方がいゝ、南はひらけたトウクォイス、東は銀の雲のうね、書いて行かうか。
山地の稜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
わたしは又人間の堪へ得る限りの肉体的苦痛を
嘗
(
な
)
めてゐる。貧乏のどん底に落ちたこともある。が、
一方
(
いつぱう
)
には代議士に選挙されたこともある。
土耳古
(
トルコ
)
のサルタンの友だちだつたこともある。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
歓喜の最中夢中独待の下品な言葉をもらすアングロサクソン種の
和蘭
(
オランダ
)
人、オットマン帝国の
土耳古
(
トルコ
)
人からは古代のシステムの掟を、アイオニア民族の
希臘
(
ギリシャ
)
人からは商売の極意を教わりました。
孟買挿話
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
私は『とんだタチアナ姫だ』と思いましたが、職責上確める必要があると思いましたから、
土耳古
(
トルコ
)
帽を被った露西亜人が、娘達の後から急いでプラットフォームを去ろうとするのに、やっと追付いて
たちあな姫
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
部屋の中央には
土耳古
(
トルコ
)
更紗
(
さらさ
)
を
蔽
(
おお
)
うた、巨大な丸
卓子
(
テーブル
)
が置いてある。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
婦人に化けたとしても、あの顔をどうするのだ。顔をかくしている婦人なんて
印度
(
インド
)
や
土耳古
(
トルコ
)
なら知らぬこと、この日の本にありはしない。婦人の死骸の行方が判らない限りこの問題は解決がつかない。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼は私の妻の前身は
土耳古
(
トルコ
)
のサルタンだって言って居ました
ガルスワーシーの家
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“土耳古”の意味
《固有名詞》
西アジアにある国、トルコの漢字表記。首都はアンカラ。
(出典:Wiktionary)
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
耳
常用漢字
小1
部首:⽿
6画
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“土耳古”で始まる語句
土耳古玉
土耳古形
土耳古帽
土耳古皇帝
土耳古石
土耳古風
土耳古銀
土耳古飯
土耳古帽子
土耳古更紗